The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

グラナダ版「青い紅玉」: (3)

2015-09-30 |  ∟グラナダ版SH
― グラナダ版「青い紅玉」: The Blue Carbuncle (3) ―

1984年制作

続きです。




ホームズとワトソンがまんまとガチョウの仕入先を入手して仲買人の店を立ち去ろうとし
た時 1人の男が同じ場所を訪れ 「私のガチョウが紛れ込んでいた」とガチョウを探し
にやってきました。





それを見たホームズは 「手間が省けた」と男の跡をつけ 逃げる男を捕まえると221B
に連れ戻り事情を聴くことになりました。





ホームズは男がコスモポリタンホテルの事務長であるジェームズ・ライダーだと見抜き
「頭が灰色の特定のガチョウを探しているんだな?」と問い詰めました。


↑ 221Bのお部屋もクリスマスヴァージョンになっています。

JR : どこにありますか?
SH :  ここに来たがもういない。 死んでから卵を産んだ。 それも世にも美しく
    光輝く小さな青い卵だ。
    ここにある。
と言い、ランプから宝石を取り出しました。


(ホームズが自分の博物館に保管すると言っていたのは ココだったんですか)。



「もう幕引きだ ライダー」と言われ気絶しそうになるライダー。
彼によれば、小間使いにそそのかされ(そう言えば最初のシーンで2人がイチャイチャし
てましたっけ)宝石を盗み、ホーナーの前科を知り2人で共謀罠に掛けたのだと言います。



宝石を盗んだ後、自分の部屋も捜査されるだろうと予測したライダーは 考えをまと
める為宝石を手に外出し姉の家を尋ねたのだと言います。
この姉がガチョウを仲買人に卸したオークショット夫人なのです。

卸す為の沢山のガチョウが居る場所で一服しようとしたライダーは 姉が自分にも一羽
分けてくれ筈だと思い その中の肥えて頭が灰色のガチョウを選び宝石を飲み込ませ隠
したのでした。



その後、姉からガチョウを貰い受け家に戻り腹を裂いたが宝石が見つからない。
鳥を間違えたのだと気付き慌てて姉の家に戻るも全てのガチョウは既に仲買人に売った
後でした。
実は頭が灰色のガチョウは2羽居たのです。
慌てて仲買人の所に行った時には既に他に売られてしまい 売り先は教えて貰えなかった
とライダー。
そんな時にホームズたちに見つかってしまったのですね。



クドクド泣き言を言いながら許しを乞うライダーの話をホームズは険しい顔で聞いて
います。
「どうかお許しを!」に珍しく声を荒らげて「何も言わず出ていけ!」と厳しい表情で
言うホームズ。





中途半端な所ですが 予想外にジェレミー・ホームズの画像が多くなってしまい(汗)
長くなりそうなので 残りと最後の感想等次の回に回します。



・・・・・to be continued



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→ グラナダ版「青い紅玉」 : 最終回と感想等

『グラナダ版シャーロック・ホームズ』 : Index





グラナダ版「青い紅玉」 : (2)

2015-09-25 |  ∟グラナダ版SH
― グラナダ版「青い紅玉」 :The Blue Carbuncle  (2) ―

1984年制作

続きです。





ホームズとワトソンがガチョウの持ち主に関して推理を続けていた所に ピーター
ソンが大慌てで駆け込んできます。
ガチョウを調理しようとしたら胃の中から宝石が出て来たと焦り狂っています。
これが盗難にあった宝石「青い紅玉”カーバンクル”」であると聞かされます。
「この宝石は珍品で値の付けようが無い、賞金の1000ポンドはその価値の20分の1
にも満たない」とホームズから聞かされたピーターソンは失神しそうになります。



そして「ベーカー氏を探さなくては」と言い、ベーカー氏宛てのメッセージを主要
な夕刊の全てに広告に出す様に指示しました。
「宝石は?」と聞くピーターソンにホームズは「私が預かる。 私の博物館に」
と言い 一方、ベーカー氏に返すためのガチョウを一羽用意する様に言いつけ
ました。



そんな中、刑務所に入れられたホーナーはブラッドストリート警部に宝石をどこに
隠したのか問い詰められていますが 身に覚えがないと言い募っています。
(今回はレストレードでもグレッグソンでもなく あまり登場した事がないブラッド
ストリート警部です)




一方221Bでは、ホームズがこの宝石に纏わる話を続けています。
SH : 古い宝石となると血生臭い事件の結晶だ。
JW :  これは南シナ海のアモイ川で発見された柘榴石のあらゆる特徴を備えなが
    らただ1つ紅では無く青いので有名になった。 世に出てわずか20年だ」
SH : 「だが既に忌まわしい歴史の主だ」
と話し合っている所に、新聞広告を見たヘンリー・ベーカー氏が訪れます。



ベーカー氏に帽子が氏の持ち主である事を確認した上で、例のガチョウは処分して
しまったが 別のガチョウを用意してある旨をつげます。

そして、前のガチョウは何処で入手したのか是非教えて欲しいと尋ねました。



ベーカー氏によれば、クリスマスにガチョウを貰う為に「ガチョウクラブ」でお金
を積み立てていたので最後の支払いをしてガチョウを受け取る為仕事帰りにアルファ・
インに一杯飲みに立ち寄った。 その後ガチョウを受け取り アルファ・インを出
た所で酔ったならず者に絡まれ店のガラスを割ってしまったので ガチョウと帽子
を残して慌てて逃げ帰ったのだと言う事でした。



話し終わり 代わりのガチョウを持って安心して帰ったベーカー氏を送り出したホー
ムズは彼は宝石には無関係だと判断しました。



夕食の支度の為にハドソンさんがやって来ますが、「熱々の事件を追うんだ」と言い2人
は外出しました。
ハドソンさん「こっちは冷めますよ!」とお怒りです。



アルファ・インを訪れ店主にヘンリー・ベーカーに渡したガチョウの仕入先を尋ねます。
「どこのガチョウだ?」と聞くホームズに 店主はコベントガーデンで仕入れたと言い
ますが さらに仲買人は誰だと尋ねました。
仲買人の名がブリッケンブリッジである事を聞き出したホームズは頼んだビールを
飲むのもそこそこに店を出ます。 ビールを飲もうとしていたワトソンも慌てて後を
追います。

情報を得たホームズは寒くて嫌がるワトソンを急き立てて南に(コベントガーデン)
へ向かいました。



牢獄ではホーナーが面会に来た妻に盗みはしていないと必死で訴えかけています。

雑然とした夜の街を行くホームズとワトソンは仲買人の店を探し出しました。



仲買人に「ここのは良いガチョウだと勧められた。 何処で仕入れたのか?」と
尋ねるホームズに対し 店主は「言う気はない」と頑な態度を取ります。

すると突然に、
SH : 賭けけはなしだ!
JW : What ? 何の賭けだ? (突然の言葉に怪訝な様子です)。
SH : 僕はガチョウの味にはうるさいんでね。 あれが田舎で育った鳥だとこの男  
    と賭けたんだ。
JW : ???


このやり取りを聞いた仲買人は、「賭け?」と乗り出してきました。
「じゃ負けだね。 ガチョウは町育ちだ」と得意そうに言うが 悔しそうに認め様と
しないホームズに対し、「あんたの強情さを直す意味で1ポンド!」。
「乘った!」と受けるホームズに仲買人は証拠の仕入先の帳簿を見せました。



その中にブリクストン通りのオークショット夫人の名を見つけたホームズは仲買人
に掛け金を払いました。
「そのダンナには?」と言われたホームズは渋々ワトソンにも1ポンド払いました。
にんまりするワトソン。





その場を離れた2人ですが、ワトソンが「Well done Holmes ! 良くやった!」
と言いホームズに掛け金を返しました。(良い人だ)

(このシーンを長々書きましたが、この場面はBBC版 The Hounds of the Baskervilles
の中に引用されていますので、比較してみようと思いました)

- Cross Keys Innでフレッチャーから話を聞き出そうとしたシャーロックがやって来た
ジョンに突然に ”Bet's off, John, sorry” 「ジョン、悪いが賭けはなしだ」、”What ?” 
「なんだって?」と戸惑うジョン。
フレッチャーに、 ”Oh, I bet John here 50 quid that you could'nt prove you'd seen the
Hound" 「あぁ、君が魔犬を見たって証明出来ないってジョンと50ポンド掛けたんだ」。

賭け事の好きそうなフレッチャーに対していきなり芝居を打つシャーロック。
それに対して一瞬戸惑いながらすかさず話を合わせフォローするジョン。 良い相棒に
なったなぁと嬉しい場面でした。
この時もシャーロックは渋々掛け金をジョンに払っていました。
(余談ですが、”quid”は ポンドの略式表現だそうです)。




途中ですが 
・・・・・to be continuedです。



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『グラナダ版シャーロック・ホームズ』 : Index


 

グラナダ版「青い紅玉」 : (1)

2015-09-20 |  ∟グラナダ版SH
― グラナダ版 「青い紅玉」 : The Blue Carbuncle(1) ―


1984年制作

何度も言われている様に Christmas Special には”The Blue Carbuncle ”の引用は無さそ
うなのですが、以前「妄想推測」にも触れました様に Setlock中例の看板(ポスター?)
にも用いられていたし、もしや?ほんの少しでも?としつこく考えていまして、時期的に
は少し早いのですが やはりこのエピソードは外す事は出来ないし 思いついた時に・・・
と考えまして書き残して置こうと思います。


↑ エンディングキャスティングクレジットですが シドニーパジェットの挿絵が使わ
  れています。


始めに、タイトルの「青い紅玉」については、その昔に初めて正典を読んだ時から
個人的にも疑問を持っており、青いんですか? 赤いんですか?と不思議に思って
いたので、あらためて少し調べてみました。

(以下wikiからの引用です)
Carbuncleとは丸く研磨された赤い宝石の事、もしくはガーネットを指す。 
ガーネットと呼ばれる宝石の中で青色をしたものは当時発見されていなかった為この
宝石をめぐって様々な説が出されており、ガーネットでは無くスター・サファイアで
あるとする説、ホームズが「40グレーンの炭素の結晶」と説明した事などからブルー・
ダイヤモンドであるとする説、他の青色の鉱物をガーネットと称した、誤認したとする
説、緑色のガーネットの事だとする説、青いガーネットが世界で一つだけ存在していた
のだとする説がある。
タイトルの「青い紅玉」とする日本語訳に対しては、紅玉はルビーを指すので間違いで
あり、青い紅玉と言う色の組み合わせもおかしいと言う指摘があり、近年「青いガー
ネット」と訳されることが多い。
2010年推理文庫から刊行された深町眞理子の翻訳では「青い柘榴石」が採用された。

となっておりました。


~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


さて、これからが本編に入ります。

冒頭のシーンはスタッフロールと共に「青い紅玉」に纏わる過去の忌まわしい事件
が映像によって語られています。

最後にこの宝石を手に入れ現在所持していたモーカー伯爵夫人がクリスマスプレ
ゼントの買い物からホテルに戻る場面から始まります。

↓クリスマスの飾り付けをしたコスモポリタンホテルは華やかな雰囲気です。


自室に戻った伯爵夫人は件の宝石が消えているのを発見し大騒ぎとなります。
そして直前に暖炉の修理をしていた配管工のジョン・ホーナーに疑いが掛けられ
宝石を盗んだ容疑で逮捕されてしまいます。


一方221Bには警備員のピーターソンが一羽のガチョウと帽子を持って訪れます。



未だベッドの中に居たホームズはハドソンさんに叩き起こされ やっと目覚める
やいなや枕もとのタバコを探ります。
(このシーンはタバコ好きのジェレミーのアイデアだそうです。

就寝中のホームズの部屋に入れるのはハドソンさんだけでしょうね。
それにしても、The Sign of Fourの時にも感じたのですが、ホームズのベッド狭すぎ。
身体の巾とほぼ同じサイズと見えます。 当時はあれが普通なんでしょうか?
寝返りをうったら転げ落ちるんじゃないかと・・・妄想)





タバコの火を探すために止む無く起床したホームズは暖炉の上にあったマッチを見つ
けやっと一服。(珍しく前髪下ろしている寝起きのホームズはやけに色っぽいんです。
ネグリジェの様な寝間着も可愛いし、”眼福その1”)


やっとピーターソンに気付いたホームズは経緯を聞くことになります。
(このシーンも珍しいんです。 叩き起こされたにも関わらず 恐縮するピーターソン
に飲み物を振舞う ”気遣いのホームズ”)

それによれば、昨晩飲みに立ち寄ったガチョウを担いだ男が酔っ払いの男たちに絡まれ
勢いで店のガラスを割ってしまい、警官も駆けつけたのでガチョウと帽子を置いて逃げ
去ったのだが、ガチョウだけでも持ち主に返したいと思うものの方法が分からずホーム
ズに相談に訪れたとの事でした。
半分眠った様なままで話を聞いたホームズはガチョウをピーターソンに与え帽子だけを
預かります。

そんな時買い物から帰宅したワトソンから伯爵夫人が宝石探索の為に1000ポンドの賞金
を出すとの情報を知らされます。

(正典ではワトソンは結婚している為、クリスマスの2日後に221Bを訪ねて来た所から
始まっています。)


↑ ワトソンは沢山のプレゼントとヤドリギを持っています。

ワトソンは帽子を調べているホームズに「その帽子から何か分ったかい?」と聞き「持ち
主をどう推理する?」と言われホームズから渡された虫眼鏡で子細に検分してみました
がお手上げでした。



代わりに帽子を調べたホームズは次々と持ち主の特徴を詳細に言い当てます。
そしてガチョウの足についていた札の名前がヘンリー・ベーカー夫人となっていた
事を指摘しました。



詳細な推理を聞いたワトソンは 笑いながら ”My dear Holmes ! ”、”You are
certainly joking、Holmes.” 「おい、ホームズ 冗談だろ」と呆れています。


↑ こんな柔らかな笑顔のホームズも珍しい”、”眼福その2”



・・・・・・・to be continued です



→ グラナダ版「青い紅玉」 : (2)

『グラナダ版シャーロック・ホームズ』 : Index




Sherlock Review (10) : Gallery (6)

2015-09-15 | BBC SHERLOCK
― Sherlock Review (10) : Gallery (6)  ―




随分久し振りのSherlock Galleryになりました。
最近シャーロック切れ、燃料不足のせいか あちこちのtumblrにも回顧画像が
出回っています。 そうですよね~皆同じ気持ちなんですよねぇ。
なので、燃料補給の為 今やホントに懐かしいS1 ”The Blind Banker”のdeleated
scene & production still 画像Gallaryに致しました。
以前載せたものとダブっている物もありますが 久し振りですのでしつこく・・・・
ミュージアムのシーンからです。











↑ deleated sceneのscriptです


↑ 以前も載せたのですが、女性の衣装本編と違いますね


↑ シャーロックがコートを脱いで手に持っている珍しいシーン




↑ ガラスに映るシャーロックとジョンが美しくて好きな画像です
(source :Nixxie's Place)



最近TV ドラマが忙しくてシャーロックDVDを久しく観ていませんでしたが こうして
画像貼っていると懐かしさのあまり涙が出そうになります(バカ)。

2年前の年末にS3放映までのカウントダウンがネット上で連日盛り上がっていまし
たけど 今年も同じ状況になるのでしょうか?
と言うか、私の頭の中では既にカウントダウン始まっています(正確な放映日時
発表されていませんけど、一応クリスマス時期と解釈してますので)。

久し振りにDVD観てみようかしら。






Laurence Fox 色々 : その(3) Gallary

2015-09-13 | Laurence Fox
― Laurence Fox色々 : その(3) Gallery ―


この所ローレンス関連ページを見に来て下さる方の数が急に増えているいるのを
見て関心を持たれる方が増えてきて、ローレンス人気急上昇中を実感します。
嬉しい驚きです。
お言葉に甘え(意味不明) 背中を押して頂き(勝手な思い込みですか?)その気に
なってGallary開催に致します。
(色々新旧取り混ぜになっています)


スモーキング画像(結構好きなんです)









アーティスト活動画像


↑ これ、美しくて個人的に大好きなんです!





↓ prom.用撮影でしょうか・・・





最後は自身のツイッターにアップされた最新作



最新作 ”Eyes on Fire” はツイッターで少しだけ試聴できますが、 「Here's my
thoughts」 って言われちゃ全部聞きたくなります・・・・

取りあえず画像貼り付けのみの手抜き状態です。
次の機会には”ローレンスin ルイス” 関連Gallaryやるつもりです(懲りてない!)。




シャロック・ホームズ 「絹の家」 感想

2015-09-09 | ブックレヴュー&情報
― "The House of Silk" : (2011): Anthony Horowitz ―


シャーロック・ホームズ「絹の家」 アンソニー・ホロヴィッツ著
角川書房 駒月雅子訳

「刑事フォイル」の時に書いたのですが、ホロヴィッツがホームズを書いていた事を知らず、
何という片手落ち! 即入手致しましたです。

”コナン・ドイル財団が初めて公認した、80年振りのホームズ続編” との事でこれを読まずに
何を語れるか!等と力が入ってしまったのですが、事前に書評、レヴューを読む限り賛否は両極端
に分かれていましたが 兎に角読んでみなくては話にならないと思いまして・・・・・

内容詳細はなるべく触れない様にしますが、一部ネタバレになって居るかもしれませんのでその点
お含みおき下さい。

多くの方が 「兎に角暗い」、「陰惨だ」、「楽しくない」等の感想を述べていらっしゃいます。
確かに正典のホームズ作品とは違ったカラーだと思います。
初めに書いてしまいますが、「正典としてのホームズの新作」というよりパスティーシュととらえた
方が良い様な気がしました。

この作品を執筆するにあたってホロヴィッツがコナン・ドイルによるホームズ物語の精神を尊重し
それを作品に息づかせる為 10箇条のルールを自分に課した。 との事で訳者付記にある内容要約を
そのまま引用させて頂きました。


1. 度が過ぎた派手なアクション・シーンはいらない
2. ホームズの恋愛を描いてはならない
3. ホームズとワトソンの関係に同性愛を持ち込んではならない
4. 有名な実在の人物を登場させてはならない。ホームズの依頼人は架空の人物であるべき。
5. 薬物禁止 少なくともホームズが自ら使用するのは不可
6. 調査は徹底的に
7. 19世紀らしい文章表現で
8. 殺人の数は多すぎてはならない
9. ホームズ物語の主な登場人物を積極的に、なるべく意表をつく形でいれる
10 本書の宣伝の為に鹿討帽をかぶったり パイプをくわえたりしている姿を撮影する事は断じてしない

内容概略は :
老いたワトソンが残された時間が少なくなった時 過去に封印されたある事件を書き残して置かなければ
ならないと執筆を決心します。
何故封印されていたかと言うと、この事件はホームズの名声を傷つける恐れがあるからと言う事と、
余りにもおぞましい陰惨な事柄が含まれていると言う事が理由でした。
「シャーロック・ホームズの最後の肖像画としてこれまでとは全く異なる視点で描かれた作品になる筈だ。
そして全部書き終わったらコックス銀行に保管して100年後に開封するように指示するつもりである」と記
しています。

そして「ホームズがダウンズの自宅で倒れて永遠の眠りについて一年」って・・・
ワトソンよりホームズが先に亡くなっていたんですね。 切ないです。
“Mr. Holmes “ では既知の人々が皆先に亡くなり、94歳のホームズが1人残る設定もある意味胸が痛い
のですが、ワトソンが残される設定も寂しいものです。

回想録にある主に二つの事件からなるこの物語の時期は 「瀕死の探偵」事件直後、「最後の挨拶」の
前の頃(1890年)で ワトソンはメアリーと結婚後2年目とされています。
お馴染みのレストレード、ハドソンさん、マイクロフトも登場します。

一見全く異なる事件と思われていた2つの事件(美術商カーステアーズに依頼される事件とHouse of Silk
 ”絹の家”と呼ばれる正体不明の存在)の謎が最後に見事に一つに纏まる点は 散らばっていたパズルが
一つの場所に収まると言う ストーリーテリングとしては見事な展開と感じさせられますが、確かに所謂
心躍る様な探偵活劇とはとても言い難い胸が締め付けられる様な、重苦しい気持ちになる事は間違いない
のです。
それは主にホームズ自身の深い心の闇、悔恨、自責の念、孤独等に重点が置かれているからではないかと
考えられました。

ホームズが扱う事件、探偵業に携わる事によって 如何に心が傷付き、時に平常心を失う状況に陥っても
それを丸ごと飲み込んで平然と行動し、ワトソンと行動を共にしてその存在を頼りに思いながらも結局は
全てを吐き出す事が出来ず1人心の中に仕舞い込む孤独な姿、諦観等がうかがい知れ、そしてそんな状況に
も関わらず情を捨てきれず 個人の判断基準に従って復讐を果たす事になる。
何て書くと益々気持ちが重くなりますが、 それでもワトソンの回想中に挿入される2人のやり取りは思わ
ずニヤっとさせられる部分もあり チョット嬉しいのです。

そしてこの作品には思わぬ形でモリアーティーが登場します。
この作品では対決者としてではなく、むしろホームズに示唆を与える(或はけしかける?)役割であると
感じますが、この作品でもモリアーティーとホームズは 対極にある同じ天才であり 立場が違えばホー
ムズもモリアーティーになっていたかもしれないと。
と言うこれまでも何度も書かれていた点を再認識させられるのです。 その為に2人はいずれ対決しなけれ
ばならない間柄であったからこそ、次のライヘンバッハでの決着が避けられなかったのではないでしょうか。
「最後の事件」でワトソンがモリアーティーの事は知らない と言っていたのですが、この作品でモリアー
ティーから2人の会合に関しては極秘にする様に誓わされているので、この後の話に矛盾無く繋がっています。

そして全体を通して何よりも感じるのは、ワトソンが如何にホームズと過ごした日々を懐かしんでいるか、
ホームズに対する深い友情、愛情(上記項目No.2に抵触する形では無く)を感じているかが
随所に描かれている事に感動すら覚えます。
事件当時メアリーと結婚2年目を迎えているのですが、メアリーからも「あなたは私よりホームズさんの
方が好きなんじゃないか・・・・」とさえ言われています。

この事件に深く傷ついたホームズはベーカーストリート イレギュラーズも解散する事になりました。
そして最後にワトソンにも一言も語らず 1人夜出掛けて行くホームズの姿が哀しいのです。
正典でも何度か気付くのですが、ホームズは結局法に元ずく正義の為に動くのではなく、一歩間違えば
自分が犯罪者ともなりうる 自分の判断基準により裁くという危うさをこの作品でも感じさせられます。

その上、最後の最後には涙腺壊れます。
ワトソンがホームズの引くヴァイオリンの音が聞こえる様な気がする。
自分の為に弾いてくれているんだと思いたい・・・・と。
本当に泣けました。
221Bでの時間は ホームズとワトソンにとって永遠なんでしょうね。

「ミスター・ホームズ」でも泣かされましたが(何度も言っていながら 未だに感想書けません←涙)
この作品でも又泣かされました。
 
今迄のホームズ作品とは一味違う作品で、私の感想は支離滅裂で何を書いているか意味不明と云う
感もありますので、興味がある方はご自身で読んでみて頂きたいと思います。




「刑事フォイル」エピソード・リストと雑感等

2015-09-04 |  ∟刑事フォイル
”FOYLE'S WAR” : エピソード・リストと雑感等



8月30日(日曜日)に遂に「刑事フォイル」がBS放映開始となり、楽しみに待って
いた方が随分多い事を知りました。

私も吹き替え版がどの様になっているのか気になり観てみましたが、コメントにも
触れました様にフォイルの声が違うんだなぁ・・・・って感じでした(マイケル・
キッチン ご本人の声はもう少し深みがあるのですけど)。 でも、取りあえずは何
とか我慢で きる許容範囲かな?(偉そうに)。

初回をご覧になりモグモグさんからも早速”良かった””との感想を聞かせて頂き、 又
他の友人達も同様の意見を聞き、同時にこの作品に関心を持たれた方が予想 以上に多
かった事を知りました。

私の様にひっそり運営している辺境ブログにさえ多くの方がおいで下さり、特に BS
放映直後から今までにない程の閲覧を頂き驚きました。 有難うございます。
「フォイル」の様に凄くクオリティーは高いけど ある意味地味であるドラマにあれ
程 多くの方が関心を持たれて 感動したとのご意見を見ると我が事の様に感激して し
まいました。

AXNミステリーではS9迄放映終了しましたが、ODでは再放映もしています。
で、しつこく又観ていますが、一部不明だったり忘れている点、混乱している点等 あ
りますので(ボケ)頭の整理と今後ご覧になる方の参考になれば、と余計なお世 話で
すが全エピソード書き出してみました。

S1 (2002年制作)
E1 : 「ドイツ人の女」 ”The German Woman”   ジェームズ・マカヴォイ出演
E2 : 「臆病者」 ”The White Feather”
E3 : 「兵役拒否」 ”A Lesson In Murder”  デヴィッド・テナント出演
E4 : 「レーダー基地」 ”Eagle Day”

S2 (2003年制作)
E1 : 「50隻の軍艦」 ”Fifty Ships”
E2 : 「エースパイロット」 ”Among The Few”
E3 : 「作戦演習」 ”War Games"   ローレンス・フォックス出演
E4 : 「隠れ家」 ”The Funk Hole”

S3 (2004年制作)
E1 : 「丘の家」 ”The French Drop”
E2 : 「癒えない傷跡」 ”Enemy Fire”
E3  : 「それぞれの戦場」 ”They Fought in the Fields”
E4 : 「不発弾」 ”War of Nerves”

S4 (2006年制作)
E1 : 「侵略」 ”Invasion”
E2 : 「生物兵器」 ”Bad Blood”

S5 (2007年制作)
E1 : 「クリスマスの足音」 ”Bleak Midwinter”
E2 : 「戦争の犠牲者」 ”Casualties of War”

S6 (2008年制作)
E1 : 「疑惑の地図」 ”Plan of Attack”
E2 : 「壊れた心」 ”Broken Souls” 
E3 : 「警報解除」 ”All Clear”

S7 (2010年制作)
E1 : 「帰れぬ祖国」 ”The Russian House”  マックス・ブラウン出演
E2 : 「差別の構図」 ”Killing Time”
E3 : 「反逆者の沈黙」 ”The Hide”  アンドリュー・スコット出演

E8 (2013年制作)
E1 : 「新たなる戦い」 ”The Eternity Ring”  
E2 : 「エヴリン・グリーン」 ”The Cage”
E3 : 「ひまわり」 ”Sunflower"

S9 (2015年制作)
E1 : 「ハイ キャッスル」 ”High Castle”
E2 : 「エルサレムの悲劇」 ”Trespass”
E3 : 「エリーズのために」 ”Elise”
      
ゲスト出演で書き出したのはあくまでも個人的な趣味、好みのみですが、他にも こんな所
にこんな人が と多くのベテラン俳優、名優がさり気なく出演しています。
ホントに贅沢です。

S8からフォイルはMI-5で働く様になり、これまでとは異なる形で事件の捜査を すると共に、
MI-5内での相容れぬ意見の相違、陰謀、葛藤を抱えながらも別の 形での戦いが続きます。

ファイナルシーズンも感動の内容でしたが、敢えてここでは触れないことにします。
ただ一点、これもネタばれになるのかしら?と思いつつも どうしても書いて置きた いのは、
S7でアダム・ウェインライトからプロ―ポーズされ 結婚する事になった サムなのですが、
 S8を見て あれ?違う人と結婚したのかと暫らくの間混乱して しまったのですが、何と!
 アダムが配役変更になっていたんですね。
余りにも違う印象の俳優さんに変更で もうホントに残念でした。
マックス・ブラウンはこの当時 ”MI-5” に出演で被ってしまたんでしょうか?


最後に、 ”War Games” でハサウェイとは全く異なるキャラクターを演じたローレンス
画像です。若い!



この後BSでファイナルシーズン迄全話放映してくれる事を祈るばかりです。