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即時荷重インプラントは、歯を助けるために使いましょう!歯周インプラント・補綴治療の理想とは?

2018年02月14日 | 日々のインプラント臨床の話

又、facebookで海外のDRですが、ビックリ仰天なインプラント治療を見てしまったので、今回改めてこの記事を書いています。


どう言う事情があったのかは知りませんが、現在のインプラント治療のコンセンサスは、できる限り歯を残し、その上でどうしても欠損がある所に残存歯に負担をかけない治し方としてインプラントを用いる、と言うモノです。


しかし、そのfacebookで見た治療は、若い女性の上顎が結構虫歯になってるとは言え、何本もの歯が残ってるのに全部抜いてしまってインプラントで全部綺麗に歯列作ってしまってる、と言うモノでした。


もう何と言うか、ビックリ仰天、そして腹立たしい、としか言いようがなかったです。


その歯の虫歯ちゃんと治して、口の中を綺麗にして、足りない所にインプラントでしょ、と。


まずインプラントありき、としか考えてない治療で、歯を残して上げようとか考えてないとしか思えないんです。


失礼ですが、その女性の方、下顎の残ってる歯も虫歯とかがある状態で、それも抜いてインプラントなんじゃ?と心配になります。


そして、こんな口腔清掃できない患者さんに、いきなりインプラントで綺麗になったからと言って磨けるの?と凄く不安です。


磨けなければ、当然悪くなるでしょう。


その時、まだこの方は若いでしょうから、次どうなるんだろう、と心配され、そこまで見通して考えてないDRに怒りしか湧かなかったのです。


で、私のしているインプラント治療の典型的例で、こうするべきだ、と言う提案をして置きます。

この患者さんです。

初診時と現在のメインテナンス時の比較レントゲンです。


重症歯周病で、歯が何本残せるんでしょうか?と不安で涙流された患者さんです。


そして、以下が治療経過のレントゲン写真です。

一番最初の時には、患者さんご自身は幾ら歯医者に行っても歯周病が治らない、私総義歯になってしまうんでしょうか、と泣かれていました。


そして、よくよくお話をして、どうしても残せない所は抜歯してインプラントで治す、できればインプラントで歯周病の歯を助ける治療方法を取る、と言うことで希望を抱かれるようになって、頑張って下さった方です。


治し方の手順としては、歯周初期治療を徹底して、プラーク、歯石等取り切れるだけ取って、お口の清掃管理をしっかりした上で、下顎の前歯の抜歯即時荷重インプラントから始めました。


抜歯即時荷重インプラントで顎の骨の増生、歯茎の再生もして、更に下顎のインプラントと歯の固定をして歯周病の治癒を促す、と言う方法を取りました。


その次には、右下顎の抜歯即時荷重インプラントと大臼歯の歯周再生手術をして、顎骨の増生と歯茎の再生、歯とインプラントを固定して歯周病の治癒を促す、と言うことをしました。


その次に、左下顎でも抜歯即時インプラントしたのですが、即時荷重まではできず、歯周再生手術まではして、前に植立されてるインプラントで歯と固定する、と言う方法を取りました。


こうして、下顎全体が固定され揺れることがなくなったので、上顎の歯周病の影響もかなり良くなりました。

勿論、上顎は、初期治療時に連続接着固定していたことは言うまでもない、と思います。


そうして、上顎の右の抜歯即時インプラントと歯周再生手術、左も同様の抜歯即時インプラントと歯周再生手術、最期に前歯の歯周再生手術を合計6回もの手術をこの方にさせていただきました。


それでも、この初診の状態からだと少ない回数だ、と私は思っています。


私の手術ですから、腫らさない痛がらせない身体に優しい低侵襲を徹底して行いましたから、ここまでできたのでは、と思っています。


そして、現在メインテナンスで良い状態を保っています。


この患者さんとのお付き合いも、もう10年以上になります。


どうでしょう?


歯を残す、顎堤を再生再建する。


インプラント治療と歯周治療の組み合わせ。


この患者さんにさせていただいた治療こそ、私が考える歯周インプラント・補綴治療の理想です。


最初に書いたfacebookの話と比べると、どちらが好きでしょうか?


私は、圧倒的に歯科医で、歯を残す為にインプラント、が好きです。


私は歯科医師シカイシであって、破壊師ハカイシには決してなりたくない。


困難な道でも、前例が何一つない治療方法でも、患者さんと供に悩みながら、治療法を創意工夫しながら治す。(今回の私の症例は10年前にした仕事でも、今なおもしかしたら批判的に見られてしまうかも知れませんが・・・)


それが私の道です!







 

 


2月13日(火)のつぶやき

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