The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

『アガサと殺人の真相』

2021-06-30 | アガサ・クリスティ
”Agatha and the Truth of Murder”  2018年


世に良く知られている”アガサ・クリスティ失踪事件”
アガサ・クリスティが1926年12月に11日間失踪した事件”Agatha Eleven Missing”がありま
した。 失踪の理由やその間何をしていたのかは謎のまま、今なお多くの人の想像を掻き
立てています。

大分前にも取り上げた事がありますが、この事件を題材にして独自の解釈で ヴァネッサ・
レッドグレイブ、ダスティン・ホフマン、ティモシー・ダルトン等の出演により1979年製作、
公開された映画『アガサ 愛の失踪事件』”Agatha”もありました。

今回のドラマは、同じくこの事件を題材にしたフィクションミステリドラマです。



監督:テリー・ローン
脚本:トム・ダルトン
出演:
アガサ・クリスティ:ルース・ブラッドリー
メイベル・ロジャース:ピッパ・ヘイウッド
アーサー・コナン・ドイル:マイケル・マケルハットン
ディックス警部補:ラルフ・アイネソン


執筆活動に生きずまりを感じ、又結婚生活も上手く行かなくなり夫からは離婚を申し出られてい
たアガサ・クリスティはアーサー・コナン・ドイルに助言を求めます。





ドイルは、「ベルギー紳士」(ポアロの事)は読者が飽きているだろうから、もう止めた方が良い。
自分もシャーロック・ホームズを復活させなければ良かった。等と云います。
そして、ゴルフ場の設計を提案されます。

そんな失意の日々を送るアガサの元に、列車内で最愛の友人フローレンス(フローレンス・ナイ
チンゲールの孫)を殺害された元従軍看護師メイベルが訪れ、犯人捜しを依頼します。
6年前の事件は迷宮入りし、捜査は打ち切られていたものの メイベルは独自に捜査を続け複数
の容疑者を探し出していた。

一旦はその申し出を断ったものの、メイベルが置いて行った資料を見るうちに 追い詰められ
た現状から逃れるように メイベルと共に捜査を開始する事を決心するアガサ。

アガサは遺産執行代理人に、メイベルはメイドにそれぞれ変装し 偽の遺産相続話で容疑者達を
ある屋敷に呼びだす。



一人ずつ話を聞きながら容疑者の様子を見るアガサですが、そんな折その中の1人が銃で撃たれ
二階から落下して死亡する事件が起きます。

捜査の為警察からディックス警部補が屋敷にやって来ますが、彼によればクリスティー夫人が
失踪した為、ヘリコプターが出動するは、警察からは5000人が捜査にあたっているはという状
況なので、この事件を担当できるのは自分を含め3人のみだと。
この時アガサは初めて自分が失踪したと世間を騒がせている事を知ります。



ディックス警部補は早々にアガサの正体を見破っていました。
一方 犯人の策略で犯人に仕立てられたメイベルは逮捕されてしまいますが、アガサと手を組んだ
警部補と共に犯人を逮捕する事ができました。

失踪事件に関して、記憶喪失の為何も覚えていないという事で通したアガサは、家に戻り夫と離
婚を決意します。
そして、別れ際にディックス警部から言われたヒントを元に新たな作品を完成させます。
タイトルは、”The Truth of Murder”(殺人の真相)、しかし最後にそのタイトルを消して書き直
したタイトルが ”Death on the Nile”(ナイル殺人事件)でした。

あの空白の日々を題材にした作品は色々ありますが、その期間にアガサ自身に事件の捜査をさせる
という新しい解釈で、色々小ネタも楽しみながら軽いミステリとして楽しめる作品だと思います。

小ネタその①は、フロレンスの殺害犯人の特徴の一つが ”茶色の服の男” (The Man in Brown
Suite)

これは実際の作品のタイトルでもあります。 大昔に読んだ中で何故か特に好きな作品でしたので、
チョット嬉しかった。

小ネタその②は、アガサ失踪の捜査の為、警察はアーサー卿(コナン・ドイル)に心霊術を使って
捜査を依頼したと(ディックス警部補の話によれば) これは、コナン・ドイルが実際に心霊術
に凝っていた時期があったという事を引用していますね。
その他、それとなく小ネタ含みですので、これを見つける楽しみもあります。

このシリーズは全部で3作品あり、
2作目は、「アガサとイシュタルの呪い」”Agatha and the Curse of Ishtar”
3作目は 「アガサと深夜の殺人者」 ”Agatha and the Midnight Murders”
がありますが、チョット変わっているのは、3作品ともアガサ役の女優さんが異なるという事。

他2エピソードも追って書ければと思いますが、何時もの通りどうなりますか・・・・

現在Huluで配信中です。



グラナダ版『シャーロック・ホームズの冒険』BSプレミアムで再放送開始

2021-06-26 |  ∟グラナダ版SH


これ迄も何度となく色々なチャネルで再放送が繰返されていました『シャーロック・ホームズの
冒険』が再び再放送されるとの事。

今回は、BSプレミアムとBS4Kで同時スタートとのことで、
8月11日(水) 夜9時からの放送

全41エピソード放送されるそうですが、吹き替え版です。

個人的にも随分昔最初に観て以来 何度も繰り返し観直している大好きな作品ですが、昔最初に
観た時が吹き替え版でしたので(当時は海外ドラマは殆ど吹き替え版でした)、余り違和感なく
慣れ親しんできました。

BBC版を観てから、再度改めてグラナダ版 そして正典の再読に取り掛かったのですが、放送に
関してはAXNミステリーで何度となく再放送をして下さったので その都度観直すという状況で
した。
又、AXNミステリーでは 字幕版での放送もありましたので、これは感動ものでしたね。
何と言っても エレガントなジェレミーの声での放送は別格です。
はやり字幕版で観たい作品ですねぇ。(今回は残念ですが・・・・)。

改めて言わずもがなですが、
グラナダ版シャーロック・ホームズは ジェレミー・ブレットのホームズ、ワトソンにはデヴィッド・
バーク(13話迄)、14話以降はエドワード・ハードウィックにより 1984年『ボヘミアの醜聞』を
第一話とし、以降全41話製作された作品です。



左;デヴィッド・バーク、右:エドワード・ハードウィック

シャーロック・ホームズ関連のドラマ、映画、小説は数え切れないほど製作されてきましたが、
グラナダ版は最も正典に忠実に作られており(何作かは独自の解釈で追加情報として描かれて
いる作品はありますが)又、ジェレミーも最高のホームズとして 今でも世界中で人気が高い作
品ですね。

全エピソードタイトルのリストは、以前書きました拙記事をご参照下さい
※ グラナダ版シャーロック・ホームズ : エピソードリスト

又、各エピソード概略あらすじは 16エピソードのみですが、下記ご参照下さい
※ 『グラナダ版シャーロック・ホームズ』 : Index

グラナダ版直接は関係ないのですが、以前書きましたシャーロック・ホームズ関連作品集に関する
拙記事もご参照頂ければ 如何にシャーロック・ホームズが愛され、人気の作品であるか改めて
お分かりいただけると思います。
※ ホームズとワトソンの100年(再掲)




『裏切りのサーカス』2011年

2021-06-23 | 映画
”Tinker Tailor Soldier Spy”


何で今頃この作品を?
なのですが、先日トム・ヒドルストンの新作ご紹介時に「ナイト・マネジャー」も久し振りに思い出し
たのをきっかけに 突然この作品も思い出しまして、久々に(もう何年振りでしょう?)観直してみ
ました。
当時感想を途中まで書きかけてはいたものの、なかなか纏められず途中断念していましたので、
随分時間が経ってしまいました。

この作品は、「ナイト・マネジャー」と同じく ジョン・ル・カレの1974年刊行の小説「ティンカー、テ
イラー、ソルジャー、スパイ」を原作としたイギリス、フランス、ドイツ合作の映画です。

リリース当時は、原作も読んでおらず、内容の予習もせぬまま ベネディクトが出演しているという理由で
取っついた経緯があったのですが、出演者の豪華さにひっくり返る程感動したものの、内容が複雑で一度
観ただけではサッパリ理解出来ず、DVDを購入して何度か観直し、3度目位(?)でようやく理解出来たと
いう・・・・。
後に色々な方の感想を見ていると、私だけではなく皆様大体3度位で理解出来たという意見が多く、あ~私
だけでは無かったんだ・・・と一安心(?)したものでした。

そんな複雑な内容の作品なので、概要はwikipedia から引用させて頂きました。

時は東西冷戦下。イギリス秘密情報部、通称「サーカス(ロンドンのケンブリッジ・サーカスに本部が
あることに由来)」とソ連情報部、通称「モスクワ・センター」は、水面下で様々な情報戦を繰り広げ
ていた。
長年の作戦失敗や情報漏洩から、サーカスの長官であるコントロールは、内部にモスクワ・センターの
二重スパイ(もぐら)がいることを確信。密かにマザー・グースの「鋳掛け屋さん、仕立て屋さん、兵
隊さん」の歌詞になぞらえたコードで幹部たちの身辺を探るとともに、「もぐら」に関する情報源と接
触するため、サーカスのジム・プリドーをハンガリーに送り込むも作戦は失敗。

責任をとってコントロールと彼の右腕であったジョージ・スマイリーは引退を余儀なくされる。
退職後ほどなくコントロールは死去。ほぼ同時期にイスタンブールに派遣されていたリッキー・ターの前
に、「もぐら」の情報を持つモスクワ・センターの女イリーナが現れる。彼女と恋仲になったターはイギ
リスに亡命させるため、サーカス本部に連絡するが、翌日イリーナはモスクワ・センターに発見され連れ
去られる。サーカス内部に「もぐら」がいることを察知したターはイギリスへ戻り、オリバー・レイコン
外務次官に連絡。彼は、引退したスマイリーに「もぐら」探しを要請する。

スマイリーは、ターの上司のピーター・ギラムと、ロンドン警視庁公安部のメンデル警部とともに調査を
始める。



監督:トーマス・アルフレッドソン
脚本:ブリジット・オコナー、ピーター・ストローハン
製作総指揮:ピーター・モーガン、ライザ・チェイシン、ロン・ハルパーン、ジョン・ル・カレ他

出演;
ジョージ・スマイリー:ゲイリー・オールドマン
コントロール:ジョン・ハート
バーシー・アレリン”ティンカー”「鋳掛屋」:トビー・ジョーンズ
ビル・ヘイドン”テイラー”「仕立て屋」:コリン・ファース
ロイ・ブランド”ソルジャー”「兵隊」:キアラン・ハインズ
トビー・エスタヘイス”プアマン”「貧乏人」:デヴィッド・デンシング
リッキー・ター:トム・ハーディー
ジム・ブリドー:マーク・ストロング
ピーター・ギラム:ベネディクト・カンバーバッチ









↑ 髪の毛ありのマーク・ストロング


↑ ブロンド、若いベネディクト←イケてます


↑ この様なヘアスタイルは珍しいトム・ハーディー



初めに書きました様に、大変複雑なプロットで 舞台もロンドンは勿論、ハンガリー、イスタンブー
ル(これは個人的に懐かしくて嬉しかった!)と移り、又時系列も入り組んでいるのでそれだけで
も追いかけるのが大変です。

味方の中の誰が”もぐら”(裏切り者)か、本人に気付かれない様に調査を進めるスリルは格別です。 
他のスパイドラマとは全く異なり、アクションシーンも少なく、謎を追いながら少しずつ真相を突き
止めて行く様子をじっくり、重厚に、渋いタッチで描いています。

殆んど表情を変えないスマイリーが渋くて・・・でも、そんなスマイリーも奔放な妻に対する苦悩が
見えます。 (この作品でゲイリー・オールドマンにハマり込みました)
途中メガネを作り変えるシーンがありますが、メガネを変える事で気持ちの切り替えも表しているの
でしょうか?

後半近く、ビル・ヘイドンとジム・ブリドーのシーン(ショックです)に流れる”ラ・メール”の曲が
切なく心に響きます。

このビル・ヘイドンとジム・ブリドー、又、ビーター・ギラムと同棲している男性の様に、スパイを
している男たちの切ない”愛”もさり気なく描いています。

兎に角、これ以上ない様な豪華な配役で、この顔ぶれを見るだけで感動します。

以前何度か書いた事があると思いますが、原作者のジョン・ル・カレ自身も実際にMI-5からMI-6に
属していたという経験もある為、リアルな視点から描かれているというのも見ごたえがあるとこ
ろですね。
尚、この作品にもカメオ出演していらっしゃるとこ事ですが、気づきませんでした。

↓ trailerはこちら
https://youtu.be/rlPhwE_LIEM

↓ 原作翻訳本はこちら
『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』(ハヤカワ文庫)

ジョン・ル・カレ(著)、菊池光(翻訳)




トム・ヒドルストン出演 ”The Essex Serpent”

2021-06-20 | 海外ドラマ
”The Essex Serpent”(原題)


以前書きました様に ”ロキ” の放送も開始されているとは思うのですが、観られないので・・・・。

そんな時、トム・ヒドルストン出演の ”The Essex Serpent” (原題)の製作情報が出始めました。

”The Essex Serpent”(エセックスの蛇)は2016年出版のサラ・ペリーによる同名ベストセラー小
説を原作にした歴史ロマンスだそうです。

概要は、
舞台は19世紀末、ヴィクトリア朝のイギリス。
主人公のコーラは 支配的な夫が病死し自由の身となり、息子とともに英ロンドンからエセックス
の町アルドウィンターに引っ越してきた。
村では、この地に迷信として伝わる謎の怪物“エセックス・サーペント(エセックスの大蛇)”が戻っ
てきたという噂で持ち切りに。その噂に惹かれ怪物の正体を突き止めようとするコーラと、噂が信
仰の妨げにならないように腐心する村の牧師ウィルは、互いにひかれあい、反発しながらも、互い
の愛に気づいていくという物語。 との事。







監督:クリオ・バーナード
脚本:アンナ・サイモン

出演:
コーラ・シーボーンには『HOMELAND』のクレア・デーンズ
ウィリアム・ランサムにトム・ヒドルストン


トム・ヒドルストンがTVドラマのメインキャストとして出演するのは、『ホロウ・クラウン/嘆き
の王冠
』、『ナイト・マネジャー』、『ロキ』に続いて4作目。

2020年にドラマ化が決定した時点では、キーラ・ナイトレイが主演、製作総指揮を務める予定であっ
たが、諸事情により離脱。 その後代役としてクレア・デーンズの出演が決まったのが今年2月。
3月に撮影開始となり、現在製作継続中の様です。

”ロキ”も好いけれど、こういった作品のトムヒの方がより興味があります(私見)。 そして、出来
ればキーラ・ナイトレイとの共演が見たかったなぁ・・・・。

放送は2021年後半、Apple TVでの配信予定との事。
凄く楽しみですが、日本放送は何時になりますか・・・・。

(source:Deadline、The River & etc.)

より詳しい続報が出れば、又追記します。

原作はこちら

残念ながら翻訳はされていない様です。



新シーズン待ちの海外ドラマ色々:その(2)

2021-06-16 | 海外ドラマ
前回に続き、その(2)です。

※『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』S2

“Astrid et Raffaelle” season 2

以前コチラでシーズン1の情報のみご紹介しましこのドラマ。
試聴感想は未だ書けていないのですが、予想以上に面白いドラマでした。

それぞれのキャラクターがとても程よく、主人公アストリッドとラファエルの信頼関係が徐々に結ばれ
ていく姿には胸が熱くなります。 又周囲の人々の立ち位置も程よく、サスペンスミステリではありな
がら重すぎず、同時に自閉症という病気に関しても改めて考えさせられました。

アストリッドを演じているサラ・モーテンセンの演技も素晴らしく、彼女は『フランス絶景ミステリー
コレクション』というドラマに出演していたそうですが、チョコッとしか観た事がないので気づきませ
んでしたね。

アストリッドの独特のヘアスタイルでないサラ・モーテンセン(全く印象が違う!)


又、日本関連の事柄もきちんと描写されているので感心させられました。
アストリッドがキチンと正座している事も偉い!

既にシーズン2も8エピソードでリリースされている様です。
早く日本でも放送される様期待大です。

※『バルタザール』S3

”Balthazar” season 3

何やらフランスドラマが続きますが、このドラマも大変人気が高い様で、シーズン3も2021年2月
8エピソードでリリース済です。
そして、既にシーズン4も製作されるだろうとの情報が出ています。

これだけシリーズが続くという事は・・・・
バルタザールの奥さん殺害犯人がなかなか捕まらないって事なんでしょうか?

※シーズン1に関してはコチラに書きました。
※シーズン2はご紹介のみですが、コチラに書きました。

※『探偵ミス・スカーレット』S2

”Miss Scarlet and the Duke” season 2

このドラマも重すぎず、軽すぎず、ヴィクトリア朝の雰囲気と共に スカーレットの活躍が楽し
めます。
幼馴染の刑事ウィリアムとはどうなるのかな?の楽しみも。
シーズン1ではスカーレットのドレスが殆んど全部”ブルー”だったんですが(テーマカラー?or
経済的事情?)もしかしたらシーズン2では”黄色”になるのかしら?

※シーズン1はコチラに書きました。

その他、

※『警視ファン・デル・ファルク アムステルダムの事件簿』S2

”Van der Valk” season 2

オランダが舞台のクライムミステリ。
マーク・ウォーレン主演のこのドラマもシーズン2製作が決定したようです。
未だ発表されたばかりですので詳細は未定です。

※シーズン1に関してはコチラに書きました。

※『コリン・サットンの事件簿』S2

”The Night Stalker”
先日チラッとだけ書きましたが、実際に起きた事件「連続殺人鬼 リーヴァイ・ベルフィールド」に続
きシーズン2として4エピソードからなる”The Night Stalker”の製作が発表されています。

※シーズン1に関してはコチラに書きました


上記2作品共リリース時期は未定です。


どの作品も日本での放送はあるとしても時期は未定です。
何とか早く観られます様に!



パトリシア・コーンウェル「検屍官スカーペッタ」シリーズ 遂にドラマ化?

2021-06-12 | 海外ドラマ

左:ジェイミー・リー・カーティス、 右:パトリシア・コーンウェル

パトリシア・コーンウェルによる「検屍官スカーペッタ」シリーズは、これ迄何度か映像化の
噂が出ては消え、その中には1992年コロンビア・ピクチャーズでデミ・ムーア主演での映画化、
2000年にはアンジェリーナ・ジョリー主演での映画化、その後CBS、NBCでのドラマ化の噂が
出ていましたが、いずれも実現せず、一部ではコーンウェル自身が映像化を許可しないとか、
の噂まで出て、結局そのままになっていたのですが、この度ジェイミー・リー・カーティスが
製作の1人となりドラマ化が決まったとの事(映像化情報は何と6度目!)
ようやく!ですね。

ジェイミー・リー・カーティスは『ハロウェイン』、『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』等、
又大人気シリーズドラマ『NCIS』にも出演していましたね。

パトリシア・コーンウェルによる「検屍官スカーペッタ」シリーズは、1990年の第一作「検屍官」を
始め、2016年の「烙印」まで24作が出版されており、25作目の「Autopsy」の出版も予定されている
様です。

このシリーズは、美しく優秀な検屍官ケイ・スカーペッタを主人公に、弁護士の資格も持つ彼女が
知識と経験を駆使して 猟奇的な事件を解決していく姿が描かれている。
スカーペッタのモデルは、バージニア州の主任監察医だったマルセラ・ファリネリ・フィエロだと
言われています。

私もこの作品が好きで、一作目から総て読んでいますが、正直な所少し中弛みを感じる作品もあり
ました(全く個人の印象です)

今回ドラマ化の情報では、ジェイミー・リー・カーティスを始め、原作者のコーンウェル、ジェイ
ソン・ブラム、クリス・マッカンバーが共同製作総指揮を務める予定とのこと。

ドラマは原作のどの物語を描くのか、又出演者等は現時点では不明です。
イメージ通りのキャストになると良いんですけど・・・・。

今回の情報が6度目の正直になれば良いと期待大ですので、詳細が分り次第追記します。

ついでながら、
同じコーンウェルの作品で、『捜査官ガラーノ』は2010年ドラマ化されており、日本でも放送あり
ましたので観ました。



が、
何時もの事ながら、出演者が原作のイメージと違うので 残念!でした(これも個人の感想ですが)

(source : Deadline via 海外ドラマNABVI & others) 




新シーズン待ちの海外ドラマ色々:その(1)

2021-06-08 | 海外ドラマ
色々楽しみにしているドラマの新シーズンに関して 現在分かっている情報を書き置いておきます。

※『刑事モース』S8

“Endeavour” Season 8 

既に何度も書いていますが、一応念のために。
シーズン8の撮影は現在進行中。 先日再びオックスフォードでの野外ロケも済んだ様です。
3エピソードが予定されているS8の英国放送は2021年後半、或は年末の予定と言われています。
このドラマに関しては、順次情報追加していきます。

撮影中の画像を一枚だけ追加

(source : endeavourneverland)

※『ヴェラ~信念の女刑事』S11

”Vera” Season 11

シーズン10は日本でも既に放送されましたが、シーズン11も2022年英国放送予定(リリース
日時は未定)とされています。
ブレンダさんの頑張りには敬服します。

※『マクドナルド&ドッズ 窓際刑事ドッズの捜査手帳』S3

“McDonald & Dodds ” Season 3

大変好評のこのドラマもシーズン3の製作が発表されていて、2021年夏頃撮影開始予定とされ
ています。 リリースは2022年?
楽しみです!

尚シーズン2の日本初放送は以前ご案内した様に、AXNミステリーにて
6月12日(土)4:00pm~

シーズン1の概略はコチラ

※『ヴィエナ・ブラッド』S2

“Vienna Blood” Season 2

個人的にかなり気に入ったこのドラマも シーズン2は3エピソードで既に製作済。
2021年(時期未定)リリース予定といわれています。

シーズン1概略はコチラ

※『ミステリーinパラダイス』S11

”Death in Paradise” Season 11

シーズン11は2021年夏撮影開始予定、2022年リリース予定とされています。

尚シーズン10の日本初放送は、これも以前お案内した様に、AXNミステリーにて
6月26日(土)4:00~

他にもまだ色々ありますので
to be continued です。



ミス・マープル『復讐の女神』ジョーン・ヒクソン版

2021-06-05 | アガサ・クリスティ
”Nemesis”

Miss Marple : Season 2
BBC 1987年2月初放送

過去に何度も観ていたのですが、先日改めてジックリ観直す機会があり、今更ですが今回初め
てこのドラマに触れてみたいと思います。

言わずもがなですが、原作はアガサ・クリスティ1971年刊行作品で、『カリブ海の秘密』の
続編として書かれた作品です。

原作はもう遥か昔に読んだのですが、今回久し振りに改めて再読致しました。
いや~、あちこち忘れているもんです。

そして、改めて読んでみてドラマの設定が原作と異なる部分が幾つかあった事に気付きました。
ジョーン・ヒクソン版は基本的に原作に一番忠実に描かれているのですが、珍しい事ですね。



キャスト:
監督:デービット・タッカー
脚本:T.R.ボウエン

出演:
ジェーン・マープル:ジョーン・ヒクソン
ジェイソン・ラフィール:フランク・ガットリフ
ライオネル・ビール:ピーター・ティンバリー
マイケル・ラフィール:ブルース・ベイン
エリザベス・テンプル:ヘレン・チェリー
ワンステッド教授:ジョン・ホースリー
その他

原作では『カリブ海の秘密』の続編とされてはいますが、特に繋がりがないので順序を気にする
事は無いと思います。
なので、BBC版でも『カリブ海の秘密』の方が後に放送されています。

『カリブ海の秘密』で自らを”Nemesis”になぞらえ、ラフィールの協力を得ながら事件を解決した
ミス・マープルでした。
しかし、病身で大富豪であったジェイソン・ラフィールが亡くなり、その遺言書の指示で彼女が動く
という経緯になります。

ラフィール氏の死を知ったミス・マープルは故人の弁護士からの手紙を受けとります。
弁護士は、ラフィール氏からミス・マープルへの調査依頼があると告げますが、調査の内容は明確
ではなく「英国の歴史建築と庭園めぐり」のバスツアーに参加する様にとだけ告げられていました。
調査の成功報酬は2万ポンドと告げられたミス・マープルは、ビックリです。
(当時の2万ポンドと言えば、今で考えると10万ポンド位の価値があるんでしょう。)
この時のマープルさん、2万ポンドあればヤマウズラ丸ごとが買いたい、そしてマロングラッセも・・・
と普通のおばあちゃまのリアクションで可愛いです)



マープルは 丁度別居してマープルの所に身を寄せていた甥のライオネルと共にツアーに参加する事
になります。
(ここが原作と大きく異なる点ですね。 原作ではライオネルは登場せず、マープルさん1人で参加
しています)

バスツアー中も、どこで何が起こるのか思い悩みながらも周囲を注目するミス・マープルは、
ツアーのメンバーの中に彼女を監視する役割の人と保護する役割の人がいる事に気付きますが、
誰がそれぞれの役割を持っているのか・・・・。

セント・アグネスの前校長であったエリザベス・テンプル(ヴェリティ―を可愛がっていた)


ワンステッド教授(犯罪心理学の教授であり、後に内務省の役人である事が分る)


マープルの自宅を偵察していた女性二人組


そしてアビー・デューシス村に着くと、マープルを迎えに来たクロチルド。
彼女は三姉妹でこの村に住んでいるが、生前のラフィールからマープルを自宅に滞在させるよう
に指示があったと。


噂話や周囲の状況から次第に分かってくることは、ラフィールの一人息子のマイケルと婚約して
いたヴェリティが結婚直前に何者かに殺害されて、その容疑がマイケルに掛けられていた事。
マイケルは素行に問題があり、この事件でも逮捕はされたものの 何とか裁判は逃れ、その後
海外へ、帰国後はホームレスの様な生活をしていて行方も分からない状態。
そして、そのヴェリティが通っていた学校の校長がエリザベスであったこと。
又ヴェリティの親代わりで溺愛していたのがクロチルドと同居している妹であること。

等から、どうやら注目すべき点はマイケルとヴェリティに関する過去の事件なのではないかと
気づいたミス・マープルは、ラフィール氏の漏らさぬお膳立てに乗り、ラフィール氏の望んだ
様に”Nemesis”となり調査を開始します。

残念ながら殺人事件は起きてしまったものの、ミス・マープルは次第に真相に近づきます。

"Guardian angels”(守護天使)達にも助けられ、事件は解決します。

最後にワンステッド教授に連れられてやってきたのは、美しく改修されたラフィール氏の邸宅
でした。
そこに待っていたのは、ライオネルの働きによって見つけられたマイケルでした。

そして、マイケルから渡されたのはミス・マープルに宛てたラフィール氏からの手紙でした。

”ありがとう、ミス・マープル
私のネメシスよ。
又会おう”

冒頭書きました様に、この作品はライオネルの登場を含み原作と幾つか設定が変わっています。
マイケルは原作の中では会話の中でのみの登場でしたが、ドラマではかなりの登場場面があり、
ホームレスの姿もそれなりにワイルドで良いんですが、最後にミス・マープルに会う場面では
ひっくり返る程の変貌で美しい姿を見せてくれます(別人か?と思う程)





他の作品でのミス・マープルは、何か事件が起こり 持ち前の好奇心から首を突っ込み、鋭い
観察眼で解決の助けをする・・・という段取りになっていますが、この作品だけは特別で、彼
女に依頼された事が何なのか、ラフィール氏の目的は何なのか思い悩みながら進行していく点で、
ミス・マープルの観察眼と正義感を信じたうえで、彼女の行動を視越し、至れり尽くせりにお
膳立てをしていたラフィール氏の予見が際立っています。

又、ラフィール氏の目的は、単に息子であるマイケルを助けたいという事ではなく、悪(罪)
は償われなければならない、正義が為されなければならないという強い意志であり、それを
なすのはミス・マープルだけだと彼女への強い信頼感があったからこそだという事ですね。

因みに、
ジェラルディン・マクイーワン版の「復讐の女神」も製作されていますが、相変わらず原作
とは大分違う内容になっています。
個人的には やはりジョーン・ヒクソン版の方が断然好きです。
唯一、
マクイーン版にはダン・スティーブンスがマイケル役で出演しているって事が注目点ではあります。

原作翻訳本はこちら
『復讐の女神』(ハヤカワークリスティー文庫)-2004/1/1

アガサ・クリスティ(著)、乾信一郎(翻訳)
(久し振りに何度目かの再読をしましたが、翻訳の古さを感じさせられます。改訂販望みます)




7月放送の英国ドラマ

2021-06-02 | 海外ドラマ
AXNミステリーにて7月放送のドラマですが、総てAXNミステリー独占の日本初放送ドラマです
しかも、どのドラマも本国で今年初放送になったばかりのホカホカ湯気の出ている作品です。

※『警視グレイス』

”Grace” Season 1 
2021年3月 ITV
全2エピソード

このドラマは、以前から気になっていたのですが、こんなに早く日本放送になるとは嬉しい驚き
です。
何と言っても、One of my favorites ジョン・シム出演ですから・・・・。

ピーター・ジェイムズの世界的ベストセラー小説を、「ルイス警部」「刑事モース」の脚本家が
脚色した正統派の英国ミステリー!
2021年3月に英ITVで第1話が放送され、700万人以上の視聴者数を獲得し、多くの好意的評価を
獲得。
さらに、第2話の放送前にシーズン2の制作が決定した異例の話題作。



37の言語で出版され、世界で約2,000万部以上を売り上げているピーター・ジェイムズの「ロイ・
グレイス」シリーズを、「ルイス警部」「刑事モース」の脚本家ラッセル・ルイスが脚色し、
ジョン・シムを主演に迎えドラマ化した正統派の英国ミステリー。
今回は日本でも翻訳本が出版された『1/2の埋葬』と『会員制殺人サイト』が原作である。

主人公のロイ・グレイスは、彼の最愛の妻サンディの失踪にいまだ心を煩わせており、唯一の心
の支えが金魚という孤独な男。また、仕事に命を捧げた勤勉な刑事でもあるが、彼の “特殊な捜
査方法” が問題となり、彼が愛して止まない仕事から外されそうになっていた。そんな彼が、イ
ギリス有数の海浜リゾート地ブライトンで発生する事件を相棒ブランソンとともに解決していく。

第1話は、結婚式直前の新郎にしかけたほんの“いたずら”が大きな事件へと発展していく。
主演は「ホワイト・ドラゴン」など数々のヒット作に主演する英国の名優ジョン・シムが演じる。

キャスト:
監督:ジュリア・フォード
脚本:ラッセル・ルイス

出演:
ジョン・シム:ロイ・グレイス
リーッチー・キャンベル:グレン・ブランソン


ジョン・シムが何となく雰囲気が違って見えます。
ヘアスタイル+白髪のせいか、少し太った様でもあり、年齢のせいでしょうか?
それは兎も角、楽しみな作品です。

原作の翻訳本はこちら(各上下巻)
 
(未だ読んでいないので、これからトライします)

放送は、
7月17日(土)4:00pm~(字幕版)

※『ブランニック警部~非情の大地』

“Bloodlands” Season 1
2021年2月 BBC One
全4エピソード

最高視聴者数1,000万人超え!
根深い北アイルランドの現代史がテーマの、2021年英BBC最大級のヒット作!

今年2月より英BBCで放送され、最高視聴者数1,000万人を超え、早くもシーズン2の制作も決
定した話題作!根深い北アイルランドの現代史がテーマ。IRA元幹部の誘拐事件、地中から発
見された3つの白骨死体、そして主人公ブランニック警部の妻の失踪事件・・・・すべての事
件の背後には、謎の犯罪者による未解決連続失踪事件と1998年に結ばれた和平合意「ベルファ
スト合意」が絡んでいることがわかる・・・。ブランニックは迷宮入りした事件の真相に迫る
ため、再捜査を開始する。

エンターテインメント業界のメディア「Deadline」が選ぶ、“2020年英国で注目株の脚本家10人
”の1人として選ばれたクリス・ブラントンが脚本。「ザ・ミッシング~消えた少年~」や映画
「ホビット」シリーズに出演し、ゴールデン・グローブ賞、BAFTAはじめ様々な賞でしばしば
その名が登場するジェームズ・ネスビットが主人公のトム・ブランニックを演じる。

尚、第1話のオープニングで流れる曲は、U2のボノの息子であるイライジャが率いる注目のバ
ンド インヘイラーの“It won't always be like this”にも注目である。

キャスト:
監督:ピート・トラヴィス
脚本:クリス・ブランドン
製作総指揮:ジェド・マーキュリオ

出演:
ジェームズ・ネスビット:トム・ブランニック
ローカン・クラニッチ:ジャッキー・トゥーミー
シャリーン・マッケンナ:ニーアム・マクガヴァン




ジェームズ・ネスビットは、昨年(だったか)『スタン・リーのラッキーマン』(と言う変わった
タイトル)のドラマで見たばかりでしたが、何時も苦虫を嚙み潰したような表情だったという記憶
があります。渋いともいう?
今作品でも警察官を演じていますが、テーマ、内容もとても興味があります。
これも又楽しみなドラマです。

放送は、
7月3日(土)4:00pm~(字幕版)

※『息詰る愛~なぜ夫は殺されたのか?』

”Smother”
2021年3月 ITV
全6エピソード

今年3月にアイルランドRTEで放送された最新作!一見、裕福で幸せそうに見える夫婦と3人姉妹の
家族。しかし、妻ヴァルの50歳の誕生日パーティーで夫デニスが驚愕の事実を発表し、
その場にいた人だけでなく、娘たちも騒然となる。そして、その翌日、デニスの死体が発見される。
夫・父の突然の死を通して、揺らいでいく家族の姿を濃厚に描く衝撃のミステリー!



ヴァルは夫の死の真相を突き止められるのか?
そして家族を守れるのか?

出演:
デヴラ・カーワン:ヴァル
スチュワート・グラハム:デニス


放送は、
7月10日(土)4:00pm~(字幕版)

(情報はAXNミステリー公式ページ&その他から)

今回放送予定の作品はどれも他作品とはカラーが違うドラマになっている様です。
それぞれ特徴があって、楽しみです。

追加情報があれば、又追記します。