
枯れた林の中、何だか明るくなったような気がした。「マンサク」の花が咲いていた。青空に透かして見ると何だかウキウキしてくる。登山道脇で自生しているものを何回か見たことはあるが、意識して見たのは足利市と桐生市の市境にある仙人ヶ岳。尾根沿いに淡い黄色の花に「サンシュではありませんか?」と妙なことを言ってしまい、同行の人の顰蹙をかったのを覚えている。
嶺公園の調整池と呼ばれる小さな溜池の付近。啄木鳥の後を追いかけまわしていた時。黄色の花を見つけた。林の中で一番早く咲く花のひとつ。先月末から、公園なら咲いているのではないかと、高崎の染料植物園など探していたが見つからなかった。冷え切った青空に、春の到来を予感させてくれる。思いがけない展開に、啄木鳥のことは忘れていた。
「マンサク」のことを調べると、名前について、早春に「まず咲く」を東北弁で「まんず咲く」と訛りマンサクになったと言うものが多い。他にも、この花がいっぱい咲くと「満作(豊作)」になると言うことからなどいくつかある。どちらにせよ、春の兆しに期待をかけた名前なのだろう。

よく見ると、細い4枚の花びらがあり、茶色っぽいガクで囲われた花がいくつか集まっている。花ビラは捩れたような独特の形をしている。庭木としても使われているようで、都会でももう咲いているだろう。