『シャーロック』シーズン4:「臥せる探偵」
以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/fe/1384542a90c132afc53627f2c04e3ff7.jpg)
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
・・・・・・続きです
再び221B
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/73/1a617201a9f657a704ec875ce89ecee2.jpg)
見つけたメモは あの謎のフェイスが持ってきた物であった事に気が付いたシャーロックは
彼女が幻覚では無く実在の女性であった事を確信します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/8f/e3603ccfa718232c4819d016471bf8b5.jpg)
そしてメモを明かりに透かし、ブラックライトを当てると”MISS ME?”文字が浮かび上がります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/b0/7ad682518a8dc4d20089c563270547a8.jpg)
(謎の女性がモリアーティーに繋がるのか? 又してもモリアーティーの影が?と思わされます)
再びジョンとセラピスト
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/41/9f918c91f735c414bc9df7fb99b6ecec.jpg)
彼女は、マイクロフトの事を聞いているのではなく”もう1人”の兄弟の事だと言います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/c5/efe06117553661710f6ad63543b7cb08.jpg)
不審な表情でもう1人とは誰の事かと聞くジョンに、「秘密の兄弟よ」というセラピストに戸惑い
ながらそんな話はしたことがない筈だというと、「じゃあシャーロックが話してくれたのかも」。
シャーロックとは前に一度この場所で会った筈だがそんな話は無かったと言うジョンに、「その前
にも会ったの。2人で一緒に夜の街を歩いたし チップスも食べたし」。
そして「貴方は私が思ってたのと違うわ。もっと良い人だわ」とシャーロックを訪れた謎のフェイス
の声音でしゃべります(北部アクセントで)
それを聞いてもジョンはピンと来ませんよね。 その事を知らなかった訳だから。
そして、メガネをとり、フェイスのメモはカルバートンから貰った。 共通の友達が仲介してくれたの
だと良いながら窓の鍵をしめます。
カラーコンタクトを外しながら髪の毛をかき上げると耳にデイジーの花が。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/99/4fe5369f3f14f9cf125f5d5e86556760.jpg)
あの女性と最初に会った時 ジョンがロージーをあやす為に耳に付け バスに乗るまで取り忘れ
ていたあのデイジーです。
驚いて立ち上がろうとするジョンに銃を向けるセラピストは、「何処にも行かないで。ここに居た本
当のセラピストはカーペットに血を付けられるのを嫌がるでしょうから。 あ、でも彼女は衣類乾燥
棚の袋の中だからいいか」(怖ろしい事を言っています。 つまり、この場に居るはずの本当のセ
ラピストを殺して隠しているって事ですよね。
カーペットと言えば、最初のセッションの時のカーペットとこの時のカーペットが違っていると指摘
されていたので見比べて見ましたら確かに違っています。前のカーペットが血で汚れたので変え
たって事でしょうか?)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/34/1aaae04edd2dd35c57b2631b3ecd1f87.jpg)
↑ これが最初のシーンにあるカーペット
「誰なんだ?」と聞くジョンに、「 私はユーロス。ギリシャ語で東の風”East Wind”と云う意味。
私の両親はバカバカしい名前をつけるのが好きで・・・ユーロスとかマイクロフトとかシャーロックと
か・・・」
(※ ウィキペディアによれば、ユーロスor エウロスはギリシャ神話の風の神たち「アネモイ」の中
で不吉な東風を表す神とされる唯一の上位のアネモイである。 との事)
ユーロスは、「シャーロックに秘密の”兄弟”がいると知った時 秘密の”妹”である事には思いつ
かなかったの?」 驚愕の表情をするジョンに 「あら、面白い顔をしているわ。 そこに穴を開け
ようかしら」と言いながら銃を発砲します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/f0/7828e58f8d60ae149d0012f49ee6d345.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/49/ce21ac911d737e9ab95c323ff4312cdc.jpg)
撃たれたジョンは? そしてユーロスはこれからどの様な行動にでるのか?
等々引きずってE3 ”The Final Problem”へ続きます。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/63/bfaf7fd24db95936973be1b60a54d9c5.jpg)
S3E3 HLVでマイクロフトが酷い処遇をしたと語っていた ”the other one”(もう1人=3人目)は
てっきり”兄弟”かと、そしてそれは”シェリンフォード”なのではないかと想像していたのがまさか
の”sister”(兄妹)であったという事、これは予想外の展開でした。
そして、ジョンがバスで知り合い メールを交わしていた”E”と名乗る女性、シャーロックが幻覚か
と思い込んだ謎のフェイス、ジョンの新しいセラピスト、これらが全てユーロスの変装であったという
驚愕の事実。
尤も、シェリンフォード自体正典中で兄弟として登場した訳では無く、コナン・ドイルが”シャーロック・
ホームズ”と正式に名づける前に、Sherringford(シェリングフォード)或はSherrinford(シェリンフォード
)と仮称を設定していたという事であるし、又同時に 正典”The Adventure of the Copper Beaches”
「ぶな屋敷」でホームズの「僕の妹ならこんな状況は許さない」との発言もあり、ホームズに妹がいた
説もある事はある様です。いずれにしても3人目の”兄弟”或は”兄妹” 共に正典には実際に登場しない
オリジナルキャラクターには違いないので、妹もアリなのかも知れません。
Euros = East Wind と言えば、S4E3 “His Last Vow” 「最後の誓い」で 瀕死のシャーロックの
マインドパレス内でマイクロフトが ”The east wind is coming,、Sherlock, it's coming to get you”
「東風が来るぞシャーロック、東風が捕まえに来るぞ」と言っていた言葉、又一方「空港での別れの場面で(涙)
シャーロックがジョンに語っていた言葉 (シャーロックが子供の頃マイクロフトが読んでくれた本に書かれて
いた東風は全ての物をダメにしてしまう。つまりそれは自分の事なんだ・・・と)、そしてモリアーティーの
”MISS ME?”で戻って来たシャーロックを見て ジョンは”Here's an east wind is coming”「東風が戻って
来たぞ」そして、モリアーティーが生きているなら「厚着をした方が良いな」と言っていたのを思い出します
(この時点ではシャーロックもジョンも”East wind”はシャーロックの事であると思っていたという事)
因みに、以前も書きましたが、” East wind”自体は正典”His Last Bow”「最後の挨拶」からの引用で、
ホームズは、”There's an east wind is coming, Watson” (この時東風は全ての物をなぎ倒してしま
う不吉なものだが その後には輝く春がやって来る・・・)という感じで語られていた様に思います。
但し、ユーロスの存在と言うアイデア自体はS3E3 HLV 「最後の誓い」を撮っている時に思い付いたと
モファティスは語っていますので、HLVでのマイクロフトの言う「東風」はそのままの意味(或は比喩)
であったものを、後付けでS4のEuros 登場で又違う意味合いに取らざるを得なくなります。
↓ インタビューで語られています。
http://europe.newsweek.com/exclusive-sherlock-creators-tease-relentless-season-4-finale-542474?utm_campaign=socialflowT&utm_source=socialflowtwitter&utm_medium=articles
このエピソードにもずっと出ているメアリーの幻は、ジョンの中で「メアリーがここに居たら こう言
うだろう」と言う想像の産物であると共に、ジョンの頭の中の創造物であり、結局はジョンの自分自身
の感情を表しているのだと思いますが、シャーロックの推理方法、考え方を理解していながら、そして
事件捜査への願望も垣間見えながら素直になれないジョンが何とも歯痒い。
メアリーの死が妨げになったとは言え、もっと素直に2人で話し合えばこんな込み入った、そして
シャーロックも自分を実際にヤク中に陥らせる様な状況にはならなかったのではないか。 メアリー
の遺言の助けを借りなくても良かったのに・・・・
ここで一応2人は和解した様思えるものの、ジョンのメアリーに対する告白は自分がメアリーを裏切って
いた事に対する謝罪であり、「君がメアリーを殺したのではない」と口に出して認めたものの、シャーロック
に対して行った暴力、暴言に対しては触れていないし 謝罪もしていない。
2年間死んだふりをして自分を騙していた事を根に持っている言葉、メアリーを守ると約束しただろうと
責め立てる言葉、シャーロックの助けだけは要らないと拒絶した態度、マグヌッセンを射殺した事を
他人事の様に話す態度、どれをとってもジョンはシャーロックに対して理解を示していないし頑なな
態度で接しているのを見ると愕然とさせられます。
メアリーの死で絶望し、混乱して誰かを責めなければ気持ちが収まらないのだとは思いつつ そして筋違
いだと理解していながらその怒りを全てシャーロックに向けているし、それを受け止めるシャーロックの
気持ちは全く考えていない様子は自分本位で悲しくさえなります。
ジョンとメアリーの幸せだけを願い 自分の身を犠牲にし罪をかぶって迄マグヌッセンを殺害したのに
ジョンは全く認識できていなかったのかと・・・・
シャーロックのジョンに対する思いは十分見えるのに、ジョンのシャーロックに対する思いは見えてこない。
元々 プロの殺し屋という過去を持つ以上 常に身の危険を感じていた筈のメアリーは誰かの復讐で
殺されるか、またはエイ・ジェイに殺されるかで死から逃れられない運命だった筈のなかシャーロック
を庇って死ぬという事でその死に価値を与え美化された様に思わされるが、そのことがシャーロックの
心に重荷と罪の意識を残し、ジョンの筋違いな憎しみも煽ってしまう。 という展開はとても納得でき
ないし、そんな過去を持つメアリーを妻とした以上 ジョンも何れ訪れるかもしれない不幸を予感して
いた筈だと思うのだけど。
一体メアリーの存在とは何だったのだろう?と又再び悩まされる事になった事は確かです。
本来のメインプロットである筈のカルバートン・スミスの罪を暴く為のシャーロックの行為も全てメアリー
の遺言というテーマに覆い隠されてしまっている様にも感じる。
一応シャーロックらしい推理が垣間見えるものの、実際の過剰な薬物摂取が必要だったのだろうか。
正典の様に偽装(振りをする)で納められなかったのだろうか?
前回の”The Abominable Bride”「忌まわしき花嫁」に引き続き 薬物摂取の設定が大きすぎる様に
感じるのですが、何か製作者の意図があるのでしょうか? マイナス要因になりこそすれ現在の時代
背景から考えると不必要な過剰な設定だった様に思えるのです。
正典でのホームズも確かに薬物使用する事がある事は確かですが、あくまでも事件が無い退屈さを
癒す為と言う大義名分もあり、決して幻想をみたり自分を失ったりするような事は無かった筈。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/87/fcf79a26e8502dc00cc510ecc21a7482.jpg)
これまでの様にユーモアのあるセリフややコミカルなシーンも殆んど見られないダークな雰囲気
の中、唯一の慰め(?)はハドソンさんの無双振りな大活躍がスカッとさせてくれます。
カッコ良かったですね。
結局シャーロックの事を一番理解し、心配しているのはジョンでもマイクロフトでもなく、ハドソン
さんなのだと納得させられますね。
今回一応和解したと思われるシャーロックとジョンが以前の様に二人で事件に立ち向かうシーンが
みられるのか?というのもE3の注目点なのですが、どうなりますか?
余談ですが、
今回の様に ”兄弟” にするか ”兄妹” にするか書くのが難しい場合は ”Sibling”が良く
使われていますね。 これは誕生の順、男女の性別関係なく ”きょうだい” と云う意味なので
非常に便利ですし、最近はこの言葉の方が頻繁に使われるようです。
長々お付き合い頂きまして有難うございました。
← SHERLOCK S4E2 ”The Lying Detective” : ネタバレ感想と検証 (7)
以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/fe/1384542a90c132afc53627f2c04e3ff7.jpg)
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
・・・・・・続きです
再び221B
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/73/1a617201a9f657a704ec875ce89ecee2.jpg)
見つけたメモは あの謎のフェイスが持ってきた物であった事に気が付いたシャーロックは
彼女が幻覚では無く実在の女性であった事を確信します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/8f/e3603ccfa718232c4819d016471bf8b5.jpg)
そしてメモを明かりに透かし、ブラックライトを当てると”MISS ME?”文字が浮かび上がります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/b0/7ad682518a8dc4d20089c563270547a8.jpg)
(謎の女性がモリアーティーに繋がるのか? 又してもモリアーティーの影が?と思わされます)
再びジョンとセラピスト
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/41/9f918c91f735c414bc9df7fb99b6ecec.jpg)
彼女は、マイクロフトの事を聞いているのではなく”もう1人”の兄弟の事だと言います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/48/f969b4481238ea34cd44e4adc4bd17f7.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/c5/efe06117553661710f6ad63543b7cb08.jpg)
不審な表情でもう1人とは誰の事かと聞くジョンに、「秘密の兄弟よ」というセラピストに戸惑い
ながらそんな話はしたことがない筈だというと、「じゃあシャーロックが話してくれたのかも」。
シャーロックとは前に一度この場所で会った筈だがそんな話は無かったと言うジョンに、「その前
にも会ったの。2人で一緒に夜の街を歩いたし チップスも食べたし」。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/97/77e48cafc0b4732b12b127c97613d3c3.jpg)
そして「貴方は私が思ってたのと違うわ。もっと良い人だわ」とシャーロックを訪れた謎のフェイス
の声音でしゃべります(北部アクセントで)
それを聞いてもジョンはピンと来ませんよね。 その事を知らなかった訳だから。
そして、メガネをとり、フェイスのメモはカルバートンから貰った。 共通の友達が仲介してくれたの
だと良いながら窓の鍵をしめます。
カラーコンタクトを外しながら髪の毛をかき上げると耳にデイジーの花が。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/99/4fe5369f3f14f9cf125f5d5e86556760.jpg)
あの女性と最初に会った時 ジョンがロージーをあやす為に耳に付け バスに乗るまで取り忘れ
ていたあのデイジーです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/f4/963da1fb29ff85ab56f3d390727b676f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/04/2f06a99448fa537f5e5e5bf51fc1fbbe.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/11/b3e4333d43d57181329e358333074020.jpg)
驚いて立ち上がろうとするジョンに銃を向けるセラピストは、「何処にも行かないで。ここに居た本
当のセラピストはカーペットに血を付けられるのを嫌がるでしょうから。 あ、でも彼女は衣類乾燥
棚の袋の中だからいいか」(怖ろしい事を言っています。 つまり、この場に居るはずの本当のセ
ラピストを殺して隠しているって事ですよね。
カーペットと言えば、最初のセッションの時のカーペットとこの時のカーペットが違っていると指摘
されていたので見比べて見ましたら確かに違っています。前のカーペットが血で汚れたので変え
たって事でしょうか?)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/34/1aaae04edd2dd35c57b2631b3ecd1f87.jpg)
↑ これが最初のシーンにあるカーペット
「誰なんだ?」と聞くジョンに、「 私はユーロス。ギリシャ語で東の風”East Wind”と云う意味。
私の両親はバカバカしい名前をつけるのが好きで・・・ユーロスとかマイクロフトとかシャーロックと
か・・・」
(※ ウィキペディアによれば、ユーロスor エウロスはギリシャ神話の風の神たち「アネモイ」の中
で不吉な東風を表す神とされる唯一の上位のアネモイである。 との事)
ユーロスは、「シャーロックに秘密の”兄弟”がいると知った時 秘密の”妹”である事には思いつ
かなかったの?」 驚愕の表情をするジョンに 「あら、面白い顔をしているわ。 そこに穴を開け
ようかしら」と言いながら銃を発砲します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/f0/7828e58f8d60ae149d0012f49ee6d345.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/49/ce21ac911d737e9ab95c323ff4312cdc.jpg)
撃たれたジョンは? そしてユーロスはこれからどの様な行動にでるのか?
等々引きずってE3 ”The Final Problem”へ続きます。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/63/bfaf7fd24db95936973be1b60a54d9c5.jpg)
S3E3 HLVでマイクロフトが酷い処遇をしたと語っていた ”the other one”(もう1人=3人目)は
てっきり”兄弟”かと、そしてそれは”シェリンフォード”なのではないかと想像していたのがまさか
の”sister”(兄妹)であったという事、これは予想外の展開でした。
そして、ジョンがバスで知り合い メールを交わしていた”E”と名乗る女性、シャーロックが幻覚か
と思い込んだ謎のフェイス、ジョンの新しいセラピスト、これらが全てユーロスの変装であったという
驚愕の事実。
尤も、シェリンフォード自体正典中で兄弟として登場した訳では無く、コナン・ドイルが”シャーロック・
ホームズ”と正式に名づける前に、Sherringford(シェリングフォード)或はSherrinford(シェリンフォード
)と仮称を設定していたという事であるし、又同時に 正典”The Adventure of the Copper Beaches”
「ぶな屋敷」でホームズの「僕の妹ならこんな状況は許さない」との発言もあり、ホームズに妹がいた
説もある事はある様です。いずれにしても3人目の”兄弟”或は”兄妹” 共に正典には実際に登場しない
オリジナルキャラクターには違いないので、妹もアリなのかも知れません。
Euros = East Wind と言えば、S4E3 “His Last Vow” 「最後の誓い」で 瀕死のシャーロックの
マインドパレス内でマイクロフトが ”The east wind is coming,、Sherlock, it's coming to get you”
「東風が来るぞシャーロック、東風が捕まえに来るぞ」と言っていた言葉、又一方「空港での別れの場面で(涙)
シャーロックがジョンに語っていた言葉 (シャーロックが子供の頃マイクロフトが読んでくれた本に書かれて
いた東風は全ての物をダメにしてしまう。つまりそれは自分の事なんだ・・・と)、そしてモリアーティーの
”MISS ME?”で戻って来たシャーロックを見て ジョンは”Here's an east wind is coming”「東風が戻って
来たぞ」そして、モリアーティーが生きているなら「厚着をした方が良いな」と言っていたのを思い出します
(この時点ではシャーロックもジョンも”East wind”はシャーロックの事であると思っていたという事)
因みに、以前も書きましたが、” East wind”自体は正典”His Last Bow”「最後の挨拶」からの引用で、
ホームズは、”There's an east wind is coming, Watson” (この時東風は全ての物をなぎ倒してしま
う不吉なものだが その後には輝く春がやって来る・・・)という感じで語られていた様に思います。
但し、ユーロスの存在と言うアイデア自体はS3E3 HLV 「最後の誓い」を撮っている時に思い付いたと
モファティスは語っていますので、HLVでのマイクロフトの言う「東風」はそのままの意味(或は比喩)
であったものを、後付けでS4のEuros 登場で又違う意味合いに取らざるを得なくなります。
↓ インタビューで語られています。
http://europe.newsweek.com/exclusive-sherlock-creators-tease-relentless-season-4-finale-542474?utm_campaign=socialflowT&utm_source=socialflowtwitter&utm_medium=articles
このエピソードにもずっと出ているメアリーの幻は、ジョンの中で「メアリーがここに居たら こう言
うだろう」と言う想像の産物であると共に、ジョンの頭の中の創造物であり、結局はジョンの自分自身
の感情を表しているのだと思いますが、シャーロックの推理方法、考え方を理解していながら、そして
事件捜査への願望も垣間見えながら素直になれないジョンが何とも歯痒い。
メアリーの死が妨げになったとは言え、もっと素直に2人で話し合えばこんな込み入った、そして
シャーロックも自分を実際にヤク中に陥らせる様な状況にはならなかったのではないか。 メアリー
の遺言の助けを借りなくても良かったのに・・・・
ここで一応2人は和解した様思えるものの、ジョンのメアリーに対する告白は自分がメアリーを裏切って
いた事に対する謝罪であり、「君がメアリーを殺したのではない」と口に出して認めたものの、シャーロック
に対して行った暴力、暴言に対しては触れていないし 謝罪もしていない。
2年間死んだふりをして自分を騙していた事を根に持っている言葉、メアリーを守ると約束しただろうと
責め立てる言葉、シャーロックの助けだけは要らないと拒絶した態度、マグヌッセンを射殺した事を
他人事の様に話す態度、どれをとってもジョンはシャーロックに対して理解を示していないし頑なな
態度で接しているのを見ると愕然とさせられます。
メアリーの死で絶望し、混乱して誰かを責めなければ気持ちが収まらないのだとは思いつつ そして筋違
いだと理解していながらその怒りを全てシャーロックに向けているし、それを受け止めるシャーロックの
気持ちは全く考えていない様子は自分本位で悲しくさえなります。
ジョンとメアリーの幸せだけを願い 自分の身を犠牲にし罪をかぶって迄マグヌッセンを殺害したのに
ジョンは全く認識できていなかったのかと・・・・
シャーロックのジョンに対する思いは十分見えるのに、ジョンのシャーロックに対する思いは見えてこない。
元々 プロの殺し屋という過去を持つ以上 常に身の危険を感じていた筈のメアリーは誰かの復讐で
殺されるか、またはエイ・ジェイに殺されるかで死から逃れられない運命だった筈のなかシャーロック
を庇って死ぬという事でその死に価値を与え美化された様に思わされるが、そのことがシャーロックの
心に重荷と罪の意識を残し、ジョンの筋違いな憎しみも煽ってしまう。 という展開はとても納得でき
ないし、そんな過去を持つメアリーを妻とした以上 ジョンも何れ訪れるかもしれない不幸を予感して
いた筈だと思うのだけど。
一体メアリーの存在とは何だったのだろう?と又再び悩まされる事になった事は確かです。
本来のメインプロットである筈のカルバートン・スミスの罪を暴く為のシャーロックの行為も全てメアリー
の遺言というテーマに覆い隠されてしまっている様にも感じる。
一応シャーロックらしい推理が垣間見えるものの、実際の過剰な薬物摂取が必要だったのだろうか。
正典の様に偽装(振りをする)で納められなかったのだろうか?
前回の”The Abominable Bride”「忌まわしき花嫁」に引き続き 薬物摂取の設定が大きすぎる様に
感じるのですが、何か製作者の意図があるのでしょうか? マイナス要因になりこそすれ現在の時代
背景から考えると不必要な過剰な設定だった様に思えるのです。
正典でのホームズも確かに薬物使用する事がある事は確かですが、あくまでも事件が無い退屈さを
癒す為と言う大義名分もあり、決して幻想をみたり自分を失ったりするような事は無かった筈。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/87/fcf79a26e8502dc00cc510ecc21a7482.jpg)
これまでの様にユーモアのあるセリフややコミカルなシーンも殆んど見られないダークな雰囲気
の中、唯一の慰め(?)はハドソンさんの無双振りな大活躍がスカッとさせてくれます。
カッコ良かったですね。
結局シャーロックの事を一番理解し、心配しているのはジョンでもマイクロフトでもなく、ハドソン
さんなのだと納得させられますね。
今回一応和解したと思われるシャーロックとジョンが以前の様に二人で事件に立ち向かうシーンが
みられるのか?というのもE3の注目点なのですが、どうなりますか?
余談ですが、
今回の様に ”兄弟” にするか ”兄妹” にするか書くのが難しい場合は ”Sibling”が良く
使われていますね。 これは誕生の順、男女の性別関係なく ”きょうだい” と云う意味なので
非常に便利ですし、最近はこの言葉の方が頻繁に使われるようです。
長々お付き合い頂きまして有難うございました。
← SHERLOCK S4E2 ”The Lying Detective” : ネタバレ感想と検証 (7)