The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

『時計は三時に止まる』クレイグ・ライス著

2017-09-27 | ブックレヴュー&情報

創元社推理文庫 小鷹信光訳(1992年)
※ 「マローン売り出す」光文社文庫(1987年)に若干訂正を加えタイトル変更 
原題 ”Death at Tree” or “Eight Faces at Three”(1939年) Craig Rice

「酔いどれ弁護士マローン」シリーズの第一作
ジェイクは半ば呆れていた。今日はディックが駆け落ちをやらかす日。だが肝心の相手が姿を
見せない。やむなく先方を訪ねてみれば屋敷は警官だらけ、おまけに彼女は殺人容疑で逮捕さ
れたという。陳述が凄かった。事件のあった午前三時に、時計がいっせいに止まった?頭を抱え
たジェイクは旧友のマローンに弁護を依頼するが…。ユーモア・ミステリの名シリーズ、ここ
に開幕。
内容(「BOOK」データベースより)

随分久し振りの再読です。
とは言っても、前に読んだのは大昔。 
たまには肩の凝らないミステリーを・・・と思い新たな気持ちで読み直しました。

主な登場人物は、
マローン : 小柄でずんぐり、身なりはだらしなくお酒と美女をこよなく愛する刑事弁護士。
        しかし、弁護士としての腕は確かで負けた事が無いと豪語している。
ジェイク : 赤毛で背が高く手足がひょろ長い。この作品の時点では、バンドのリーダー 
       であるディックのマネージャー。
ヘレン : ブロンドで大富豪の超美人の令嬢。 殺人事件の容疑者となったホリーの友人。
      この作品でジェイクと出会い後に結婚することになる。

禁酒法廃止後のシカゴが舞台で当時の時代背景も彷彿とさせられます。

悪夢から目覚めたホリーが時計を確認すると夜中の3時。 何故目覚めたのか、又余りにもリアル
な夢であったので怪訝な面持ちで部屋を出ると 他の部屋のベッドは空、叔母の部屋へ入って見た
物は 椅子に座ったまま凍えた様に亡くなっている叔母だった。
凍える様な寒さの中窓が開いていた。
当時屋敷の中に居たのはホリーだけであった事から 容疑者と見做されたホリーの嫌疑を晴らす為
友人のヘレン、そしてホリーの婚約者で事件に巻き込まれたディックの友人であるジェイクは旧友
である敏腕弁護士のマローンにホリーの弁護を依頼し、自分達で真犯人を探し出そうとドタバタの
捜査を開始することになる。

何といってもキャラクターが濃い。
マローンは所謂天才肌のヒーローでは無く、身なりにも構わず一見風采も上がらない頼りない雰囲
気を漂わせながら、実は弁護士としては超優秀、そして事件の捜査にあたっても鋭い観察眼を持って
いるという意外性のあるオジサンです。
中でもヘレンが魅力的。
青いサテンのパジャマの上に毛皮のコートを羽織っての初登場から この姿のまま事件を追い始める。
これだけでも印象深い富豪の令嬢で美女でありながら、メチャメチャお酒は飲むし、その上飲んだま
ま凍結した道路を猛烈なスピードで車をぶっ飛ばすは・・・

好奇心旺盛でかっとんだヘレンに心を奪われ始めたジェイクと共に推理も行ったり来たりしながら
走り回る。 又マローンもこれぞと言う時に名探偵ばりの鋭い推理で事件を解決していく。
犯人は一体誰か? 何故すべての時計が3時で止まっていたのか?
本格推理としては仕掛け、謎解きがやや物足りない気もするけれど、この作品の魅力は何と言っても
3人のキャラクター。
ヘレンの登場時の様子、その後しっかりドレスアップした時の様子、古き良き時代のハリウッド映画の
ヒロイン登場の様な”華”があってはっきりイメージ出来るのですよ。
外見、服装描写からグレース・ケリーを思い浮かべました。

所が、この3人ときたら もう飲みまくりです。 しょっちゅう浴びるように飲んでます。読んでいる
だけで悪酔いしそうな・・・(笑)
そして随所にちりばめられた3人の掛け合い、やり取り、セリフがオシャレで楽しませてくれますね。

あまり頭を悩ます事も無く まったり楽しむミステリーとして”マローンシリーズ”を再び読み直して
みようかな?と思わせる作品です。

尚、”マロリーシリーズ”として この後に、
「死体は散歩する」
「大はずれ殺人事件」
「大あたり殺人事件」
「暴徒裁判」
「こびと殺人事件」
「素晴らしき犯罪」
「幸運な死体」
「第四の郵便配達夫」
「わが王国は霊柩車」
「マローン御難」
等がありますが、古い作品なので手に入りにくいかも知れません。







『SHERLOCK S1E0』 "A Study in Pink” Pilot版 回想 (1) 

2017-09-23 | SHERLOCK S1E0 : A Study in Pinki (Pilot)
『SHERLOCK』S1E0 : ”A Study in Pink”『ピンク色の研究』Unaired Pilot :(1)


“Sherlock” S4をDVDが届いて以来約半年以上 殆ど毎日の様に観続け、その上内容がアレで
したからかなり心が荒んだし、疲弊してしまいましたのです。
暫らくの間S4から離れ、そして「シャーロック」自体からも距離を置いて頭を冷やしていました。
S4の衝撃から逃れるためにはやはりのめり込んだ最初の作品に回帰せねばと思ったのですが、
どうせならやはり原点である ”パイロット版”迄遡ってみようかと思いました。

既に皆様ご存知の事で今更何言ってるんだッ!って言われるかもしれませんが、そこを何とか
お付き合い頂き一緒に懐かしんで頂ければ嬉しいんですけど・・・

2009年にパイロット版として制作された”A Study in Pink”「ピンク色の研究」は当時60分の
形で制作されこれを見たBBCが大変気に入り、尺を伸ばし90分のミニシリーズとして3本制作する
事で新たに撮影され2011年の放送開始となった経緯がありました。
言わずもがなですが、正典”A Study in Scarlet”「緋色の研究」をモチーフにした作品です。
「緋色の研究」は1887年発行されたアーサー・コナン・ドイルによるシャーロック・ホームズ
作品の第一作。 ホームズとワトソンの出会いの作品です。

このパイロット版はS1のE0と解釈されていますが、放送はされていなかった為 本作のS1E1の
後観る機会があった方が多いと思います。
ワタクシは、S1を観た直後何気なく観ていた某YouXXXで見つけてしまいましたので、今から6年
近く前になるかと思います。 その後DVDの特典として入っていたので改めてじっくり観なおす
事が出来たと言う経緯でしたっけ。
今回懐古しようと本当に久々にDVDを見直したのは4年振り位でしょうか。 じっくり観直してい
て もう懐かしくて涙がでました(もう殆ど泣きながら観てました←アホ!)だって、S4を観た
後ですもん。 それはそれはもう懐かしさが違いますわ。
最初にパイロット版を見た時点でも、わ~2人とも若いわって感じた位ですから、今回E4を観た
後は 猶更若さをひしひしと感じます。7年前?こんなに変わっちゃうもんでしょうかねぇ(号泣)

パイロット版を観ると、正式版(紛らわしいので、パイロット版を”E0”, 放送された正式版を
”E1”とさせていただきますね。)は、勿論尺が伸びた分追加シーンも多く、一番の違いはE0には
マイクロフトが登場していない。 又モリアーティーの影も見えていません。
其の為、E1と異なる部分、それからシリアルキラーとの対決場所等が大きな違いで 後はセット、
内装が随分違っていますね。 E0は221Bが何となくピンクっぽかったり 安っぽい(暴言)感じも
あったり、その他一番はシャーロックのワードローブ! コートは既にシャーロックの代名詞にも
なったベルスタッフのコート 着てますが、スーツはスペンサーハートの高級スーツではなく しか
も何とブラックジーンズ! エレガントじゃないし スタイリッシュでもないんですわ。
ヘアースタイルもE1ほどクルクルになっていないし、カラーも少し明るめ。

2014年に一度パイロット版に触れていたのですが その時はヴィジュアル面を視点に書きました
(但し、当時 ブログ初心者でしたので非常にお粗末です)
↓ その時の記事です。 良かったら覗いてみて下さいませ。
Sherlock Review (2) Pilot 版考察

再びダブル点が多いかと思いますが、今回はもう少し細かくセリフの面等も含め、又正典との関連等
含めて書き直してみます。


冒頭タイトル場面、暗いし凄~く地味です。




ジョンが悪夢を見て起きるシーン。 戦争のフラッシュバックも無く、又部屋の中もより殺風景。



引き出しにラップトップとその下に銃があるのは本編と同じ。 但し、ステッキが木製でお年寄りが
持つような杖、本編では金属製で持ちやすそうな杖に変えてありました。 


エラとのセラピーシーン、セリフもそのままだけど、エラさんのお部屋がやはり安っぽくて狭い。
だから2人の距離が近すぎで・・・。 で,ここでの2人の会話もそのままE1へ。

事件現場でのレストレードとアンダーソン。

アンダーソンがヒゲずらで悪人顔に見えるとの事で、E1ではヒゲ無になってました。 が、S3で再
びヒゲ面になったのは何故だろう?
過去の被害者のシーンも無く、いきなり事件現場。 そして、E0では被害者の数が1人多いのです。
アンダーソンが携帯で電話するレストレードの向かって。
”You’re not phoning him are you ? Because we can handel this. We can absolutely handle it”
「彼に電話してるんじゃないですよね? 我々で対処出来ます。完全に対処できますから」と抗議を
しているにも係らず、レストレードは、
”You've got work to do. “”This is Inspector Lestrade. Please call me as soon as you get this.
I think we're going to need you“”
「君は自分の仕事をしろ。 ”レストレード警部だ。これを聞いたらすぐに電話をくれ。君が必要に
なりそうだ”」と留守電にメッセージを残しています。。
E1の様に記者会見も無く、自分から助けを求めているレストレード。 ”Inspector Lestrade”なん
てしっかり役職を名乗ってるし・・・ そして、mobileがガラケーだ!
 ところで、ず~っと気になっていながら其のままになっていたのですが、”Lestrade”のカタカナ
表示。 どう聞いても”レストラード”なんですけどねぇ。 正典訳の時点で”レストレード”になって
いたから、そのまま踏襲しているのかしら?とも思うのですが。 そんな訳でずっと”レストレード”
表記を続けています、気になりながら・・・・)


ジョンとスタンフォードが会う設定も同じだけど、E0では正典通り”Criterion”(クライテリオン)」ら
しき場所でお食事。 E1では公園でお茶を飲むだけ。 但し、ジョンが持っている紙コップにしっか
りCriterionのロゴが・・・ジョンがそれとなくロゴが見える様にコップを持っていたのでチョット笑えた。
スタンフォードがジョンにフラットをシェアーすれば、と提案した際、ジョンが「誰が僕なんかと・・・」
にスタンフォードが、「それを言ったのは君が 2人目だよ」、にジョンが”Who was the first ?”
「1人目は誰なんだい?」( この時の会話も殆んどが正典からの引用です)
そして、この時の2人の会話もそのままE1へ。

”Who was the first ?” を受けて、バーツでのシャーロック初登場のシーン。
遺体を入れた袋を逆さまに覗くシーンもそのままE1へ。

なんかちょっとエイリアンっぽかったので(暴言)、回転してみました(遊んでる)。う~ん、割と普通。
で、遂に振り返って、ジャ~ン!シャーロック初お目見え。


このシーンで遺体をムチ打つ場面はE1の様なアップテンポなBGMも無く、盛り上がりに欠ける。

 遺体をムチ打つ・・・も正典からの引用)
モリーの口紅に触れる台詞、モリーがコーヒーに誘う台詞もそのままE1へ。

数年前、一時話題に登った、シャーロックの、”Black, two sugars please・・・・”も同じ。



色々思い出してダラダラ長くなりそうな悪い予感が・・・・


兎に角

・・・・・・to be continued です。


→ 『SHERLOCK S1E0』 "A Study in Pink” Pilot版 回想 (2) 


                                                     

『ヤング・ポープ 美しき異端児』 S1: E1~E5 (2)

2017-09-19 | 海外ドラマ
”The Young Pope”  Pope Pius XIII  S1


制作 : HBO,Canal +、Sky 
初放送 : Oct..2016
S1 全10話


・・・・・(2)

今回は取りあえずS1の前半E5迄の概要、感想等を少しだけ書き置きます。
少しばかりネタバレしているかもしれませんがご了承下さいマセ。


若くしてアメリカ人として初のローマ教皇となったレニー・ベラルド。
彼は幼い時ヒッピーの親に捨てられ 10歳から保護施設でシスター・メアリーが母親代わりとなっ
て育てられる。
父親代わりともいえるスペンサーの影響でクリスチャンとして成長し、若くして初のアメリカ人教皇
の座に上り詰める。


冒頭のシーンでピウス13世となってバルコニーで初の演説をするレニー。雨が降る中、サン ピ
エトロ広場を埋め尽くす数の信徒を前に、神を冒涜する様な罰当たりで破廉恥な演説をする。
一瞬にして水を打った様に静まる信徒。卒倒する枢機卿。
しかしその時空が一気に晴れ渡り太陽の日差しが。神の御業か・・・・
これは結局彼の夢であったのだが、この事が彼の心の奥底にある願望、或は一種の不安の表
れの様なものなのかもしれないと感じさせる。


型に嵌らず思い通りに行動するレニーは、用意された朝食には手を付けずチェリー味のコークが
欲しいと駄々をこねたり、前教皇が決めた禁煙の掟を破りスパスパタバコは吸うわ(くわえタバコ
の教皇ってのもある意味新鮮?)で、周囲を困惑させる。

コンクラーベを操作してレニーを教皇に当選させた枢機卿達は 彼を傀儡として操るつもりであっ
たにもかかわらず、破天荒な新教皇に振り回される。


最高権力者となったレニーは、自分を育ててくれたシスター・メアリーを呼び寄せ周囲の反対を押
し切って自分の片腕として自分の特別補佐官に就任させ、この事が又問題を起こす事になる。
自分の容姿が優れている事を十分知りながら、マスコミ、信者には決して姿を見せないと言い切り、
教皇グッズで収入大を目論む広報にも写真すら取らせないと言うミステリアスさを貫く。
(これも何か思惑があるのか・・・・) しかし、こんな美形の教皇ならグッズも凄い売れ行きに
なるだろうに・・・(笑)
自分は凄くハンサムだし、セクシーだ と公然と言ってのける傲慢さもあるけど、そう言われても
はい、仰せの通りででござります。と平伏したくなりますもん。

親代わりのシスターに対するレニーの気持ちは特別ではあるが、それでもある時から自分をレニー
と呼ばせず”聖下=His (Your)Holiness←教皇に対する呼称”と呼ぶようにキッチリけじめをつけ
たりするようになる。
自分を捨てたヒッピーの両親に対する想い(特に母親)は常にレニーの心の中にあり、二人の影を
追っている様で、シスター・メアリーもレニーにとっては母親代わり、そしてもしかしたら初恋の
人とも言える存在なんだろうと思われますね。
このシスター・メアリーもユニークでタバコは吸うは、気分転換にバスケットボールのシュートの練
習はするは、シスターの修道服を着ていないときは普通のオバサン。

胸に大きく"I'm A Virgin But This Is An Old Shirt." なんて書かれたトレーナー(Tシャツ?)を着
てるのにはかなり笑えます。

レニーに左遷されそうになった国務大臣のヴォイエッロ枢機卿はレニーの過去から汚点、後ろ暗
い事件等を調査し洗い出すように指示するが なかなか弱点が見つからない。


引き延ばした枢機卿達へのスピーチ時、超豪華な法衣、宝冠は眼を見張るばかり。
荘厳な雰囲気で威厳が出ています。

そしてその時のスピーチでレニーは、自分の考えを通しこれまでの規律を原点回帰する様に、同
性愛禁止、離婚や妊娠中絶禁止は認めない 又他宗教も認めないと言ったの様に次々改革して
いく。
教皇に反対していた枢機卿達も心ならずも彼にを屈服し靴にキスを、これに躊躇していたヴォイ
エッロの頭をもう片方の足で押さえつけて無理やりキスをさせる。 これでもうレニーの立場は定
まった感じ。

自分達の思惑と違い暴走していくレニーの失脚を狙い 彼のスキャンダルや過去の過ちを探り出
そうとするヴォイエッロ。
そしてレニーの失脚後の教皇の座には自分がつくべきだというスペンサー。
同時に不倫をしていた警護官の妻エスターを利用してレニーを誘惑させようとし、その証拠写真
を撮ろうとししたハニートラップにも引っ掛からなかった教皇に対する国務大臣の思惑も変化して
くる。

不妊で悩んでいたエスターが妊娠し、出産した時には自ら病院に花を持って訪ねるし、その後も
度々子供を見に訪れる教皇に夫婦は戸惑い気味。 だけど、家族を知らないレニーにとっては 
この赤ちゃんは特別な様でピウスと名づけたり、オムツを替えたりする姿は微笑ましいと同時に 
何故か切なくなる。
レニーの心の奥には常に家庭や親に対する憧れがあるんですね。


グティエレス司教を信頼して代理でアメリカに送ろうとするも、司教は自分がゲイであり、アル中で
ある事を告白して辞退しようとするのですが、そんな事は知っているというレニー。
(このグティエレスが何となく可愛いんです。 いや、外見では無く・・・)
レニーはグティエレスだけでは無く、他の枢機卿達の秘密、プライベートも色々知っている様子。 
この点も不思議な所。 シスター・メアリーに調査させているのか、或は他の誰かを信用して、調査し
ているのか、或は聖人では無く悪魔だとさえ言われる様に 何か特別な能力を持っているのか。

この辺りまで観ていても未だレニーの本心が良く分からない。
心底神を信ずる敬虔な教皇なのか、自分自身の中の神を信じられないのか、或は自分が心から
神を信じているのか迷いを持っているのか・・・。
教皇の地位に執着する様でも無く、でも自分の思い通りに教会を変えて行こうとする”自分が神
なのだ”と言う思いもある様にも感じられる。


一方世界で一番の権力者であると自認しては居るものの、孤独なレニーは夜屋上で司祭に気持
ちを打ち明けたり、宮殿を抜け出し親友と夜の町に繰り出して飲み明かしたり、と心の葛藤も感じ
させられる。
(プライベートな時間にはフード付きのジャージ(?)で。 但しこのジャージも上下 ”白”)

ベールに包まれたバチカンの中の出来事ではあるが 政治の世界をも彷彿とさせる派閥争い、
スパイ、裏切りなども描かれ、又聖職者の少年に対する性的思考問題等にも切り込んでいく、
宗教界に対する皮肉や諷刺も感じられる展開には目が離せない。。 



とは言え、途中枢機卿達の私生活、レニーの子供時代のエピソード等視点が広がりすぎて散漫
になっている様な点もあり、実際少し中だるみの感もあり・・・・

取りあえずS1のE1からE5迄観た感想ですが、このドラマはカトリック教徒、キリスト教信者と特別
信仰心の無い者とは視点、受け止め方が違うのかとも感じたのですが(私自身キリスト教系学校に
通っていたにも関わらず信者ではないので←小声で) 、イタリアでも放送後大変な視聴率で人気
があったという事だし、何よりもバチカンからクレイムも横やりも入っていないとの事で少し意外
な気もしたものです。

先にも書きましたが、兎に角超豪華な教皇の聖衣のお召替えが何度もあり、これだけでも目の保養
になります。

後半E6~E10に関しては、書けるかどうか分かりませんが 取りあえず意外な結果となっている
とだけ言っておきましょう(勿体ぶってる)

そして、現在既にS2制作の予定が発表されている様です。
だがしかし・・・
どうなんだろう、E10の終わり方から考えてみると 続けるとしても難しい様な気もするし もろ手
を挙げて賛成!という気にはなれないし S1で終わらせた方がすっきりするんじゃないかというの
が正直な気持ちですわ。



← 『ヤング・ポープ 美しき異端児』 S1: E1~E5 (1)


『ヤング・ポープ 美しき異端児』 S1: E1~E5 (1)

2017-09-15 | 海外ドラマ
”The Young Pope”  Pope Pius XIII : S1

制作 : HBO,Canal +、Sky 
初放送 : Oct.2016
S1 全10話

演出:パオロ・ソレンティーノ
主な出演 :
レニー・ベラルド(教皇 ピウス13世)= ジュード・ロウ 
シスター・メアリー = ダイアン・キートン
ヴォイエッロ枢機卿 = シルヴィオ・オルランド
グティエレス枢機卿 = ハビエル・カマラ    
その他の登場人物としては、
レニーの父親代わりスペンサー枢機卿
レニーと共に孤児院で育った親友 デュソリオ枢機卿   等

このドラマは以前から気になっていまして観たいと思っていた所 やっとHuluで配信始まりました。
ジュード・ロウがTVドラマ初主演となり(TVドラマ初主演と聞いて意外な感じを受けたんですけど 
思えばこれまでは映画ばかりでドラマの主演は無かったんですね) アメリカ人として初の教皇と
なったレニー(ピウス13世→もちろん架空の教皇です)のドラマです。

何といっても、”あの”ジュード・ロウが法衣を着ているだけで眼福モノですし、白い法衣を着る 姿
は誠に麗しく似合っているんですね。
毎回オープニングのキャストクレジット画面、ゆったり歩く教皇が画面に顔を向けウィンクをして微
笑む。 これだけでグッとくるようなチャーミングさ。 掴みはバッチリって感じです。
この作品はジュードの美しさを際立たせ、彼の為の作品であるとさえ言えるかもしれませんね。


こちらが噂の”ウィンク”が見られるOpening シーンです

https://youtu.be/2btMNaFmYZk

いや、外見ばかりを称賛してはいけません。 この作品の評価が高いのは彼の演技力によるも
のだとも言われています。
そして、ジュード・ロウと言えば・・・
この数年ずっと髪の毛が心配でいっそのこと剃っちゃえば良いのに(暴言&無責任)等と話し合ってい
たのですが(いや、剃ってしまえばそれはそれで又カッコ良いんじゃないかと思うんですがね)、この
作品を見た途端ビックリ! 何と前髪が増えてる! アレですか?

いや~、何だかんだと言ってもこの美しさですもん。どうだって良いじゃん・・・になりますよ。

そして、お久しぶりのダイアン・キートン。 71歳だそうですよ。 良い味だしてます。


映像や衣装、セットも兎に角素晴らしく美しく豪華。
ベールに包まれるヴァチカン宮殿内で繰り広げられる教皇、枢機卿達の行動、権力争い、陰謀、入り
乱れる策謀等が生々しく描かれていてその点も興味深いです。

全10エピソードは、
E1 教皇誕生
E2 運命のバルコニー
E3 コンクラーベの真実
E4 マリアの誘惑
E5 バチカン革命
E6 悪魔との対話
E7 情事の代償
E8 灼熱の祈り
E9 別れの時
E10 神のもとへ
(※ 原版に各エピソードタイトルは無く日本だけのもので、Hulu配信時のタイトルです)
タイトル名を見るだけで何となくストーリーが想像出来てしまいます。

ところで この作品で気付いたのですが、”Pope” の日本語表記。
レニーの称号を字幕では”教皇”としているのですが、これまでは一般的には”法王”と称されて 
いた筈なのに・・・と思いチョット確認してみました。

カトリック中央審議会のページで説明されています。

「ローマ法王」と「ローマ教皇」どちらが正しい?

又、このドラマは英語、イタリア語、ラテン語が飛び交います。
ジュードはアメリカ人の役なので、アメリカンアクセントで話していますが、あまり大袈裟な訛り
でなく殆ど気になりませんね。 それとイタリア語もとてもスムーズで違和感ないです(って、
イタリア語良く分かりませんが・・・)。
そんな点からも 字幕版で観たい作品だと思います。

少し脇へそれますが、この作品の中で何度か映し出される絵画 ”The Beard Woman”が不思議な
雰囲気で記憶に残ってしまいます。

この絵画は7世紀ナポリはの巨匠フセペ・デ・リベーラによる『毛の生えた女』と題される作品で、
37歳から髭が生え始めたという実在したナポリの女性 マリア・ベントゥーラの52歳頃のの肖像画で、
傍らには寄り添う夫、その腕に末子を抱き授乳している。
不思議な雰囲気で戸惑いを感じる一方強く惹かれる作品です。

先ず、取りあえず感じた事をあれこれ書き出しましたが、次に内容概略を少し書こうと思います。

その前に、予告編をご紹介しておきます。

Official trailerはこちらです

https://youtu.be/6we2blItR4s



→ 『ヤング・ポープ 美しき異端児』 S1: E1~E5 (2)







Benedict misc. (38) : TIFF 2017 その他色々

2017-09-11 | Benedict Cumberbatch関連
久し振りに大量の情報が続いて色々なので それぞれ少しずつ。

 先ず、TIFF 2017 :
前回ご紹介した “The Current War” のプレミアも兼ねてトロント入りしたベネディクト関連
取りあえず画像ベタ貼りです。




(source : garuda-dreams-of-rain)
 
↓ インタビュー時画像色々。なんか久々に可愛いんですけど(”久々”って・・・)



(via @poyome)

↓ アダムさんのツイッターから。 もうこれはあざとい!(暴言)



 BBC ドラマ ”The Child in Time” のtrailerが発表されました。

このドラマの原作は Ian McEwan(イアン・マキューアン)の ”The Child in Time”(翻訳本タイトルは
「『時間の中の子供』)で、内容等は以前もご紹介しましたので 詳細は省きますが下記をご参照頂ければ
幸いです。

Benedict misc. (36) : "The Child in Time" 撮影開始




何処かで見た様な水族館再び







こんな可愛いシーンもあるけど(ベネディクトがお父さんしてるな~って)その後の展開、内容が内容だけ
に、余計に胸が締め付けられるような感じがして観ていて辛くなるかも・・・・・。

原作本は結局未だ読めていないのです(汗)、ただ、このドラマが原作通りなのか どの様な脚本になって
いるのかはよく分かっていません。

UK放送は早ければ9月、遅くともこの秋と言われていますが、日本じゃ観られないんでしょうねぇ。何時か
放送してくれるかしら? DVDは?

Trailerはこちらから、

https://youtu.be/vWjzya2Zvvg


全く余談ですが、ベネディクトの今回の役名は Stephen Lewis(スティーブン・ルイス)、で、フト気づいたら
これまでもStephenあったな~、
Stephen Howking (ホーキング博士) : 『HOWKING』
Stephen Strange(スティーブン・ストレンジ) : 『Doctor Strange』
それと、これは全く忘れていたんですが、
Stephen Ezard (スティーブン・エザード) : 『The Last Enemy』
何故か”Stephen”にご縁がある様で。
なんかどうでも良い事でしたけど(汗)


 ついでながら、
先日又もやベネディクト新作予定が発表されました。
『Gypsy Boy』
原作はイギリスの作家でLGBT活動家マイキー・ウォルシュが2010年に発表した『Gypsy Boy』とその続編 
『Gypsy Boy : On The Run』 自身の少年時代を描いたベストセラー回顧録。
何世代にも亘り周囲から孤立した生活を送るジプシー(Romanian Gypsy)に生まれた その中で生活して
いたマイキーが そのジプシーの中で生活し続けるか外の世界へ出ていくか苦悩するストーリーの様です。
ベネディクトは主人公マイキーの父フランク・ウォルシュを演じる予定だそうです。
撮影開始は2018年夏との事なので、公開は2019年になるんでしょうか?
これも日本公開がどうなるか???


なんか久し振りに色々話題がてんこ盛りで出てきました。 何年振りかしら・・・
それにしても出演予定が次々増えて来て頭がゴチャゴチャになって来ましたよ(泣)
近い内に整理して纏まますね。








"The Current War" first trailer & その他

2017-09-08 | 映画
"The Current War" & "The Man Who Invented Christmas"

 ベネディクト主演の ”The Current War” 初のofficial trailerが公開になりました。

ヘアースタイルのせいか若く見えるんですけど・・・

Official trailerはこちらです

https://youtu.be/2FTxKFsWz60?t=25


この作品は、1880年代後半を舞台に直流電流を支持するトーマス・エジソンと交流電流を支持す
るジョージ・ウェスティングハウスによる電力供給システムを巡る「電流戦争」に係る2人のライバ
ル関係を描いた作品です。
そう言えば、大昔歴史で?社会科で?(あ、今は社会科って言わないんですね)勉強しましたっけね。

監督 : アルフォンソ・ゴメス=レホン
出演 :
トーマス・エジソン : ベネディクト・カンバーバッチ
ジョージ・ウェスティングハウス : マイケル・シャノン
二コラ・テスラ : ニコラス・ホルト
キャサリン・ウォーターストン : マルグリート・アースキン
サミュエル・インスル : トム・ホランド
メアリー・スティルウェル : タペンス・ミドルトン

尚、スパイダーマンで人気急上昇中のトム・ホランド君はエジソンの優秀な秘書であったサミュエ
ル・インスルを演じています。

余談ですが、ホランド君は 以前ベネディクトが出演予定されていて後降板しチャーリー・ハナム
に交代した”The Lost City of Z”にも出演してますし 勿論スパイダー・マンとして、”Avengers :
The Infinity War”、2019年予定のAvengers 作品(タイトル未定)にも出演している様です。 今や
売れっ子スターになりましたねぇ。

”The Current War”は米国公開が2017年12月22日予定とされていたのですが、後日公開日が前倒し
になり2017年11月24日と変更されたようです。 これは、2018年第90回アカデミー賞を始めとした
他賞レースを念頭に置いた変更と言われている様です。
で、日本公開は今のところ2018年とだけしか分かっていません。

 もう1作気になる作品があります。

”The Man Who Invented Christmas” 「クリスマスを創作した男」→直訳


この作品は「 クリスマス・キャロル」の著者チャールズ・ディッケンズの伝記的なコメディータッチの
作品で 「クリスマス・キャロル」の有名な登場人物スクルージその他のキャラクターを生み出す経緯
を描いている作品です。 ダン・スティーブンスがディッケンズを演じています!!
”文豪の伝記”という固いイメージではなく コメディータッチでもありファミリー映画でもある様な
の楽しそうな作品になっている様です。



監督 : バハラット・ナルルージ
出演 :
チャールズ・ディッケンズ : ダン・スティーブンス
エベネーザ・スクルージ : クリストファー・プラマー
ジョン・ディッケンズ : ジョナサン・プライス


この原作も子供の頃読んだし、その後何度も映画化されたと記憶しています。
”Dr.Who”のクリスマス・スペシャルにもモチーフとして使われていました。
クリストファー・プラマ―は随分お久し振りですし、ダン・スティーブンスのちょっとコミカルな作品
も是非観てみたし 凄く楽しみ!

trailerはこちらから

https://youtu.be/c5T4ExirAW4?t=45


公開は、2017年11月22日(USA)
日本公開は未定の様です。








”Game of Thrones” S7 : 追加情報少し

2017-09-04 |  ∟ゲーム・オブ・スローンズ
『ゲーム・オブ・スローンズ』 第7章「氷と炎の歌」



以前少しだけ触れたのですが、GoT S7は既にSTARチャンネルで放送開始されています。
そして、9月2日からは日本語吹き替え版が放送される様になりました。
って言ってもSTARチャンネル契約していないので涙を呑んでいます。

では、Huluの配信開始は何時になるのだろう・・・・

過去の例から考えると、S6がスターチャンネルで放送開始になったのが2016年4月25日、そして
Huluで配信開始になったのが2016年10月25日。
つまり、スターチャンネル放送からHulu配信まで6カ月掛かった事になりますね。
であると、今回のS7のHulu配信も来年2018年1月頃になるのでは?と言う見方がある様です。
何だかな~、お預けを食らって指を咥えて待つばかり(泣)



と、いじけていた所、思わぬ朗報が!
Amazon プライムビデオで配信開始となっていますよ!
ただし、見放題ではなくレンタルHD。 (一話100円という良心的な設定になっています)
Huluを待ちきれない場合はこちらで・・・って事ですね。
追記訂正です。
dicoさんからご指摘頂きましたが、プライム料金100円は一話のみで、二話以降は300円に
なっています。不十分な情報で申し訳ありません。dicoさん、ありがとうでした。
 
もう既に視聴なさった方も多いとは思いますが、
私を含め視聴待機組用に 一応S7のエピソードを :

E1 ”Dragonstone”「ドラゴンストーン」
E2 ”Stormborn” 「嵐の申し子」
E3 ”The Queen's Justice” 「女王の正義」
E4 ”The Spoils of War” 「戦利品」
E5 “Eastwatch” 「東の物見城」
E6 “Beyond the Wall” 「”壁”の向こう」
E7 “The Dragon and the Wolf” 「ドラゴンと狼」
となっています。

↓ スターク家再会

(source : Entertainment Weekly)

↓ ドラゴン


↓ ドラゴン母デナーリス


↓ ジョン・スノー&デナーリス


↓ Official trailer #1 
https://youtu.be/giYeaKsXnsI?t=10

↓ Official trailer #2
https://youtu.be/rCxLj5hBnFw?t=24

シネマトゥデイによると、
S7は1エピソードにつき平均視聴者数が3,080万人 と前シーズンより800万人増え、HBO史上
最高聴者数となったとの事。
又、既にS8も予定されており、撮影は今年の10月頃になると言われています。
S7の尺は大体一時間前後となっている様ですが、S8はそれぞれ80分超になる可能性もあるとか。
同時に、完成版となると言われているS8 を前に 現在スピンオフの撮影も行われているようです。

色々気になって早く観たい気持ちのあまり ネタバレ全然OKなのであちこち覗いてしまいます。

ジョン・スノウの出生の秘密が明らかになる点、ジョンとドラゴン母(デナーリス)とがどの様に係
わって来るのか、サーセイとジェイミーがあ~なって?、こ~なって?・・・、そして個人的には
ティリオンがどうなるの? etc. etc. 色々気になります。

trailerを観ながら色々妄想を巡らしながら大人しく待ちましょうか、それとも待ちきれずAmazonで
観ようか??? 未だ迷ってる・・・・。