「喉かわいたー。麦茶、麦茶」
と言って、K氏は冷蔵庫からガラス瓶を取り出しました。たまたまそれを見ていた私は、K氏の手にした瓶が《麦茶》の瓶ではないことに気が付き、
「それ、《めんつゆ》だよ」
と注意してあげました。なんて親切なんでしょ。
しかし、黙ってそのままK氏が《めんつゆ》を飲んでしまうところを見られればもっと面白かったのに、と惜しいような気もしました。なんてゆーか、つい注意してしまった。私は根が親切なものですからね。いくらK氏が間抜けで可愛いからといっても、いじわるはいけません。「《めんつゆ》を飲んじゃいそうだった」というだけで、十分面白いですし。むふふ。
それにしても、《麦茶》と《めんつゆ》を間違えるというのは、20世紀のネタだと思っていましたが、21世紀の今日(こんにち)でも滅びずに連綿と行われているのですね~。しみじみ。
とか言って、ひとのことを笑っていると、私もなにかやらかすんだろうなぁ。でも、間抜けな失敗は笑えるから、いっか。