私見です。
患者さんとか一般の方々は、メスで切ると言うと、その成果と言うか切り口とか切れ具合とか、まあ大体同じ程度のレベルなんだろう、と認識されてるのかも、と思いますが、それは全くの誤りです。
使う道具、器材が同じで、同じ材料使い、同じレシピで料理すれば、誰でも同じ味のご馳走が作れるかと言えば、そうではないことを理解される、と思います。
作る料理人が帝国ホテルの料理長と私はだとしたら、間違いなく私のは幾ら精根傾けても負けるでしょう。
それと全く同じで、外科手術と言うモノは、誰がやるのか?のファクターが最も成果を左右するんです。
そして、それを修得するには、客観的な証拠を常に残し続けて、それで測るしかありません。
歯科医は、殆どの場合個人開業医であり、相対的な評価を受けることがありませんから、何となく出来てて、患者さん受けが良ければ、まあまあ自分は良い腕何だろう、と自信を持ちます。
特にインプラントは、材料とかの進化で、相当なヘマでもしない限り失敗しません。
インプラントは固定された土台になり、それで歯冠形態が作られますから、後は技工士さん次第、なんてことが多いです。
それで、歯科医が自分は腕が良い、と勘違いすることが増えてます。
インプラント学会に行くと、そう言う勘違いした方々が闊歩してて、私はとても居心地が悪い。
喫煙コーナーで、ブランドスーツで、パッと見893みたいな方が、おれ何本やってるぜ、みたいな自慢話に花咲かせてるのを見ると、とても居心地が悪く、いたたまれなくなります。
患者さんは、インプラントと言う単語、専門用語で、同じように治ると信じてますけど、そうじゃないんだよ、とちゃんと広報しないといけない、と思います。
欧米の学会では、もう何年も前から一番のリスクファクターは歯科医である、と明言されてます。
言い換えれば、歯科医たちに勉強しろよ、とはっぱかけてる訳です。
そして、インプラント単独科が否定され始めてます。
インプラントしてれば名医とか、それなりに成果が出るとか、もうそんな時代にエンドマーク打ちませんか?
良く切れるハサミも、持たせる奴選ばないといけない。
誰もがインプラントの時代は、私は終わり始めてる、と思います。
正確に言えば、本当に簡単なモノなら誰もができるだろうけど、難易度が上がれば専門家に任せるべき時代になった、と思います。
マテリアルで名医、の時代ではない。
まあかつてインプラント手掛けた歯科医は、義歯下手、歯周治療下手、エンド下手と揶揄されて来ましたので、その反動の流れだったのでしょう。
でも、時代の進化が早過ぎて、長老がまだいるから、皆んな言いにくいんでしょ。
なので、私が言います。
皆んなのために引退して下さい。
ごめんなさい。
私も還暦迎える歳で、ベテランらしいので、本音で書いてます。
若き有志の進路、進化を邪魔しない、は、私自身の新たな銘となっております。
私散々邪魔された口で、それにめげず、何くその反発心で頑張りましたが、もう譲るべき時が来てる、と認識してます。
義歯下手、歯周治療下手、エンド下手のインプラントのご老体は道を譲るべきです。
患者さんは意思のある生体です。
いじる専門家が賞味期限切れだと申し訳ない、と思わなければ、と思います。
いつまでも居座る姿勢が、阿呆としか言えない先に挙げた何本自慢を生む、と案じます。
何故何時までも、モノ、ステイタスを追うのが居るのか?
それはそう言う先達が居るから、では?
質、クオリティを追い、我々の専門業のステイタスを上げる方にシフトさせませんか?
芸術家はやたら多作しますか?
大量生産大量消費は高級品ですか?
質、クオリティ上げて、その分の価値で治療費をいただきませんか?
私はそう願います。
私はその為の次代の礎になろう、と思っています。
歯科には、インプラントには、それだけの価値がある、と。
すみません、かなり生意気なことを書きました。