連日の猛暑続き、どこの家庭でもエアコンがフル回転していることだろう。
私も先週金曜日、今年初めてエアコンを入れた。温度設定はいつも28℃、夕方から9時ごろまでであとは扇風機だ。寝室も扇風機だが、夜中に風が冷たすぎて目が覚めるときもあり、暑くて眠れないなんてことはない。
昔は生活保護受給者がエアコンを設置することは認められていなかったが、今やテレビやエアコンは贅沢品とはいえず設置が認められている。
そんなごくごく当たり前のエアコンだが、まだ「エアコンなし」の学校があるというから驚く。
文科省の昨年の調査によると、設置率(合計)には格差があって、設置率の最も高いのは香川県で92.3%だった。2位は東京都で84.5%、3位は滋賀県で77.9%である。
また、高校における冷房の設置率(合計)が最も高いのは沖縄県で84.9%、2位は京都府で79.0%、3位は東京都で77.7%と、都道府県間の施設格差は大きい。
あるネット記事である。「エアコンなし」の小学校に勤める先生が、こんなことを教えてくれた――「夏場は、子どもの机をできるだけ廊下側に寄せている」と。窓からの日が子どもに当たると暑いから、それを避けるためだという。そしてこう付け加えてくれた。「20数人だとできるけど、これも40人近くなると教室のなかに空きスペースが少なくなるから、難しい」
こうした涙ぐましい暑さ対策は、他にもある。先生が、私物の扇風機を複数台持ち込む。教室と廊下の間にある窓を取り外して、風通しをよくする。さらには、教室の入り口の扉も取り外す。これでも暑ければ、あとは個々での自助努力、下敷きパタパタだ。
今の時代、信じられない話である。今はどこに行っても冷暖房完備だ。そうした生活に馴れている子どもが、エアコンのない学校生活によく我慢しているなあ、と感心する。
私が小学校へ入学したのは戦後間もない頃で、学校の施設・設備はお粗末なもの、快適な環境で勉強を…、なんて配慮されるような時代ではなかった。
しかし、子どもたちは暑かろうが、寒かろうがそんなことはおかまいなし。みんな汗だくになって走り回っていたものである。たまに全校朝礼のとき、今でいう熱中症で倒れる子どもがいたが、みんなたくましく、少々のことではへこたれなかった。
校舎は粗末な木造建築で、夏はわりと涼しかったが、冬はすきま風が入ってきて寒かった。教室内では、夏は日が当たらないように、冬は日が当たるように、1週間ごとに机を移動させていた。が、1クラス60人くらいいたので、狭い教室では1列移動してもあまり変わらなかった。
まさか学校へうちわを持ってゆくわけにもいかず、下敷きでパタパタあおいで涼をとっていたことを思い出す。高校を卒業するまでそういう状況だったが、それが当たり前と思っていたので不満などなかった。
今の学校は1クラス25人前後と聞く。至れり尽くせりの設備、冷暖房完備の広い教室、そういう快適な環境で勉強できる子どもたちは幸せだ。が、恵まれた環境で育った分、心身ともに軟弱な子どもが多いと聞く。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」か?
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