『氷菓』の第12話を観ていたら、摩耶花さんが文化祭でコスプレをしていて、里志に「なんの扮装?」と問われ「フロル」と答えていました。「フロルって、フロルベリチェリ?」「うん」。というやりとりがあったのに、私は誰のことだか、この段階ではまったく気がつきませんでした。SFっぽい格好だとは思ったけど、まさかアレとは…
さらにあとのシーンで、摩耶花さんが今度はハッキリとネタ元を明かす場面があるのですが、それは萩尾望都先生の傑作SF『11人いる!』のフロルでした。…ああ!! 全然分からなかったよ!
『11人いる!』
でもまあ、あれでは分からなくても仕方がない。だって、フロルと言えば、長いフワフワの巻き毛ですよ! 摩耶花さんはいつも通りの髪型だったので、ここからフロルを連想しろというのは厳しいですよ(モロに名前を出してくれてたのに分からない私もどうかと思うが)。でも、この中途半端さが「高校の文化祭でちょっとコスプレせざるを得なかった」という摩耶花さんのリアリティを感じさせましたね。この『氷菓』の第12回は、アニメで描かれる文化祭としてはわりと例外的にものすごくリアルな学祭の感じが出ているようで感心しました。
ともかく、私は咄嗟に『11人いる!』ネタが分からなかった反省から、もう一度久しぶりに『11人いる!』を読み返してみたわけです。うーむ、何度読んでも凄まじい傑作ぶり。作品というのは、このくらい情報が圧縮されていても全然問題ないんだよなあ。むしろこのスピード感が心地いい。
そして、問題のフロルですが、やっぱり何度読んでも異常に可愛らしく魅力的過ぎるキャラクターです。長い巻き毛に美しい顔立ち、ところが口は相当に悪くて喧嘩っ早い、でも一本気で正義感も強く素直で。あー、可愛い。
フロルのようなキャラクターがもうちょっとアニメ作品にも登場するといいのになあ。今時は流行らないのかしら? そんなことはないよな。てか、もういるのかな? でも全然思いつかないよなあ…
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