The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

The Hollow Crown : Richard III - (1)

2016-02-29 | The Hollow Crown
― ”The Wars of the Roses”『薔薇戦争』 : Richard III (1) ―



BBC2での ドラマのUK放映は今年4月と言う情報が出ているので、そろそろ予習を始め
ようと思います。 (と言っても 日本では何時観られるのか・・・・)

先ず、Richard III (リチャード3世)についての簡単なおさらいですが、

リチャード3世(1452年10月2日 ~ 1485年8月22日)
ヨーク公リチャード・プランタジネットとセシリー・ネヴィルの8男で即位前はグロスター公
に叙されていた。 
1945年8月ヘンリー・テューダー(後のヘンリー7世)とのボズワースの戦いで味方の裏切り
に合い壮絶な戦死をしたと言われている。
シェークスビアの戯曲やサー・トーマス・モアの「リチャード3世伝」により 兄エドワード4世の
遺児であり、リチャードにとっては幼い甥2人をロンドン塔に幽閉、殺害後王位を奪った等稀代
の悪王として後世に言い伝えられている。

又シェークスビアは リチャード3世は背骨が大きく曲がってこぶがあり 足を引きずる特異
な容姿の人物として描いているが、これは遺骨が発見され調査された事により異なる事実が
証明されている(遺骨発見に関しては追ってご紹介するつもりです)。

一方王直属の機関としての紋章院を創設した事でも知られ、悪名を覆す説も多く2002年BBC
が発表した「100名の最も偉大な英国人」では82位に選出された。

というところが入門編ですが、追加の情報は追って続けようと思います。

先ず、BBCドラマの ”The Wars of the Roses” 『薔薇戦争』-これはシェークスピアの
戯曲を元にしているので、多分これまで通りの”悪王”として描かれているのでしょうね。
そして、映像を見る限り ベネディクト/リチャードも足を引きずって歩いている様です。
(ほんの一部しか観られないのではっきりとは分かりませんが・・・)

ドラマの撮影は一昨年夏頃から開始されたと記憶していますが、その時の画像を残して置
きましょう。

最初の公開野外撮影時は抽選で一般のファンも受け入れていたのですが、撮影開始直後に
ネットにアップされた画像がこれ、



時系列で云うと、これが若い頃のグロースター公リチャードでしょうか。



King Richard III 即位後の画像
 


話が前後しますが、リチャード3世の旗印は白い猪、銘は ”Loyaultre Me Lie” (ロワ
イイヨテ・ムリ)-意味は古いラテン語で(忠誠が我を縛る)だそうです。
ベネディクト/リチャードのネックレス(ペンダント?)も”猪”が使われています。






ボズワースの戦い。 ここで壮絶な戦死を遂げます(涙)

この時に有名なセリフ、”A horse, a horse, my kingdom for a horse !”
(馬だ、馬だ 馬と引き換えに大国をやるぞ!)
が出てきますね。


~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

ところで、Huluで ”The Hollow Crown”を観始めているのですが、Huluでの邦題 (嘆きの王冠)
は(空しい王冠)の方が良いんじゃないかしら?(全く個人的な感想ですが・・・)・

兎に角シェークスピア英語は難しく、大袈裟で難解な言い回し、古英語等で取っつきにくい
かもしれませんね。
”Thy ”(= You), ”Thou”(=your), “Thee” (you) は聞いて 大昔に講義で習った事を
思い出しました。 古英語で ”なんじ” とか ”そなた” って感じでしょうかね。
今回はシェークスピアプロジェクトの為の制作なので 舞台の演出をそのまま野外、セット
撮影で構成している様に感じます。

先にも書きましたが、兎に角配役が豪華です。
そんな中 事前には全く気付いていなかったのですが、トム・ヒューズがヨーク公の息子
でオーマール公の役で出演していました。



・・・・to be continued です



Laurence Fox 色々(7) : 舞台情報 & 音楽活動

2016-02-25 | Laurence Fox
― 舞台「The Patriotic Trator」 & デビューアルバム ―

ローレンス出演の ”The Patriotic Trator” の公演が2月17日のPreviewを皮切りに始まり
3月19日迄公演中です。
詳しい論評等出ていない様なのですが(探せないだけかも・・・)どの様な舞台なのか一部でも
観てみたいもんです。

舞台の画像が入って来ましたので 少し遅れましたが(又もや!)ご紹介いたします。
軍服似合うんですけど、けど・・・シャルル・ド・ゴールというより、ドイツの某独裁者に見え
なくもない(本人も言っているようですが)。









Dailymailの記事には ”Billi Piper's husband”って書かれているのですが、この表現は
チョット複雑で微妙です。

以前、暫らくは音楽活動に専念すると言っていたのですが、最近の記事を見ると 「演技
するのも音楽も両方大好きなので 当分両立したい」と語っている様です。
だとすると、又何かのドラマでも見る機会があると言うことなのね? なら嬉しいんだけ
ど・・・やっぱり俳優活動として観たいですもの。



で、音楽活動という事で、
デビューアルバム ”Holding Patterns” がリリースされ、それに伴い5月にはプロモー
ションライブが始まる様です。






5月17日のマンチェスターを皮切りに 5月23日ロンドンまで計6か所でのライブが
予定されている様です。



おいそれとは聞きに行けないので(涙)、その場合はiTune 又はCD購入可能です。
その前に、チョットだけ、



Official Audio は一部こちらで聞けます。

https://youtu.be/V9xiyClaiwc


Official Video(Headlong) はこちらで観られます。

https://youtu.be/78Tt_bA5duc




~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

ところで、昨晩から遂に「ルイス警部」放映開始になりました。
S1E1(Pilot版)は見逃していたと思い込んでいたのですが、昨晩見始めて所々思い出し
多分数年前に観たらしいのですが すっかり忘却の彼方になっていました。
ルイスもハサウェイも若い! 懐かしかったですねぇ~。
全33話は長丁場です。当分続きますのでこれから暫らく楽しめそうです。




『シャーロック・ホームズの不均衡』 読んでみまして

2016-02-23 | ブックレヴュー&情報
『シャーロック・ホームズの不均衡』
(Disportion of Sherlock Holmes)


似鳥鶏著 講談社タイガ(文庫)2915-11-18


最近頭が凝る(?)小説ばかり読んでいて 少し気分転換をしようと手に取った いきなり
軽めのミステリー(著者には失礼ですね)です。
内外問わずミステリーを読み漁る者として、特に”ホームズ”と題された作品はもれなく
手を出してしまうもので、今回の作品もタイトルに惹かれて読みました。

先ず、表紙が余りにも ”可愛い” ので、チョット躊躇しましたが・・・・
最近の文庫本の表紙はどれも可愛いイラストばかりで、もしやコミック本ではあるまいか
と思わされる様な傾向がある様に思いますが、どうなんでしょうねぇ・・・
内容とは裏腹(?)な場合も多く、購入者が手に取りやすい、取っつきやすいとの思惑な
のでしょうか。 若い方達には良いんでしょうね。(オバサンは気恥ずかしくて手に取りに
くい ← 汗)。 
まぁ、表紙で文句タラタラ言っても仕方ないし、いずれにしても 今回も ”シャーロック・
ホームズ” と銘打たれたら外すわけにはいかないのですわ。

内容は、サラッと・・・
両親を殺人事件で亡くした天野直人、七海の兄妹は児童養護施設で暮らしていた時養父に
なると言う人に長野のペンションに呼び出される。
そこで待ち受けていたのが殺人事件。しかも関係者全員にアリバイが成立すると言う不可
能状況の中 兄妹はこの不可能犯罪を解決する。 実は妹の七海が名探偵の遺伝子を持っ
ていた事が判明。 そして、この名探偵の遺伝子を持ち覚醒した者達が世界各地で諜報機
関から追われ 非人間的に利用されている事が判明する。
これに立ち向かうのが世界的コングロマリットの御子柴財団会長の息子、その執事、メイド
といった毛色の変わった人たちで、兄弟を利用しつつ、身辺を守りながら諜報機関と戦って
いく。

といった内容で、一言で云えば肩の凝らない、面白い発想のストーリーですね。

分かりやすいキャラクター :
クールな財閥御曹司、
メイド服をひるがえしてアクションシーンをこなすメイド兼ボディーガード幸村さん
(何でもフィギュアスケーターに例える発想が面白い!)
普段は質実剛健でいざとなるとスナイパーに変身する執事、
障害を持ち 言葉を発する事が出来ない妹と、その妹を過保護なほど心配する 某魔法
学校のハリー某に似たお兄ちゃん
等、可視化しやすい ある意味ステレオタイプの主人公達 → 何れシリーズ化、ドラマ
化されるのではないかと予測出来る様な内容ではあります。
それと、筆者の脚注、ツッコミはかなり楽しいですね。

で、その中で個人的にはストーリーより興味を持ったのが(あ、スミマセン)文中で問題
になっている『友田=メンドルフ遺伝子群』と言われる物が存在し、これが即ち『ホームズ
遺伝子』と呼ばれる特殊なDNAである。と言う事で、これは「生理学的天才の一群」と説明
されていて、一見不可能に見える問題を現場を見ただけで解決する天才探偵のDNAだと
位置付けているのです。
勿論、この理論はフィクションだと思いますが、コナン・ドイルがシャーロック・ホームズ
を造形するにあたりモデルにし参考にしたと言われる 師であるジョセフ・ベル自身もこの
遺伝子を持っていたのではないか・・・
と言っています。
なかなか面白い発想だし、確かに常人とは異なる頭脳を持っていますね。ベル教授もホームズも。

あ、そうそう、このベル教授に関しては ドラマの 『コナン・ドイルの事件簿:シャーロック・
ホームズ誕生秘話」 ”Murder Rooms : Mysteries of the Real Sherlock Holmes” で描かれていて
大変興味深くドラマを観ておりまして、近い内にご紹介を書こうと思いつつ途中になっております。
なるべく早く機会を見つけて書くつもりです。


↑ コナンドイルとベル教授です(既にホームズそのものです)









『Downton Abbey』にみる役職・職種・順列考察 & その他少々

2016-02-19 | 海外ドラマ
やっぱり仲間入りしました。



”世界中で熱狂的な支持を得た”と称賛されていた Downton Abbey(ダウントン・アビー)の
S1を観た時は はっきり言って良さが分からなかった。
何となくメリハリが無く冗漫な感があり、今ひとつ盛り上がれなかったのですが、S2を観て俄然
面白くなってきました。
使用人を含む登場人物の一人一人に変化が訪れて来るにつれ スピード感も出て内容も豊かに
なり惹きつけられる様になりました。
あぁ~、これなんだな・・世界中で人気を博したというのは・・・と癖になるようになりましたね。

ストーリーに関しては、色々な場所に書かれていると思うので ここでは登場人物の役職、職種、
順列などについて触れてみようと思います。

貴族のランクについては、これまでも色々な映画、ドラマ等に描かれているので比較的知られている
と思うのですが、今回個人的に興味があったのが使用人の役職と仕事内容、順列でした。

その前に、一応主人公である当主から、

当主は、グランサム伯爵 ロバート・クローリー
The Rt. Hon. The Earl of Grantham,  Robert Crawley (The Rt. Hon.はRight Honorable =高潔な、
名誉なと言う意味で敬称です。日本語だと”閣下”と言った感じ)
使用人が呼びかける時は ”My Lord” となります。

クローリーは伯爵なのですが、確認の為に再度爵位の順列を下記に書きました。

*Duke = 公爵 「公爵夫人は Duchess」
*Marquess =侯爵 「侯爵夫人は Marchioness」
*Earl = 伯爵 「伯爵夫人は Countess 」
*Viscount = 子爵 「子爵夫人はViscountess」
*Baron = 男爵 「男爵夫人はBaroness」

(日本にもかつて爵位があった時代の「公候伯子男」に合わせた順列、呼称にしたと思われます)。

従って、ロバートの母親で先代当主未亡人であるヴァイオレットの正式名称は
The Rt. Hon. The Dowager Countess of Grantham, Violet Crawley

ロバートの夫人コーラは、
The Rt. Hon. The Countess of Grantham, Cora Crawley
伯爵夫人達への使用人の呼びかけは “My Lady” となります。

令嬢達は名前の前に ”Lady” が付けられ ”レディー・メアリー”の様に呼ばれますね。


(番組公式ページから)

問題の使用人達の職種・順列はかなり厳しく順列、役割が定められている様なので役名と
共に改めて確認してみました。


(番組公式ページから)

チャールス・カーソン=Butler (執事) 
執事に関しては、昨今日本の小説、ドラマ等で取り上げられる事が多々あり割と知られた
役職ですが、実際にどのような役割なのかは余り知られていないと思います。
語源は”buttery”(食料・酒貯蔵室)で、元々は上流階級の屋敷で自家製ビールやエール
の醸造所や貯蔵室を担当している人の事でしたが、その後上流の使用人としての役割に変化
したと言われています。
順列としては”House Steward" (家令)に次ぐ地位ですが、家令が居ない場合は執事が
代わりの役を担っているようです。
男性使用人のまとめ役で、
屋敷・土地・領地の管理
使用人の管理
食器の管理
酒類の管理
給仕・・・等

その下の役職が

トーマス・バロー=First footman (第一下僕)
ウィリアム・メイソン =Second footman (第二下僕)
通常はフットマンは食事の給仕、ドアの開閉、重量物の運搬やメイドが裏側を掃除できる
ように家具を移動させるといった種類の仕事を担当していたようです。又特に客を訪問
するときなどに従者(ヴァレット)の役を兼ねる様な事もあった様です。

ジョン・ベイツ=Valet(従者)
主人の身の回り、身支度を世話する係で 上記男性使用人とは一線を画した役割のようです。

その下にも
トム・ブランソン = Chauffeur (運転手)は下級使用人ですが後に レディー・シヴィル
と結婚(逆玉の輿)

女性使用人に関しては、

ミセス エルシー・ヒューズ = Head housekeeper (家政婦長)
女性使用人のリーダー、管理者

ミセス サラ・オブライエン =Lady's maid (伯爵夫人付きの侍女)

アンナ・スミス(ベイツ) =Head housemaid (メイド長)→ Lady's maid(レディー・メアリー付きの侍女)

ミセス ベリル・パットモア =Head cook (料理長)

デイジー・ロビンソン(メイソン) = Scullery maid (厨房メイド)→ Kitchin maid (料理助手)希望

以上が簡単なおさらいですが、もし勘違いや記述違いがありましたらご指摘、ご教授頂ければ幸いです。


~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


少し話がそれますが、マシューが・・・・
思いもよらぬ事でございました(涙)
何故突然に? と思ったら、マシュー役のダン・スティーヴンスが自身の希望による降板でその理由が
ギャラの問題とか、広く他の役をやってみたいとか(噂です)だそうで、誠に残念です。
特に好みではないのですが、あの美形はこのドラマの”華”だったのに~!(独断と偏見)ルックスは特に
好みでは無くても ”声”が好きですねぇ。 あのルックスであの声は掟破り(意味不明&暴言)でしょ。
と、又例の如くアクセントフェチ、声フェチとしては ちょっとツボ入りしました。

で、ご本人の希望通りと言うか、順調にと言うか次々出演作が出ている様で、
先ず、
↓ これは「ナイト・ミュージアム」のランスロット


ディズニーの実写版 「美女と野獣」”Beauty and the Beast” で野獣役です。
これはかなりの豪華版です。
エマ・ワトソン、ダン・スティーヴンス
その他
ルーク・エヴァンズ、 サー・イアン・マッケラン、 ユアン・マクレガー等
監督はビル・コンドン(Mr. Holmesの監督です)

全米での公開日が2017年3月17日、日本公開は2017年4月22日という予定だそうです。

そして、「X-MEN」のスピンオフドラマ「Legion」でタイトルロールを演じる事になったと発表
されたようです。
又しても ”マーベル” 恐るべし!


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又話が変わりますが、
本当に久し振りのシャーリー・マックレーンがコーラの母親役で出演していましたね。



いや~、ビックリしましたし、感無量!

ヴァイオレットのマギー・スミスの存在感も素晴らしいものですが、シャーリー・マックレーン
を前にすると ともすると押され気味って感じもありましたね。
チョットした感動モノでした。

Downton AbbeyはAXNミステリーでもHuluでもS3迄放映済です。
NHKでは2月21日(日)夜11:00からS4放映されるようですが、これも吹き替えなんでしょうね。
何故NHKは吹き替えが多いのでしょう?(ブチブチ文句)。
なのでAXNミステリーさん、or Huluさん 早く放映お願い致します。
本作はS6迄制作されているとの事なので、今後日本での放映が何時になるのか・・・



「ルイス警部」 再放映開始になります

2016-02-15 |  ∟ルイス警部
― ”INSPECTOR LEWIS” (オックスフォードミステリー:ルイス警部) S1 ~ S9 全エピソード帰ってきます ―



AXNミステリーチャンネルで 2月24日(水)夜8:00から 「ルイス警部」の再放映
が始まります。
前回は夜中の放映だったのですが、今回は時間帯も良く 今度こそジックリ観直す事が
できそうで嬉しい限りで楽しみです。
今更ですが、「ルイス警部」は コリン・デクスター原作のドラマで1987年~2000年迄
制作された「部長刑事モース」のスピンオフとして2006年から制作されたドラマですが、
昨年S9で終了となりました。
「モース」の時から30年以上ルイス役を演じ続けたマイケル・ウェイトリーに対しての
オマージュとしての再放映の様です。
AXNミステリーの番組案内にはS8迄しか載っていないのですが(今現在)チャンネル番宣
では全”33話” と言っているので、昨年10月本国で放映された最終シーズン S9も含ま
れていると思われます。 これは日本放映が予想以上に早く(と言っても大分先の事に
なりますが)嬉しい事です。
所で、この ”33エピソード” が「主任警部モース」が 33話で終了した事へのオマー
ジュであった事は初めて聞いた事でした。

シーズンを通しての主なキャストは、

DI Robert Lewis (ルイス警部)=ケヴィン・ウェイトリー
DS James Hathaway (ハサウェイ巡査部長)= ローレンス・フォックス→後に警部に昇進します
Dr. Laura Hobsom (ホブソン監察医)= クレア・ホルマン
Chief Superintendent Jean Innocent (イノセント主任警視)= レベッカ・フロント (~2014)
DS Lizzie Maddox (マッドックス巡査部長)= アンジェラ・グリフィン(2014~)

因みに、いくつかのエピソードに Fox Familyのゲスト出演がありますので エピソード毎に
追記しました。

そんな訳で、自分の記憶の整理と共に、又エピソードリストを作ってみました。

制作 : 2006年~2015年 全33エピソード
2006年 :パイロット版 1エピソード
01.  Reputation 「数学殺人事件」

2007年 :S1 3エピソード
02.  Whom the Gods Would Destroy 「復讐の女神」
03. Old School Ties 「同窓生の裏切り」
04. Expiation 「それぞれの秘密」

2008年 :S2 4エピソード
05. And the Moonbeams Kiss the Sea 「芸術のいたずら」
06. Music to Die For 「過去との決別」
07. Life Born of Fire 「業火の祈り」
08. The Great and the Good 「名士たちの秘密」

2009年 :S3 4エピソード
09. Allegory of Love 「愛とファンタジー」 James Fox 出演 
10. The Quality of Mercy 「シェークスビア殺人事件」
11. The Point of Vanishing 「許されざる嘘」
12. Counter Culture Blues 「甦った伝説のロッカー」

2010年 :S4 4エピソード
13. The Dead of Winter 「公爵家の人々」
14. Dark Matter 「暗闇の真実」
15. Your Suden Death Question 「サドンデスクイズ大会」 Jack Fox 出演
16. Falling Darkness 「真実が招く悲劇」

2011年 :S5 4エピソード
17. Old, Unhappy, Far Off Things 「遠い日の悲しい出来事」
18. Wild Justice 「野蛮な正義」
19. The Mind Has Mountains 「心の闇」
20. The Gift of Promise 「誰がメアリーを殺したか?」

2012年: S6 4エピソード
21. The Soul of Genius 「天才の神髄」
22. Generation of Vipers 「女と自立と恋」 Freddie Fox出演
23. Fearful Symmetry 「恐怖のシンメトリー」
24. The Indelible Stain 「消せない染み」

2013年: S7 3エピソード(各2パート)
25. Down Among the Fearful : part -1 & part-2 「痛みなき殺人」
26. Ramblin' Boy : part-1 & part-2 「さすらいの君」
27.  Intelligent Design : part-1 & part-2 「賢者の思惑 」Edward Fox出演

2014年: S8 3エピソード(各2パート)
28.  Entry Wounds : part-1 & part-2 「銃弾の行方」
29.  The Lions of Nemea : part-1 & part-2 「ネメアの獅子」
30.  Beyond Good and Evil : part-1 & part-2 「善悪の彼岸」

2015年 : S9 3エピソード(各2パート)
31.  One for Sorrow : part-1 & part-2 「悲しみの童歌」
32.  Magnum Opus : part-1 & part-2 「錬金術殺人事件」
33.  What Lies Tangled : part-1 & part-2 「絡まった結び目」

Fox Family Members は大分前に一度ザット書いたことがあるのですが、「ルイス」に
出演しているメンバーについて念のためにもう一度下記に :

 
↑ James Fox = ローレンスのお父上です ↑ Edward Fox = ローレンスの伯父上

 
↑ Jack Fox = ローレンスの弟君    ↑ Freddie Fox = エドワード・フォックス のご子息(ローレンスの従弟)



謎解きとしての内容は勿論ですが、オックスフォードの情緒ある街並み、又ルイスと
ハサウェイの絶妙の間合いでの掛け合い(漫才風?)が何とも楽しみでありますね。
何度か観直してはいても、ついつい詳細を忘れたり、ごっちゃになったりしています
ので、今回こそ(力が入る!)しっかり、ジックリ観直そうと考えています。


番組案内はこちらです。

http://mystery.co.jp/programs/lewis


~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


既に「主任警部モース」の再放映は始まっています。


こちらも何度か再放映ありましたが、ジックリ観直すいい機会だと思います。
若いルイスが・・・・


番組案内はこちらからどうぞ。

http://mystery.co.jp/programs/morse




Laurence Fox 色々 : 舞台出演続報です

2016-02-11 | Laurence Fox
― Laurence Fox 色々 : Patriotic Trator 続報 ―

取りあえずお馴染みのローレンス画像を・・・・



前回ご報告しました ”Patriotic Trator” の続報が出ていたのですが、Sherlock Special
に時間が掛かってしまい つい後回しになり載せるのが大分遅くなりました。

今回ヘアーカラーをブルーネット(と言うかダークブラウンと言うか)に変え、やっぱり
予想通りのお髭でしたね~。





なんか随分雰囲気が変わって見えます。
Sherlockのベネディクトもそうですが、ヘアーカラーを変えると随分印象が違ってくるのを
つくづく感じます。
個人的には 誰であれ髭はあまり好みでないので、微妙~ですが、仕方ないわ。 ご本人が
髭なんですもの。





かなりシャルル・ド・ゴールの雰囲気に似ているみたい!
今回ヘアーカラー、髭は勿論なのですが、雰囲気の違いは”眉毛”のせいもあるみたい。
普段ブロンドで眉毛が殆ど目立たなかったけど、今回眉毛も染めている様ですね。




公演が大分近づいてきていますが、どんな舞台になるのか観てみたいのですが、NT Liveは
期待薄だし、せめてDVDを・・・と期待しても無理かしら?
いずれにしても公演が始まれば又情報が出て来ると思います。




Sherlock : The Abominable Bride 感想と検証 : 最後です

2016-02-08 | The Abominable Bride
― The Abominable Bride : 『忌まわしき花嫁』感想と検証 (最後です) ―



いい加減に終わらせないと・・・(汗)
と言う訳で、今回が最終と致します。

引き続きネタばれしておりますのでお含みおき下さいませ。

やっと21世紀の現実に戻ったシャーロックは、(221Bに帰ろう)とジェット機を降ります。
が、6ヶ月以上お留守にする筈だったのに・・・



シャーロックは ”Moriarty is dead. No question. I know exactly what he is going to do next”
(モリアーティーは死んだ。間違いない。僕は彼が次に何を仕掛けて来るかちゃんと分っている)と
言うのですが、結局 ”Miss me ?” の謎は解けていない訳だし S4に引っ張るんですね?




すると再び画面は19世紀の221B に変わり、シャーロックとジョンがリコレッティ事件について話し合っています。
”From drop of water, a logician should be able to infer the possibility of an Atlantic or Niagara”
は正典 ”A Study in Scarlet" 『緋色の研究』からの引用で、(一滴の水から評論家は大西洋やナイアガラ
の可能性を推察できる。どちらも見る事も聞く事も無くてもね。)

今回の事件のタイトルをどう書こうと思っているんだ? と聞くシャーロックは、”The Adventure of ・・・the
Imvisible Army?
(姿なき軍隊の冒険 ?)← これは1945年のデンマーク映画のタイトルでもある様です。
”The League of Fueries ?”(復讐の女神連盟?)、”The Monstrous Regiment ?” ← は エリック・マコーミック
の著書 ”First Blast of the Trumpet Against the Monstrous Regiment of Women” (女たちのおぞましい支配
に異を唱えるラッパの最初の一吹き」と言う長ーい題名の小説から、という解釈と、ローリー・キング著 ホームズ
パスティーシュである「シャーロック・ホームズの愛弟子」”The Monstrous Regiment of Women” (女たちの闇)
からの引用か? 良く分かりません。
結局これらのシャーロック提案はジョンによって全て却下され、ジョンは ”The Abominable Bride” 『忌まわしき花嫁』
だと決めます。

↓ 余談ですが、こんなものありました。
 



最後にシャーロックが窓際に立つと、外は現代のベーカー街に戻っていました。





以前も触れましたが、今回のエピソードは兎に角モファティスの遊び心満載で これでもか!と言う程正典からの引用、
又グラナダ版、ビリー・ワイルダー版からの引用 オマージュが散りばめられていて 嬉しいやら思い出すのに苦労する
やで本当に大変です。
ただ、両御大に仕掛けられた布石を探し出し、気付くと楽しさ倍増である事も確かだと思います。

ストーリーも19世紀と21世紀入り乱れ、又シャーロックのマインドパレス(今回は深層心理)の多重構造、入れ子状態は
複雑で混乱させられますので 一度観ただけではなかなか理解できないのではないかと感じます。
シャーロックの”深層心理” を扱っている為、今回彼の中でのそれぞれの人物感が如実に表されていると気づきます。

ジョンに関しては、何度も書きましたが、やはりメアリーと結婚して自分から離れてしまった寂しさ、本当はこれまでの
様に何時も一緒に行動して欲しいと言う願望。頼りに思っている心情等が感じられて、強がりを言っていても本当は寂し
いのね。(涙)
そして、あとになって気付けば ジョンの口を借りての自分の恋愛観、結婚観、アイリーン・アドラーに関しての突っ込み
はシャーロックが自分自身に突っ込みを入れている訳で可笑しかったのですが、何となく自分自身を納得させている、彼の
心の中の葛藤の様な物を感じるのですが、考え過ぎですかしら?

マイクロフトに対しては、ジョンやメアリーの口を借りて言っている様に 一抹の劣等感も感じられるけど、(”clever
one”
と言う表現)、頭脳では絶対的に自分より優れている事を認めている。そしてはシャーロックの事を心配して止まな
い事も理解している様です。
これまでは マイクロフトは面と向かってあからさまにシャーロックに対して優しい言葉を掛けたり、心配をしている様子を
現さなかったのに、次第に”マミー度”上がって来ている様で、「シャーロック心配」発言が多くなってきています。
ジェット機の中で ジョンに ”Dr. Watson. Look after him. Please”(ジョンでは無くドクター・ワトソンと改まった
呼び方をし、彼の事をよろしく頼む)とも言っています。 これから予想される危険を又感じさせられてしまうのです。

問題のメアリーは、S3直後から何度も繰り返し論争の的になっていましたが、今回のマインドパレス内でもシャーロックは
やはり彼女の正体に疑問を持っている様に感じます。19世紀パートではマイクロフトのスパイではないか? これは彼の
根底にある疑惑で 私達も考えた様に シャーロックを撃ち傷害致死になり得た状況であり、その後彼女の為にシャーロック
が殺人の罪迄犯した張本人でありながら 何故平気でこれまで同様の生活を送っている? どういう訳? 
個人的妄想、想像では、メアリーは元CIAであった時の秘密情報と引き換えに司法取引により政府又はMI-5の保護下に入って
居る・・・ってな事なんですけど。違うかな?
そして、今後メアリーの存在をどう扱うのかに関しては2年前からずっと引き続き喧々諤々の論争を繰り返してきましたが
何と言っても子供の存在がある為 このままメアリーを引き続き表立って登場させるとなれば 当然シャーロックとジョン
の関係が以前の様に戻る事は不可能だし、メアリーを退場させるとなれば これまた楽しい設定は望めないし、いずれに
しても難しいキャラクターにしてしまっています。
厄介なのは、シャーロックがメアリーを気に入っているという点ですね。
元々シャーロックは(or シャーロック・ホームズは)女性に関して、女性らしさとか 外見とかには興味が無く、何より知性
行動力等に感銘を受け魅力を感じる筈で、そんな点からいうとアイリーン・アドラー正に直球ど真ん中であった訳ですが、メアリー
もそんな点から惹かれているんでしょう。それにジョンの大切な人であるからという意味もあるのでしょうが、アイリーンの様に
毅然とした女性であれば それも又理解出来るのですがメアリーは何処か自分本位の様な感じも受けるのです。
いずれにしても、これだけ存在感を大きくしてしまった以上 何となく そっと退場とは行かなくなってしまっているんですね。
正典の様に、ワトソンと結婚しても余り表立って登場していなかったし、自然消滅の様にさり気なく退場させていたので不自然さ
も無く継続してきた訳だし、グラナダ版の様にワトソンを結婚させなかった事によって ずっとあれほどの長寿人気を保ってこら
れたのだと感じます。(独断と偏見?)
本当にどうするつもりなんでしょう?

それと、「モリアーティーは死んだ」と明言されましたが、今後彼の仕掛けた罠がどの様な形で出て来るのか・・・シャーロック
待ち構えて戦う気十分だしね。
”Miss me ?”の謎も解明されていないし、モリアーティーの残党の影と言えば本来モラン大佐(モラン卿)を思うのですが、S3で
モラン卿はあっけなく逮捕されてしまったし、後は、やっぱりモリアーティーの兄弟? 或は 又しても ”the other one”
(3人目のホームズ)? 或は又してもメアリー介入説? あ、それともモラン卿脱獄して?
あらら、又色々妄想が・・・・
結局S3で残された謎がS4にそのまま引っ張られて行くんですね。

話は元に戻りますが、今回のエピソードでは ディオゲネスクラブでのシャーロックとマイクロフトの会話を始めとして「ギリシャ語通訳」
からの引用がかなり多いです。
そう言えば、”A Scandal in Belgravia” でシャーロックの元を訪れた若者達の事をジョンがブログに Geek interpreter”
(オタクの・・・)って書いてましたっけね。
これこそ、”Greek Interpreter”のモジリだ! モファティス遊んでるんだからぁ。
ワタクシももう一度読み直しの必要性を実感しましたし、グラナダ版の「ギリシャ語通訳」も観直したいし、ビリー・ワイルダー版も
機会があればもう一度観たくなりました。
あーもう忙しい(大汗)。←勝手にしろッ?
これから映画をご覧になる場合余裕があれば一度読んでから観る方がより楽しめるかも知れません。

約5年前に何気なく観て以来、シャーロック&ベネディクトの底なし沼にどっぷり引き込まれているのですが、その当時は周囲の友人達、
知人達は誰も「シャーロックの事は知らない」、「観た事ない」と言われ寂しい思いをしたものの ブログ上で同好の士と意見交換させて
頂くことで気持ちを発散して居りました中、今回映画館で見る事が出来る様になるとは灌漑無量です。
街の中でポスターを見かけたり、映画館で大きな看板を観ると何だか不思議な感じがするのですが、嬉しい限りです。
君たちビッグになったねぇ~!(偉そうに!)

映画公開迄2週間を切りました。
映画館で大きな画面で日本語字幕版を観直し、又気付かなかった点、新たに感じる点も出て来るかと思います。
その時は又改めて(ひつこく)書いてみようと思います。



ダラダラ長引いてしまいましたが、お立ち寄り頂き 拙文をお読みいただき有難うございました。





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Sherlock : The Abominable Bride 感想と検証 : (5)

2016-02-04 | The Abominable Bride
― The Abominable Bride : 『忌まわしき花嫁』感想と検証 (5) ―



こんなに長くなるとは予定していなかったのですが、ついつい思いが噴出してきまして
止まらなくなりました。
そろそろ駆け足で少し端折って行きます。

ので、又続きです。

引き続きネタばれしておりますのでお含みおき下さいませ。

再び19世紀に戻ったシャーロックは221Bで倒れていた所をジョンに見つけられ 問いただされます。
(モルヒネか? コカインか?)に対するシャーロックのセリフ ”Cocain・・・7% solution. Care to try it ?”
(7%溶液だ。試してみるかい?)は正典 ”The Sign of Four” 『4つの署名』の中のセリフですが、再び
”The Hounds of the Baskerville” でも引用され シャーロックが(紅茶より 7%刺激がある物を・・・)
と言っていました。

メアリーに電報で呼び出されて馬車でジョンと駆けつけた古い邸宅には怪しいフード付きマントを纏った
人々が集っているのですが、この姿が前に書きました様にKKKのフード付きマントと似ているのです。
集まっていたのはモリー、ジャニーン、ワトソン家のメイド等を含めリコレッティ―夫人と親しい女性
ばかりでした。




↑ KKKのマント&フード姿です。

ここが今回の大きなテーマの1つである この時代の『女性の立場、権利』に触れる事になるのですが、
これが制作発表の時モファティスが語っていた『今回は女性が重要な役割だ』と言っていた点なんでしょう。
ただ、シャーロックにとっては最も遠い所にある(多分関心も薄いであろうと思われる)女性問題に関して
ここで「これは戦争だ。イングランドが負けなけれがならない戦いだ」と誠に正論ではあるけど、大上段に
振りかぶってシャーロックにフェミニズムを語らせるのはどうなんだろう?と悩ましい点でもあります。
しかし、これまで都合の良い様に利用してきたモリーやジャニーンの姿をフラッシュバックさせる事で 
シャーロックの深層心理に潜んでいる若干の後ろめたさとか罪悪感を表しているのでしょう。
ここにも花嫁姿でのモリアーティ―が又もや現れ、混乱するシャーロック。



再び現在に戻ったシャーロックがリコレッティ―夫人の墓を暴くと勇んで出かけて行き墓を掘り返そうと
するも ジョンはこれ以上遊びに付き合っている暇はないとメアリーと帰ってします。 これだもん、
現実のジョンはツレナイんですねぇ。



結局付き合ってくれたのはマイクロフトとレストレード。
こんな風だから マインドパレス(潜在意識)の中でシャーロックは献身的で何処までもシャーロックに
着いて来てくれるジョンを思い描いているのかと思うと切ないです。



ここでマイクロフトが ”Cherchez la femme ”(フランス語で ”女を探せ、事件の陰に女あり”)と言って
います。 これはミステリー小説等でも良く使われるフレーズで、”The Hounds of the Baskerville”
では、シャーロックが ”Cherchez le chien” (犬を探せ)で引用していました。

次に再び19世紀に戻ると そこはライヘンバッハの滝だったんです。
BBC版でライヘンバッハのシーンが観られるとはかなりの感動モノです。
パジェット版そっくりでねぇ・・・。合わせ鏡の様に左右反転構図になっていますが。



ここでのモリアーティーは何故か少し卑屈で、シャーロックもモリアーティーを貶める様な言葉を吐いている。
”short-arse”(ちびすけ or 取るに足らないヤツ)とか。
シャーロックの中でのモリアーティーの存在が次第に弱くなってきている様に思われます。
そして、何より感動は、銃を持ったジョンがカッコ良く現れて 最後はモリアーティーを足蹴にして滝から落下
させる。



ここでの3人の会話が色々凄く面白いんです。
夢の中(潜在意識)の中の出来事である事に気付いているシャーロックがモリアーティーの口を借りて自分の弱みを
暴き出している。
”I am your weakness. When you are weak, I am there” (僕は君の弱さなんだよ。君が弱いと僕が出て来るんだ)
そして ここでジョンが初めてモリアーティーの事を正典通り ”プロフェッサー” と呼び、”The Napoleon of
crime”
(犯罪界のナポレオンだ)と言っています。
これは正典 ”The Final Problem” 『最後の事件』でホームズがモリアーティーの事を表していた言葉で、これを
引用してS3E3の ”His Last Vow”ではマグヌッセンの事を ”The Napoleon of blackmail" (恐喝界のナポレオン)
と呼んでいました。
又、ここでシャーロックは ”ジョン” と呼び、ジョンは(一体何時から僕の事をジョンと呼ぶ様になったんだ?)
← 19世紀のジョンですから・・・

これを見ると益々シャーロックの潜在意識化でのジョンの立場、役割がはっきり見えてきます。あの場にも居て
欲しかった、何時もそばにいて欲しいってね。 泣けてきますよ。
そして、”Time to wake up,Sherlock" (もう目を覚ますんだ、シャーロック)と現代のジョンの呼びかけと、
(どうやって目を覚ますつもりだ?)に、ここで又あの、”Elementary, my dear Watson “、(初歩的な事だよ)
 モリアーティーの居る悪夢を終わらせるためには・・・と滝から落下するシャーロックの表情が何処か嬉しそう
なのです。 これでマインドパレスの奥底に潜み続けるモリアーティーの存在が消せるんだろうか・・・



ここで又目を覚ましたシャーロックは未だジェット機の中。・・・って事はお墓の場面も又『マインドパレス』の中での
出来事だったんだろうか?と、あー、もうゴチャゴチャで訳わかんなくなって来た。

現在に戻ったシャーロックが引き裂いたメモを大切にノートに挟むマイクロフトですが、
そのノートに書いて有るのが、又しても ”Redbeard 赤ひげ”、又ですか? 未だ何かあるんですか?
レッドビアードに関しても次作で明らかにされるんでしょうか?
レッドビアード出されると、もう勘弁して!又泣かせるんですか? と言いたいワタクシです。



そして、その下にある ”Vernet” (ヴェルネ)は正典 “The Greek Interpreter"  『ギリシャ語通訳』にある、
”But, none the less, my tern that way is my veins, and may have come with my grandmother,who was the
sister of Venet, the French artists”
(だがやはり、僕の血管を流れる才能は祖母から譲り受けたのかも
知れないな。祖母はフランスの芸術家ヴェルネの妹だ)。ホームズ家にはフランス人の血が混じっているんですね。
この ”Verne" は今度(S4? で?)何らかの形に引用されるのかな?



3回位で終わらせるつもりだったのが ズルズル長引いてしまいました。
次の回で最終回に致します。




・・・・・to be continued です。



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Sherlock : The Abominable Bride 感想と検証 : (4)

2016-02-01 | The Abominable Bride
― The Abominable Bride : 『忌まわしき花嫁』感想と検証 (4) ―



続きです。


今回一番のネタバレしておりますのでお含みおき下さいませ。


エメリアらしき姿を追った2人が屋敷に踏み込んだ時には既にユースタス卿が殺されてしまって
いたのですが、ジョンの後ろにはエメリアの幽霊(?)が・・・だんだんホラーになって来ました。
そしてレストレードも駆けつけ ユースタス卿の遺体を検分すると謎のメモが。
”Miss me ?” と書かれています。 ここで出ました! やっぱりモリアーティーの影が?
ここでのセリフ、”to eliminate the impossible ・…and observe what remains・・・(自分の
脳を使え、不可能なものを除外しろ。この場合は幽霊だ。 そしてし残った物が真実だ) は 
”The Sign of Four” 『四つの署名』の有名な語録である ”When you have eliminated the
impossible whatever remains, however impossible, must be the truth”
(不可能な物を除外し
残った物が何であれそれが真実だ)からの引用で、このフレーズは ”The Hounds of the
Baskervilles”
でも引用されていました。

この ”Miss me ?" は ”His Last Vow” の最後に出て来たメッセージなので、現代と19世紀が
混線しているのかと感じます。と言うか、シャーロックの頭の中が混乱して来ているのかしら?と
感じ始めます。

モリアーティーがリコレッティ事件とどの様に関連してくるのか、益々複雑になってくるのですが、
いずれにしてもこのメモを見てからシャーロックは自制心を失い混乱します。


そしてディオゲネスクラブを訪れると、何故かマイクロフトがこのメモを持っています。
「ライヘンバッハで死んだ筈だ」と混乱するシャーロックですが、マイクロフトの部屋にも
ライヘンバッハの滝の絵が飾られています。


↑ 左がディオゲネスクラブにあるライヘンバッハの滝の絵。 右が ”Reichenbach Fall"の時の絵。(同じです)


ライヘンバッハの滝ではモリアーティの死体は見つからなかったが、万一生きているのであれば
復讐の為シャーロックを訪れるだろう。待って居ると言うシャーロック。

221Bでは2日間飲まず食わずで瞑想にふけります。




↑ グラナダ版『犯人は二人』でホームズが瞑想している手の形が同じです(これも以前載せましたけど)。

この時マインドパレスの中では・・・目の前にリコレッティ―事件を報じる新聞記事の紙片が
飛び交っています。次々手に取り確認するシャーロック。



この場面の作りが何時もながら素晴らしいのですねぇ。
そして、遂にコカインを手に取るシャーロックです。



そこにいよいよモリアーティ登場なのですが、今回のモリアーティはこれまで以上に過剰なほど不気味で
薄気味悪さが際立ちます。







2人の対決になるのですが、滝に落下して死んだ筈なのが 現代版での銃を咥えて自殺した事に変化
しているのは シャーロックのマインドパレスが混乱してきているせいなのか、同じ様に銃を咥えて
自殺したエメリアからの連想という事なのかしら?
兎に角ここでのシーンはホラーに加え、スプラッター風にもなっています。

そして モリアーティの ”Because it's not the fall that kills you. It's not the fall.
It's the landing”
 (君を殺すのは飛び降りじゃないんだよ。着地だ)
このセリフは シャーロックがビルから飛び降りた時の事を言っている様なのですが、ワタクシの
勝手な解釈は、やはり本来のライヘンバッハでの対決に鑑み ”the fall” は”滝を指し、(滝を
落ちて死ぬのではなく、地上で死ぬんだ)にもかけている様に思います。
”滝”を指す場合 本来は複数形 ”falls” にするべきなので 違うかもしれませんが・・・・・。

いずれにしても、この時点でも又シャーロックのマインドパレスが混乱している様に思えます。 
がたがた部屋が揺れ始め、そのままジェット機の着陸シーン ”landing”へと続く画面構成は何時も
ながら素晴らしい画面転換だと感じます。



結局この時点で、”His Last Vow” の最後のシーン、”Miss me?" を知って呼び戻され着陸する
までの数分間のシャーロックのマインドパレス内での出来事(夢)であった事が判明します。
機長の顔を見たシャーロックが驚きます。レディー・カーマイケルにそっくりでした。





何故 “Miss me ?” からエメリア・リコレッティ―事件に飛んでしまったのかと考えると、
モリアーティーが生きているかも知れないと言う恐怖にも似た疑惑 → この事からマインドパレスの
奥底に潜んでいた モリアーティと同じ様に銃を咥えて自殺した不可解なエメリア・リコレッティ―の
事件を呼び覚ましてしまった → その為には自分自身が事件現場に赴かなければならない → マインドパ
レスの中でのヴィクトリア朝のシャーロック・・・と言う流れになったのでしょう。

ここで考えるのですが、ヴィクトリア朝での描写がシャーロックのマインドパレス内の出来事である
とすれば、新聞の切り抜きを探したり、モリアーティーとの部屋での対決が又マインドパレスの出来事
ですから、二重のマインドパレスになっているのですね。
シャーロックのマインドパレスは”多層構造” になっている事が分かります。
”His Last Vow” でメアリーに銃撃されて昏睡状態に陥った時のマインドパレスでもモリアーティーは
階段を下った下層階(心の一番奥底)に居ましたし。
ただ、今回のマインドパレスは今までの『記憶術』としてよりも、シャーロックの深層心理の現れ、描写
なのだと思われます。
今回何故ヴィクトリア朝なのかについても「マインドパレス」を使う事によって 19世紀と21世紀を繋げた
と言う手法は成程なぁと感心させられますね。
夢、深層心理の現れなので 所々現代の出来事と19世紀の出来事が入り乱れたりするのも納得したりしました。
深層心理という観点で思い返してみると、冒頭の場面で ”An old one, very old. Have to go deep inside
myself”
 (古い、古い事件だ。自分の心の奥深くに入って行かなければ)。と言っているし、馬車の中では 
”Deep waters, I shall have to go deeper still" (深い、深い謎だ。僕ももっと深く潜らなくては。)と
言っていました。
最初にこの点をしっかり理解出来ていたらもっと早い段階で今回のテーマが把握出来たのだろうと思いました。
因みに ”deep waters” は正典 ”The Speckled Band” 『まだらの紐』にあるホームズの言葉
”These are very deep waters” 「かなり深い水域がありますね」の引用だと思います。


話が前後してしまいますが、突然思い出したのでここに書いて置きますが、今回も又”ジョンの椅子” 
に関しての話題が出てきます。
S3でも何度か”ジョンが座っていない椅子”に関するセリフがあり、ジョンの居ないシャーロックの寂しさ
が表されていますが、フト思い出してみたら このテーマは正典 ”The Empty House” 『空き家の冒険』
に書かれていた ”・・・I could have seen my old friend Watson in the other chair which he has
so often adorned.
 (我が旧友のワトソンが非常にしばしば美観を添えていたもう一つの椅子に座っている
のを見られたらいいのに・・・・)に由来していますね。
BBC版で何度か出て来た ”ジョンの椅子”は離れてしまったジョンに対するシャーロックの寂しさ、
心もとなさを表す象徴として描かれているので、椅子のシーンを観る度胸が痛みます。



又長くなりそうなので次に続けます。




・・・・・to be continued です。



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