この患者さんのインプラント治療は、もう10年以上前にして、しかも、途中でお酒に酔って激突して、セラミック冠を壊して、それでもなおインプラントは骨にくっ付き続けて安定しているものです。
こう言う実例を見ると、インプラントは骨とくっ付くとかなり丈夫なんだな、思います。
しかし、
この患者さんのインプラントは、たったの3年を過ぎた後で、このように折れてしまいました。
インプラント表面を見ると、骨がくっ付いていたのが伺えます。
最初の例を見ると、かなり頑丈に思え、後の例を見るとこんな簡単に折れるのか、と思ってしまいます。
問題は、患者さんが違うこと、としか言えません。
患者さんは、自分は一般大衆の中でごく普通、と信じていますが、実は個別の差はかなりあるのです。
この2例を比べ、分かることは、力の問題です。
つまり、普段からの力の加え方、が違うのだろう、と予測が付きます。
こんなことを書くと、じゃあ後の例の方は、かなり固いもの好きで、強い力で噛まれるら寝てる時でも噛み締め、食いしばりが強い方なんだろう、と皆さん思われるでしょう。
でも、実は後の例の方は可愛らしい小柄の後期高齢者のお婆ちゃんで、最初の例の方が働き盛りの体格の良い男性なんです。
えっ!?逆なんじゃないの?と皆さん思われるでしょう。
でも、事実は逆なんです。
折ったのが、小柄のお婆ちゃんです。
まさか、と皆さん疑うでしょう。
嘘は吐きません。
事実です。
なら、何故?と思いますよね。
私も悩みました、いや今も悩んでます。
想像ですが、噛んだり離したりの回数がものすごく多いのかな?と思っています。
インプラントも金属のネジに過ぎませんから、縮んだり伸ばしたりが頻回にあれば、いつしか金属疲労が溜まり折れるのか、と推測してます。
歯根膜がない、骨とくっ付き動かないインプラントだからこそ、起こる現象かなと。
思えば、噛み締め癖のある方の歯は、歯根膜がなくなり、噛む力で骨に押し付けてられて折れてしまったりします。
それと同じ現象が、インプラントでも起きた、と推測してます。
怖いのは力。
それも頻回な、歯の接触、なんでは?と。
歯は噛み締めるものではありません。
歯は咀嚼に使いますが、歯同士はぶつからないで良いのです。
この真実を知って下さい。
インプラントでも折れる。
力を抜いて、歯はぶつけない。
大事だと明言します。