歯科医師に成って昭和62年卒業ですから、23年目に成ります。
今まで、かなり難しい手術でも何とかこなして大きなトラブルに見舞われた事はありません。
しかし、今年、残念ながら下顎の水平埋伏歯のかなり深いもので、下歯槽神経切断を起こしてしまいました。
レントゲン上でも癒着が激しく、3DXで見て極めて難しい状況であった事は診断していましたが、歯質と骨との判別が物凄く難しく、かなり用心深く切断していたつもりでしたが、残念な事に成ってしまいました。
自分が思っていたよりも深く削ってしまっていたのに気が付いたのは、出血が多くなった瞬間でした。
出血が大変に多く、これは動脈性だ、とすぐに分かり止血しようと必死に成りました。
しかし、切断途中でそのままでは止められません。
何とか止めないといけないので、血が溢れている状況で、歯冠部だけを、まず必死で取りました。
物凄く大変でした。
それから、傷口にガーゼを詰めて、麻酔薬を追加して止血しました。
何とか、出血が納まり、3DXで確認して打ちのめされてしまいました。
再出血してくるのではないかと心配になり、残っている歯根を取り除くかどうか、迷いましたが、感染源と成る事を心配して充分に注意しながら、癒着している所の骨を削り、歯根を取り除きました。
幸い再出血はしませんでした。
止血剤を充填して、縫合して終了しました。
翌日の洗浄におこしに成り、やはり麻痺が出てしまいました。
手術侵襲が去る1週間、とにかく待つしかないので、その間にこれからの治療に必要な器材等を準備していたのですが、残念ながら来て頂けませんでした。
手術後の7~10日間が一番重要で、治療開始しなければ行けないのですが来て頂けません。
不徳の致す所と言うしかないです。
下顎の水平埋伏歯の場合、麻痺等の起こる可能性は3~5%と言われています。
今まで、奇跡的に22年、こう言う事態を起こしていなかっただけだ、と思い知らされました。
ここをお読みのプロの方には、他山の石として頂きたいと存じます。
用心深い事は、人語に落ちないつもりでも、危険はすぐ傍にある。
進む前に、必ず確認する。
これを鉄則として頂きたいと存じます。
私の場合、今回のケースは癒着の激しさに見極めが厳しく、難し過ぎた、と言わざるを得ません。
因みに、外科の専門の先生にお伺いした所、こう言う場合は止むを得ないので、歯牙の上を覆っている骨を全て削り、歯牙を完全に見える状態で真上に抜くしかないとの事でした。
しかし、そう言う手術は術後物凄く腫れ、痛んだりしてしまいます。
骨を削ればそれだけ腫れ上がるからです。
と成ると、一般開業医ではまず無理と言う事になるでしょう。
癒着の激しい歯牙は、専門家に任せるべき時代に成っているのかも知れません。
私としては今後も患者さんの為に、一生懸命治療するしかありません。
外科は怖いのだと再認識させられ、真剣に学び直すしかないのです。
23年目の歯科医人生生涯最大の経験でした。
今まで、かなり難しい手術でも何とかこなして大きなトラブルに見舞われた事はありません。
しかし、今年、残念ながら下顎の水平埋伏歯のかなり深いもので、下歯槽神経切断を起こしてしまいました。
レントゲン上でも癒着が激しく、3DXで見て極めて難しい状況であった事は診断していましたが、歯質と骨との判別が物凄く難しく、かなり用心深く切断していたつもりでしたが、残念な事に成ってしまいました。
自分が思っていたよりも深く削ってしまっていたのに気が付いたのは、出血が多くなった瞬間でした。
出血が大変に多く、これは動脈性だ、とすぐに分かり止血しようと必死に成りました。
しかし、切断途中でそのままでは止められません。
何とか止めないといけないので、血が溢れている状況で、歯冠部だけを、まず必死で取りました。
物凄く大変でした。
それから、傷口にガーゼを詰めて、麻酔薬を追加して止血しました。
何とか、出血が納まり、3DXで確認して打ちのめされてしまいました。
再出血してくるのではないかと心配になり、残っている歯根を取り除くかどうか、迷いましたが、感染源と成る事を心配して充分に注意しながら、癒着している所の骨を削り、歯根を取り除きました。
幸い再出血はしませんでした。
止血剤を充填して、縫合して終了しました。
翌日の洗浄におこしに成り、やはり麻痺が出てしまいました。
手術侵襲が去る1週間、とにかく待つしかないので、その間にこれからの治療に必要な器材等を準備していたのですが、残念ながら来て頂けませんでした。
手術後の7~10日間が一番重要で、治療開始しなければ行けないのですが来て頂けません。
不徳の致す所と言うしかないです。
下顎の水平埋伏歯の場合、麻痺等の起こる可能性は3~5%と言われています。
今まで、奇跡的に22年、こう言う事態を起こしていなかっただけだ、と思い知らされました。
ここをお読みのプロの方には、他山の石として頂きたいと存じます。
用心深い事は、人語に落ちないつもりでも、危険はすぐ傍にある。
進む前に、必ず確認する。
これを鉄則として頂きたいと存じます。
私の場合、今回のケースは癒着の激しさに見極めが厳しく、難し過ぎた、と言わざるを得ません。
因みに、外科の専門の先生にお伺いした所、こう言う場合は止むを得ないので、歯牙の上を覆っている骨を全て削り、歯牙を完全に見える状態で真上に抜くしかないとの事でした。
しかし、そう言う手術は術後物凄く腫れ、痛んだりしてしまいます。
骨を削ればそれだけ腫れ上がるからです。
と成ると、一般開業医ではまず無理と言う事になるでしょう。
癒着の激しい歯牙は、専門家に任せるべき時代に成っているのかも知れません。
私としては今後も患者さんの為に、一生懸命治療するしかありません。
外科は怖いのだと再認識させられ、真剣に学び直すしかないのです。
23年目の歯科医人生生涯最大の経験でした。