許せないひき逃げ、置き去り・・・

　まるでテレビのサスペンスドラマを地で行くような事件である。佐賀県唐津市で、行方不明になっていた小学校5年生の家原毅くんが、大怪我をしていたが無事に保護されたことは本当によかった。交通事故に巻き込まれた形跡はあるものの毅くんの姿が見当たらず、多くの人が捜索活動に加わった。広範囲、長時間にわたり捜索したが見つからず、今日はこれまでと捜索を打ち切ることになった。しかし、家族は諦めきれず、足を伸ばして探し歩いたその甲斐あって、兄が林道脇にうずくまっている毅くんを見つけたという。毅くんは手術が成功し命に別条ないそうで、ご家族は安堵したことであろう。
　それにしても、怪我をしている子どもをその場に見捨てるのも許せないが、車で連れ去り林道へ置き去りにするとは、万一死に至ることもありうると思えば、これは単にひき逃げという交通犯罪ではない。この犯人には交通事故の刑罰ではなく、刑事事件の殺人未遂の刑罰を科してやりたいくらいで、未必の故意と言える悪質・非道な行為である。
　この犯人がどのような人間かは今のところわからない。あるいは子どもを持つ親であるかもしれないし、年齢も、男女の性別も分からないが、良心も痛まず、平常な精神でいるはずがないと思いたい。人の心があるならすみやかに自首してくれることを願っている。

　話は変るが、昨今、政治家、自衛隊員、警察官、教師や、また地方官庁の役人など、高学歴社会の大人たちの犯罪が多い。収賄、談合汚職、破廉恥な性犯罪、窃盗、横領、暴行などの犯罪はあとを立たず、毎日のように新聞の一隅で目にする。このような世の中で、子どもたちに事の善悪、道徳、常識、礼儀などを教えて健全な大人になることを望んでも、それは無理というものだろう。少子化の現在、貴重な存在の子どもたちを一人前に育てるためには、もっと大人たちの意識改革が必要であろう。

　つい先日も、警察官が救急車の中で、付き添いの母親のスカートの中を盗撮した事件があったが、今度は福島民友新聞社記者が小学校のトイレで女性2人を盗撮したという。また、日光市の県立高教諭が女子トイレの窓からのぞいていたとして逮捕された。その前にもテレビ局記者が破廉恥な性犯罪を起こした事件もあり、苫小牧の市長のセクハラ事件など、人間として一番恥ずべき犯罪が目立つ。人間は衝動的に起こる自分の感情を理性で抑える能力を備えているが、それがなくばもはや人間ではなく動物以下である。
　先日岡山県でも3人の教師が懲戒免職処分になった。公金横領と窃盗、一人はセクハラだというが、子どもを教育するべき立場の人間がこの体たらくではどうしようもない。
　性的犯罪を起こす性格はそう簡単には直らない。むしろいっそのこと動物のように去勢してしまえばいいとは、少し過激な発言だろうか。