大阪はほんとうに「水の都」だった
私にはひとつだけ特技があります。これだけは、恐るべき才能だと、自信を持って言えます。それは、素敵な人と知り合いになれること。全面的に受け身で、かつ強度の引きこもり属性の私が、これだけ多くの素敵度の高い友人・知人に恵まれているというのは、もうほとんど驚異です。奇跡の世界です。遠慮なく盛大に驚いてくださって結構です。私も驚いています。
ということで昨日は、久しぶりにお友達のkajiさんとお会いしたのですが、そこへなんとkajiさんのお友達のユキさんも来て下さいました。
ユキさんは、同人誌『ツルバミ』に、kajiさんと合作で素敵な絵を提供して下さった方です。そのご縁もあり、私は以前からkajiさんに「ユキさんに会いたいので、今度紹介してください」とお願いしてあったのですが、まさか昨日さっそくお会いできるとは思わなかった。わざわざ出向いて下さったことにひたすら感激です。
で、kajiさんも相当に魅力的な方なのですが、そのお友達のユキさんもまたかなり素敵な方でした。何と言うか、エネルギーがほとばしっています。私はそういう人が好きなので、率直に言うと、まあ、すぐにユキさんが好きになりました。
人には色々な魅力というのがあるものですが、ユキさんの素敵なところは、言葉がまっすぐなところ。びっくりするほど、まっすぐ。
出来上がった同人誌をユキさんにもお渡ししたら、私の描いたマンガのことをすごく褒めてくださるので、恐縮してしまいました。私は贅沢なことに、と言うか無礼なことにと言うか、こういうことを書くと怒られそうですが、普段はたとえ人から褒められることがあっても、あまりそれをそのまま言葉どおりには受け止められません。私は私の成果物というものに対しては「精いっぱいやったけれど、そのこととそのものの良し悪しとは別。全然たいしたものには仕上がらなかった、というかどこが面白いのかサッパリ分からん」というように自虐的なまでに自信が無く、私が作ったものを褒めてくれるのは、その人が優しいから(私の周りには優しい人ばかりだから尚更)、私の労力に対して単にねぎらうつもりで褒めてくれるのだ、と、つい思ってしまうのです。正直に告白すると、そうなのです。
でも、昨日は、ユキさんの言うことは、そのとおり信じなくてはいけない気がしました。「作品」としての良さがあるんじゃないかと信じなくてはいけない気がしました。私はいつもどおり「いえ、全然なんでもないものですよ、べつに」と言ってしまったのですが、それが実はすごく居心地が悪かった。ユキさんのまっすぐな言葉に、こういう返し方は間違っていると思えて仕方がありませんでした。
結論から言うと、私はきっと間違っています。
私は、人の言葉をもっと信じなくてはいけないのです。せっかく一生懸命に伝えようとしてくれているのだから、私はそれを信じなくてはならない。人の言葉を信じたいのに信じ切れないところに、私の愚かさと苦しみのほとんどがあるのだということを改めて考えさせられました。私は12歳のあの時から、結局すこしも成長していない。私が本当の意味で言葉を取り戻したいなら、私自身が心から率直でありたいと願うならば、向けられた言葉をそのとおり過不足なく受け入れる勇気を持たなければならないのかもしれません。こんな反省を促す強さが、ユキさんの言葉にはありました。
私は人やものとの出会いの価値を信じているので、この出会いにも大きな意味があり、私の今後の調子が上向くだろう予兆ととらえています。そして、さっそく上向いています。
kajiさんも、ユキさんも、私の大切な友人諸君も、この記事をご覧のみなさまも、私と出会ってくださってありがとうございます。私は、あなた方の言葉を今こそ本当に信じたい。信じたくてたまらないものを私はずっといくらか裏切っていました。コミュニケーションにおいて大切なのは、私が思ったことをそのとおりに伝える努力をするのと同時に、相手の言うこともそのとおりに聞く努力をすることなのではないかと(努力していたつもりだったけど、「つもり」じゃなくてもっと真剣に本当に)、そう思いました。そうやってようやく、私は生の言葉を取り戻せるのかもしれません。
内心ではこんなことを考えつつ、しかし、それにしてもkajiさんとユキさんのお話を伺うのは楽しかったです。才能豊かで、精力的、行動的な人って素敵ですよね。私もつられて何かやりたくなってしまう。
何を書いたのだかあまりまとまりがありませんが、人との出会いは自分を成長させてくれるという意見には、私は全面的に賛成だという話です。いや、ほんと、実に素晴らしい。
どうか、みなさまにも、いつかお目にかかれる日が来ますように!!
そして、すでにここへ来てくださったことに、それにより、わずかながらでもお知り合いになれたことに、心からの感謝を申し上げます。
おかげさまで、ほら、私は飛び上がりそうですよ。
出会いは即ち前方への一跳躍なのであります。
よね?