この患者さんは、もう10年以上前に左下顎の即時荷重インプラント治療から始めて、その結果がとても気に入って下さって、悪い歯が出来て抜歯しなければならない、とお話すると、じゃあインプラントですね、と自分から言われる位になって下さった患者さんです。
そして、驚くべきは、一番最初のインプラント治療受けて下さった時は齢86歳に成られている矍鑠とされた男性の患者さんです。
幾ら意気軒昂とされているからと言っても、10年前で86歳です。
当時、男性の平均寿命は75、6歳位だった筈です。
それを10歳以上超えているのに、私の元でインプラントしてすぐに歯が入るんでしょ、と評判をお聞きになって最初からする気満々で来られました。
私は一応、年齢が、とお話したら、私はね100まで頑張るから、先生して下さい、と言うお答えでした。
それで、させていただいたら、骨の状態とか歯茎の状態とかもものともせずに、即時荷重インプラント治療無事に成功され、2ヶ月チョットで型取りしてセラミックの歯を2ヶ月半後には入れさせていただけました。
そうしたら、インプラントは良い!、入れ歯とは全然違う、と大喜びされ、これで100まで頑張りますよ、と言って下さっていました。
その後、段々と色々他の部位も駄目になって行って、他の部位は抜歯即時植立即時荷重インプラント治療させていただくことになって、上記のパノラマの写真が一昨年の最期のモノです。
その後は、体調が優れない、と言うことで心配し続けておりましたが、先週亡くなられたとご家族からご報告いただきました。
後1週間で97歳だったそうです。
実に残念です。
この方、老人会とかに行くと、インプラント何てと皆言うんだよなー、と良く嘆いておられました。
俺よりも若い奴が、口もごもごさせてて年寄り臭くてね・・・、皆インプラントしてチャンと噛めるようにして満足してから死ねば良いのに・・・、と言う過激な発言もされていました。
そう言う場に行くと、殆どの方が、年だから、と言って最初っから尻込みしているんだそうです。
でも、俺は入歯が本当に嫌で嫌で、こんなんじゃ死ねない、と思ってインプラントしたくて、して見て本当に良かった、先生のお蔭だよ、といつもいつも言って下さっていました。
体調の具合が悪い、と家に籠られていたそうですが、寝たきりと言うことではなかったそうです。
段々食欲がなくなって、衰弱されて、とのことだったそうです。
97近い高齢を考えるなら、ほぼピンピンコロリ、の人生を全うされたのではないでしょうか・・・
とても残念で仕方ありませんが、今の日本の現状の高齢者の亡くなり方の中では良かった、ご家族の方も納得出来る亡くなられ方をされたようです。
長く歯科医をし続けていますと、何人もの先達である患者さんを見送ることになります。
そう言う方の経験を通じて、私は年齢はリミットではないな、と考えるようになりました。
それと同時に、やはり私が15年前から推進して来ている部分即時荷重インプラント治療こそ、高齢者に求められるもの、だなと確信しました。
高齢者になれば、大きな手術は出来ません。
大きく歯茎切り開いて、全部の骨まっ平らにして少ない本数埋めて即時荷重するAll-onの方法何て、手術侵襲が大き過ぎて本当に必要な高齢者に出来ません。
実際にAll-onの症例見ると、50代60代果ては30代40代の元気な患者さんが上がっています。
完全に狂ってます。
間違ってます。
今回の患者さんのように、歯の意識が高くてチャンとして来て、高齢者になって部分的に歯を失う人は、今後どんどん増えます。
それにブルドーザーのようなAll-onの治療しますか?
どうせ残りの寿命短いから、全部歯を抜いて、根元の所から骨をバッキンバッキン切り取って削り取ってAll-onしますか?
私は絶対にしません。
それにAll-onの10年後は80%以上トラブルが発生している、と数字が出ています。
30代でしたら、その患者さんは40代。
残りの人生は?
だから、私はAll-onは即時荷重の幻想、憧れが生み出した悪夢だと断言するのです。
今後、どんどん求められるのは部分的に無くなったものを即時荷重して直ぐに修復して差し上げるインプラント治療です。
All-onの殆どの連中は、部分即時荷重など難易度が高くて出来ないでしょう。
だから、彼らは全部抜いて、骨まっ平らにしてAll-onにするんです。
しかも、使うインプラント本数が少なく出来るから費用が安くなる、と。
じゃあ、私のこの患者さん見て下さい。
結局下顎4本、上顎3本でインプラントは済んでいて、他はご自分の歯です。
更に言えば、上の前歯はかなり歯周病が進行していて揺れてましたが、右犬歯のインプラントを即時荷重で固定源にして歯周病も治し残せています。
隣の小臼歯もです。
どちらが良いですか?
どうせ年だから、自分の歯は全部要らない、と言う考えも別に否定はしません。
やりたいならどうぞ、私はしないだけ、です。
部分的に歯を失ったのなら、そこだけ治せば良い、が一般的な考え方ではないでしょうか?
そう私は申し上げているだけ、です。
86歳と言う男性の平均寿命とうに超えられてからインプラントされて、とても元気に過ごして下さってて、心からご満足いただけたようです。
その証拠に、私の腕が悪いからでしょうが、次々と歯を失う羽目に成られた時には、ここもインプラントですね、と言われる位でしたから。
元気でいたい、食べるのに辛い思い、苦労する思いをするのは絶対に嫌だ、と常々言われて、義歯の辛さを懇々とこぼされていました。
正直、義歯の専門家としては忸怩たる思いも少々抱きましたが、インプラント希望なら、その道で全力を尽くします。
元気でいて下さった患者さんが、又一人天国へと召されるのは辛いですが、歯科医としてこの方の人生に多少なりとも貢献出来たのでは、と心を安めることが出来ます。
そして、最後に言いたいことは年だからとか、病気を抱えているからとか、色々な特殊な事情があるから、と言うことでインプラント治療を諦めないで欲しい、と言うことです。
今は、色々なことが分かって来ていて、それぞれのご事情に合わせて、出来る方にはインプラントにしたいと言うご希望を叶えています。
大きな声では言えませんが、大きな病院まで行って断られたとか、数々の知られた医院廻って断られた、難しい、と言われた方も治せて来ています。
勿論、申し訳ないですが、出来ないでしょうね、とお話した患者さんも極僅かですがいますが・・・
でも、私に診せないうちに諦めないで欲しい。
それは断言します。
それ位、数々余所で断られた難症例の患者さんばかりをお引き受けして来ています。
生意気ですが、うちは難症例の患者さんが集まる医院です。
そして、こう言うことが出来る医院です。
手術の翌日翌々日でも殆ど腫らさない状態、痛んで辛くて大変だと言うことにしない状態に治せる、超低侵襲外科手術を駆使している医院です。
この超低侵襲外科手術レベルは、間違いなく世界最高峰です。
だから、私に診せないうちに諦めないで、と言い切るのです。
そして、こう言うことも出来ます。
この患者さんも、抜歯即時植立即時荷重修復インプラント治療された患者さんで、写真は8年半後です。
皆さんはご存じないでしょうが、インプラント治療した部位は7~8年すると顎堤が痩せ始め自然観をそこない始めるんです。
審美インプラント治療しているDR探すなら、8年以上出来れば10年以上の症例を次々と見せてくれる先生にして下さい。
世界レベルの現代インプラント治療をキチンと駆使出来るDR、を見付けることを強くお勧めします。
後で後悔しない為に。
長くなってしまったので、本日はこれで・・・
もしかしたら、次は来年?