これからの歯科に、手術は益々必要になって来るでしょう。
何故なら、単なる虫歯とかは減り続けているからで、これからは口腔内環境を整える為の治療、例えば今回お見せしているような親知らずの抜歯が開業医の普通の仕事になるからです。
インプラントも勿論その一つで、必ず手術が伴うものですし。
私が開業したばかりの17年前は、歯医者が手術するのか?出来るのか?と患者さんに怒られたり、驚かれたりしたものですが、今や隔世の感があります。
しかし、ここで非常に重要なことは、歯科開業医が頻繁に手術しだしたのはここ最近のことだ、と言うことはです。
つまり、外科の手技、知識、経験の差が実は物凄くあり、治り方、患者さんが感じる苦痛、大変さに大きな違いがある、と言うことなんです。
さる患者さんが、大きく営業しているインプラント医院でインプラントの手術を受けたらパンパンに腫れあがり、暫く出歩けなかったと言われて、うちに相談に来られ、新たなインプラント手術にかなり躊躇されてました。
私はうちのやり方は一番新しい良いやり方をもう10年以上してて、更に改良し続けてますから、と一生懸命に説明して、それでもなかなか決断出来ず、結局3ヵ月掛かって漸く決意されました。
そして、手術受けたら、えっ手術したんですか?と言われるくらい楽で、腫れも痛みもせず、あれは何だったんですか?と私に前の大手のインプラント医院への怒りを話されました。
実話です。
しかし、実はそれが普通で、まだまだ楽なやり方、低侵襲な手術は広がってないし、大手のインプラント医院みたいに沢山やる場合には、こう言う精密、繊細、丁寧な仕事は出来ないんですよ、とお話しました。
抜歯と同時とか、骨造成、歯茎再生を1回で済ませ、早く楽に綺麗にと言うような治療内容は出来ないんでしょうね、と説明して、何とか納得いただきました。
で、結局私の選択が間違ってたんですね、と自分で自分を慰めて、でも素人である私たちには分からないです、先生もっとちゃんと目立って下さい、と叱られて、思わぬやぶ蛇になってしまいました。
本当にあった話です。
ですから、患者さんが外科の治療しなければならない時には、よくよく注意してお決めになるのを、私はお勧めします。
後でしまった、にならない為に。
昨日今日と出したような手術で、1日経ってこの程度でしかない、こう言うことをして貰いましょう。