啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「カヤツリグサ」

2014-10-06 09:46:24 | 山野草
 「カヤツリグサ」 (蚊帳吊草) カヤツリグサ科
 台風18号による大雨警報。畑は海のよう。水菜、カキナなどの葉物はすっかっり水に埋没。風もだいぶ強くなった。
 あちこちの道端、田畑でみられるおなじみのカヤツリグサ。草丈30cm位。根元には少しの細長い葉。その真ん中からスーッと茎を伸ばす。茎は節がなく、その断面は三角形だ。その茎を二人で、両端を持ってひき裂くと一本の茎が四角形になる。いわゆる蚊帳を吊ったような形となるわけだ。お若い方は、蚊帳なんてご存知ないかもしれない。昔は夏の必需品で、どの家庭でも網戸がないので、就寝時は蚊に刺されないよう、ネット状の蚊帳を吊ったのだ。もっとも、実家では、雷雨時でも蚊帳を吊り、皆でまとまってじっとしていた記憶があるのだが・・・?
 また、カヤツリグサ科といえば、パピルス。主に、ナイル川の流域に茂る大型のカヤツリ草の一種で、茎を縦に裂いて伸ばし、帯状になった茎を布の上で直角に並べ、さらに、湿った布で覆い、重石をのせて圧縮し、乾燥させ、一種の紙として使用した。紙(paper)の語源にもなっている。
 友人から、エジプト旅行土産に頂戴したが、パピルス紙は光にあてると茎の繊維が縦横に透けて見える。その上に描かれた象形文字(ヒエログリフ)は、書物で見るよりずっと美しい。「エジプトはナイルのたまもの」と古代ギリシアの歴史家ヘロドトスの名言どおり、古代文明の繁栄は素晴らしい。ちなみに、パピルスは前2500年頃からヘレニズム時代までつかわれていたという。





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