つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

独裁者金正日総書記の狂気・・・

2006-07-05 | Weblog
 今朝一番のニュースで、北朝鮮が、5日午前3時30分過ぎから5時過ぎにかけて3発のミサイルを発射し、また、午前7時過ぎに4発目のミサイル、続いて5発目の発射が確認された。いずれも数分後に日本から数百キロ離れた日本海に着弾したという。その後、8時10分に6発目のミサイルが発射された模様で、防衛庁などで確認を急いでいるというが、ミサイルは全部で10発、まだ残り4発が発射準備完了であるらしい。
 ロイター通信や米CNNテレビなどによると、米国務省当局者は、北朝鮮が発射準備を進めていると見て警戒していた弾道ミサイル「テポドン2号」は、発射の約40秒後に何らかのトラブルが起き発射実験は失敗したと語ったという。
 北朝鮮は1993年5月、ノドン(射程約1300キロ)を日本海に発射した。1998年8月には、テポドン1号(射程約1500キロ)を発射し、1段目が日本海沖、2段目は日本本土を超えて太平洋に落下した。今度のテポドン2号は、テポドン1号よりも数倍長い射程距離を持つ新型ミサイルで、推定射程距離は約6000キロといわれ、アメリカまで届くそうである。
 北朝鮮の狙いは何かというと、1つには単純に国を守る目的に加えて、その威力でアメリカや他の国を威嚇しようという狙いがある。つまり強力なミサイルを持つことによって他国に脅威を与え、交渉ごとを有利に進めたいというものである。
 もう1つには、北朝鮮は輸出できる製品に乏しく、ミサイルくらいしか高く売れるものがなく、ミサイルを輸出したいという意図があるという。高性能のミサイルなら、それだけ高く売れ、今回の発射はそのための実験で、性能を証明するためであるという。
 全く狂気の沙汰である。今の世界情勢で、威嚇や脅威で交渉事が有利に進められると考えているなら、時代錯誤も甚だしい。が、他国の人間を拉致することが平然と行われたことから見ても、北朝鮮の時代感覚は日本の明治維新前の武家社会に等しいものである。金正日総書記という将軍様がいて、厳しく分けられた身分制度、絶対服従で規律に反したものは処刑されるなど、現代では信じがたい独裁政治そのものである。脱北を希望する者がいても大金が必要であり、受入国の事情もあることから、成功率は必ずしも大きくない。日本でもその時代には一揆とか反乱が起き、世の改革を企てる先駆者はいたが、権力には勝てず、明治維新までの長い時代には弱いものが辛酸をなめてきたのである。
 ここ何年もの間、拉致問題が難航しているが、力による交渉・説得も、被害者家族の涙の情実をもってしても効をなさないとは、気の毒だがこれから先も望み薄といえよう。今さら全ての拉致被害者を解放するなどありえない。アメリカが北朝鮮の海外口座を凍結したことの影響は大きかったが、むしろ逆効果でそれで折れるような北朝鮮ではなかった。日本の拉致被害者の家族が経済制裁措置を望む声も分らぬではないが、まともな思考を持たない金正日総書記には、力と力をもってする駆け引きは逆効果であろう。その例が今回のミサイル発射である。北朝鮮はまるで自滅することを否としないまでの暴走を平気で行い、これから先も何が起きるか分らない恐怖すら感じる。もはや安保理でもどうにもならないのではと、狂気の独裁者の存在はそれ自体が脅威である。
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