民主党の権力闘争の果ては？・・・

　時事通信社が１０～１３日に実施した世論調査で「次の首相にふさわしい人物」を聞いたところ、下記のような結果であった。
　１位　自民党　石破茂政調会長　　８．４％　　　６位　民主党　岡田克也幹事長　　６．３％
　２位　新党改革　舛添要一代表　　８．０％　　　７位　自民党　石原伸晃幹事長　　５．６％
　３位　民主党　前原誠司外相　　　 ７．２％　 　 ８位　自民党　小泉進次郎　 　　４．７％
　４位　みんなの党　渡辺喜美代表　７．０％　　　９位　民主党　小沢一郎　　　　　４．２％
　５位　民主党　菅直人首相　　　　　６．９％ 　　 10位　自民党　谷垣禎一総裁　　３．２％
　　　　　　　　　　　　　　　
　「首相にふさわしい人物」がひと月も経たないうちにめまぐるしく変わって、それもみんな１桁台…、「どんぐりの背比べ」とはこのことか？　政界の人材の貧困さを改めて感じるとともに、こんなありさまでは日本の将来はどうなるのだろうかと情けなくなってくる。　
　８位に小泉二世が…、よほど新しい風を期待しているということか。おもしろいのが小沢氏である。先月の２０、２１両日に産経新聞とＦＮＮが行った世論調査では８．６％でトップだったのに、３週間ほどの間に前回の半分以下の４．２％と、「三日天下」ならぬ「三週間天下」で９位に転落したことである。このところの国会招致問題が影響しているのだろうが、大体、前回１位となったことがおかしいのである。３位の舛添氏と２位の前原氏が逆転し、菅首相はみんなの党の渡辺氏に抜かれ５位に下がった。が、それでもよく５位に留まれたものだと思う。
　今の民主党は、もう末期症状のように思える。国民不在の“一兵卒”対菅首相のみにくい権力闘争は、もう行くところまで行かねばどうにもならないだろう。かつてこれほど執行部に対して徹底抗戦した所属議員の例はないという。たかが“一兵卒”に、なぜこうまで首相や幹事長が振り回されるのか、見ていてイライラしてくる。

　２０日の『ビートたけしのＴＶタックル』で、「小沢氏が民主党にいたほうがよいと思う人」という問いに、「いたほうがよい」と答えた人は一般参加者５０人中、たったの１０人。また、「政権交代は失敗だったと思う人」は３６人に上った。さらに、「自民党政権に戻ったほうがよいと思う人」は２３人、中には、「解散・総選挙すべき」という声も聞かれた。白鴎大教授の福岡氏は「菅も小沢も鳩山も辞めて、若い人にやらせたらいい」と言っていたが、菅首相も２人を道連れに腹を切るくらいの覚悟をみせてほしい。
　その鳩山氏だが、１８日、自らの後援会の会合で引退表明を撤回し、次期衆院選に出馬する考えを正式に表明したという。わが購読紙に『―前略―。鳩山氏が国民の信頼回復へ最も重視すべきは政治家としての言葉の重さだ。最高指導者を務めた政治家の進退にかかわる言行不一致は、決して許されるものではない。政治家としての資質が問われる鳩山氏が政界でうごめけば、政治に混乱をもたらすだけに終わろう』とあったが、まったく同感である。かっこよく辞めていればそれなりに評価されただろうに、この人と小沢氏の顔の面の厚さは何センチあるのだろうか。２人とも国民の声がまるで聞こえないようである。

　話を戻して、「首相にふさわしい人」１位の自民党の石破氏だが、この人の噛んで含めるような語り口調は分かりやすくていい。特に、自民党きっての防衛政策通として知られ、外交問題にも強く、博学多識な人といわれているとか。また、法学士の称号を有するそうだから法律にも詳しいのであろう。が、少しばかり人相がよくないのが難である。
　もし仮に民主党が自滅して、自民党を軸にした連立政権に戻ることになっても、それでもいいと思う。近年の国民の政治に対する関心度は高く、以前のような古い体質の政治では国民が納得するはずがないことは、自民党のお歴々は百も承知だろう。また、野党になって見えたことも、民主党政権を手本に学ぶことも多かっただろう。これを教訓に、よりよい政治が行われるならば、どこの政党でも誰が首相になろうとも、一向に差し支えないのである。