先週、イタリアの先生が来日公演で、大阪と東京で講演を土日でされました。
私は良く言っていることですが、流れている血は大阪人なので土曜日の大阪の講演会に行って来ました。
しかも、かなり朝早くに着いて、その足でスパワールドで一風呂浴びる、と言うことをして、お蔭で講演会に少々遅刻する、と言う失態をやらかして参加して来ました。
日本人の先生の導入部の話30分には間に合いませんでしたが、イタリアの先生方のお話にはちゃんと間に合って聞いて来ました。
そこで、インプラントの話も勿論出たのですが、意外にまだまだ抜歯即時植立が普及していないんだ、と言う感じの話も聴き、そうかもっともっとチャンと普及活動頑張らないといけないなー、と感じたりしました。
で、今日自分自身が抜歯されて治った後の顎堤にインプラント植立する、抜歯待時植立と言う昔からの従来通りの方法での手術をすることになって、やはり出来るんなら抜歯即時の方が全然良いなー、と凄く考えさせられました。
その理由なのですが、抜歯して顎堤が治ったのを待ってからだと、顎堤が痩せてしまってかえって難しい、と強く感じたからです。
抜歯即時の良い所は、何よりも顎堤のボリュームが温存されている状態で痩せていないこと、それを出来るだけ維持出来ること、にあると思います。
抜歯して暫く待ってしまうと、顎堤が残念ながらかなり痩せてしまいます。
そうなると、必然的に骨も不足するし歯茎も足りない、と言う状況に成ってしまいます。
抜歯即時なら、そのままの顎堤をインプラント植立と同時に歯根があったスペースに骨材を充填することで、かなりの顎堤維持効果があるんです。
今日させていただいた手術でも、顎の骨も歯茎も少なくなってしまっていましたので、非常に繊細にピンポイントで狙い澄ましてインプラントを植立し、顎堤再建と歯茎の幅を増やすことを同時にさせていただきました。
上顎の一番奥の歯でしたので、とてもやり難い部位だし、患者さんも大変だったと思います。
で、手術していて、ああこの患者さん同時にして差し上げる方法の方がずっと楽だったろうな、と反省させられると言うか、考え込まされる感じを抱いてしまったんです。
抜歯と同時ならここまで難しい手術しないで済んだだろうな、と医療人として患者さんへの情報提供、説明と同意を如何に得られるかどうか、が凄く重要だな、と考えさせられました。
昔のやり方だと、まず痛い歯を抜く、でどうするのかを考える、と言う感じだったと思われるのですが、それだと結局患者さんを辛い手術、苦しい手術にお追い込んでしまう、とです。
確かに、何でもかんでも抜歯即時出来る訳ではなく、待たねばならないこともあるでしょう。
しかし、個人的には抜歯即時で行ける症例の方が、かなりの多数だと思うんです。
なのに、実態ではまだそこまで普及してないらしい・・・
私は個人的責任で発信致しますが、かなりの症例を抜歯即時植立で解決することが出来る、と明言します。
1回の手術で全部終われますし、治癒期間も短縮出来ます。
それが抜歯即時の最大の長所です。
勿論、手術時間がその分伸びるとか、手術自体難しい、レベルが高い、と言う短所もあります。
でも、顎堤が温存出来る、と言う長所は、患者さんが思う以上に大切なものだ、と私は知って欲しいんです。
それは、顎堤がしっかりしてて、綺麗な整った形の方がインプラントも歯も長持ちする、と言うことなんです。
痩せてしまった顎堤を骨造成GBRしたり、歯茎移植したりして再建する方法も盛んですが、そうなる前に打つ手がある、そこまでの辛い手術重ねないでも顎堤は温存出来る、と分かって欲しいです。
色々と越えなければならないハードルは沢山ありますが、抜歯即時で済ませられるのがスタンダードなインプラント治療になるまで、普及活動を益々頑張らないといけない、と凄く改めて考えさせられました。
患者さんの為、業界全体を良くする為、微力かも知れませんが、私は頑張ります。