武漢コロナウィルス騒動で、不要不急の処置は避けるようにお上から言われています。
それでも、この方のように歯が割れてしまって、歯がグラグラして骨は溶け、歯茎が腫れ上がって来た方は、なるべく早く処置して差し上げなければ大変なことになりかねません。
しかも、ご遠方からわざわざ来られてる、と言う事情もあり、本日抜歯即時荷重インプラント手術に踏み切りました。
幸いとても上手く行きました。
幸か不幸か、武漢コロナウィルスのお陰でアポイントはスカスカでしたので、手術の予定は直ぐにお入れできました。
アポイントはスカスカでしたので、かなり難しい状態の手術をありがたいことに1日で全てやり終えることができました。
歯根が綺麗に割れ、レントゲンでも分かっていましたが、残存歯質は薄くて、抜歯も丁寧にしないと変に骨の中に残り難しい状態になりかねませんでした。
更には、病巣もかなり広がりつつあり、歯根外側、唇側の骨は殆ど失われ、入り組んだ難しい状態でした。
なので、抜歯、病巣除去だけで優に1時間以上掛かりました。
感染している病巣を可能な限り取り除き、骨、軟組織全て綺麗にして、CTを撮りました。
やはり、予想通り骨はかなり難しい形態でした。
ピンポイントでインプラントを植立し、55Nの植立初期固定を得られました。
35N以上出せれば、即時荷重、始めから仮歯を付けられますので、仮歯を造り、並行して、骨の造成、再生をします。
そして、仮歯が骨造成、歯茎再生を守る蓋、壁の役目をしてくれるような細工をして、装着して手術は終わりました。
こう言うやり方をすることで、歯茎を必要以上大きく切り開くことも要りません。
感染させない為に、手術野は抜歯したその穴だけ、のごく小さなものです。
そこに仮歯が蓋、壁となって塞いでくれますので、縫合も一切要りません。
手術後の状態は、手術したとは思われない、普通に虫歯の治療して仮歯を付けた、としか見えない状態です。
術後の感染、腫れ痛みを考えても、これだけ小さい手術ですから、一般的な切り開く手術に比べれば多分10分の1もないくらいだと思います。
通常、ここまで歯が割れて、骨も歯茎も悪い状態なら、抜歯して傷口治るのを4ヶ月は待たされるでしょう。
しかも、そう言うやり方だと、骨も歯茎も相当に痩せますから、かなり大きな骨造成、歯茎再生の手術も必要とされるでしょう。
感染のことが気になる時代ですから、いつそのような手術なら取り掛かれるのか、も不透明です。
そんなことになったら、この患者さんは歯なしのまま、長く待たされる羽目になりかねません。
それがお分かりだから、前の先生は私を指名してご紹介いただけました。
そして、私は拝見して、これは早くやらねば、と本日やらせていただいた訳です。
これで私のやり方が上手く行けば、セラミックの歯が4ヶ月も待たないで入るでしょう。
あとはこのまま何事もなく無事に治るように、神仏に祈るのみです。