昨日、日が暮れた後、こころもち暗い気持ちで(私はわけもなく時々こうなる)ひとり家路を辿っていたら、すぐ前をゆっくりとした足取りで歩いていたおじいさんの鼻歌が聴こえてきた。
私は気持ちがふさいでいた上に、抱えていた荷物が重かったので急いで帰ろうと、早足で歩いていたのだけれど、速度を緩めて、しばらくおじいさんのすぐあとをついていった。何の歌をうたっているのかは分からなかったけれど、なんだかほっとした。
ご機嫌な人の声は、人を落ち着かせるらしい。
私には何も急ぐ理由がない。のんきに鼻歌でもうたいながら寄り道しまくったとしても、たぶん全然困らないんだよなあ。ということに気が付いたのは、今日になってからなんですけど。
鼻歌をうたうような癖をつければ、私もいつもご機嫌でいられるだろうか。ああ、それはなんだか幸せそうだな。