大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

放射性セシウム:廃用牛の体表測定 信頼性PR、牧草と二重チェック体制 /岩手

2012-10-03 18:30:00 | 原子力関係
放射性セシウム:廃用牛の体表測定 信頼性PR、牧草と二重チェック体制 /岩手より転載
毎日新聞 2012年10月02日 地方版

 食肉処理前の廃用牛を対象に、牛の体表から放射線を測定して牛肉中の放射性セシウム濃度を推定する県の検査が1日、紫波町の食肉処理場「岩手畜産流通センター」で始まった。県ではこれまで牛に与える牧草の検査で濃度を算定し、生産者団体が出荷を調整していたが、二重のチェック体制を敷くことで県産牛肉の信頼性をPRする。【金寿英】

 同様の検査体制は宮城県に続き全国で2例目。サーベイメーターを牛の首に30秒間あて、体表から出る放射線量で肉中のセシウム濃度を推定。1キロあたり50ベクレル以下なら食肉処理し、上回った場合は低減するまで出荷を控える。

 廃用牛は搾乳できなくなった乳牛や、子牛を産めなくなった繁殖牛など本来の目的を果たせなくなった牛で、ハンバーグの材料など加工用として使用されることが多い。国が今年2月から全ての牛を対象に飼料の暫定許容値を一律1キロあたり100ベクレルに引き下げるまで、廃用牛は、元々、肉牛として出荷するために育てられた肥育牛に比べ、濃度の高い飼料を与えられることが多く、基準値超過が懸念されていた。

 県内から出荷されるすべての肉牛は、放射性セシウム検査が義務づけられており、基準値を上回った場合に県産牛肉全体のイメージが悪化し、風評被害を招く可能性がある。そのため、牧草検査と合わせて牛の体表も測定することで、基準値を上回る肉牛出荷の未然防止により万全を期すことができるという。

 この日は県内から廃用牛35頭が搬入され、推定ではいずれも基準値を下回った。県畜産課の及川団振興・衛生課長は「二重三重の検査で県産牛肉の信頼性を守りたい」と話した。

避難住民「いつかは帰郷を」 福島・広野町、原発作業員特需で繁栄

2012-10-03 18:00:00 | 原子力関係
避難住民「いつかは帰郷を」 福島・広野町、原発作業員特需で繁栄より転載
2012.10.1 02:02 産経ニュース

 東京電力福島第1原発事故の収束拠点となっている福島県広野町では、第1原発へと通じる国道6号周辺に花輪が目立つ。色とりどりの花輪に交じって「祝 開店」「再オープンしました」の看板も。昨年9月末に緊急時避難準備区域が解除されて1年。避難を余儀なくされている住民は、転居先での生活に慣れつつも、「いつかは帰還したい」との思いを捨てていない。(荒船清太)

                   ◇

 9月下旬の午後、「営業中」の旗がひらめく広野町のパチンコ店「ツバメ」の駐車場に多くの車が集まっていた。

 「再オープンの日は、120席の店内に立ち見が出たほどでした」。男性店長(54)はそう話す。再開したのは今年6月末。しかし、店を埋めていた客には、見慣れた地元住民の姿はわずか。大半が作業着姿の原発作業員や、原発停止に伴ってフル稼働している近くの火力発電所の作業員だった。

 第1原発から30キロ内にある広野町は昨年4月、居住可能だが緊急時に待避が求められる緊急時避難準備区域に指定され、同年9月に原発の状態が改善したとして区域を解除された。

 だが、解除後の広野町に居住しているのは今年9月現在で全住民約5千人のうち約500人。激減した生活需要は原発作業員が支えている。

 「原発作業員の方で営業できると思った」。男性店長は再開意図をそう説明する。作業員は午前中は原発で働いているため、事故前は午前9時だった開店時間は正午に変更した。

               ×   ×   ×

 事故から1年ほどは、ほとんどシャッターを下ろしていた商店街。夏に入ったころからすし店、スナック、果てはラブホテルまでが営業を再開している。以前はすし店だった役場のすぐ向かいの空き店舗も、ラーメン店が入った。同店の店長で楢葉町でラーメン店を経営していた金沢直人さん(32)は「役場の職員や原発、除染の作業員の方が一日数十人くらい来ています」と話し、採算ベースに載せる自信を見せる。

 ただ、作業員の需要だけでいつまで安穏としていられるかは不透明だ。今年8月には広野町の北隣でより原発に近い楢葉町が警戒区域を解除し、避難指示解除準備区域に再編。来年以降、役場を戻すなどの帰還を進めており、作業員の宿舎などが楢葉町に移る可能性もある。

 広野町と楢葉町にまたがり、第1原発事故の収束拠点となってきた「Jヴィレッジ」も本来のスポーツ総合施設に戻していくため、第1原発近くに同様のビルを建設する工事が進められている。そうなれば広野町に滞在する作業員はますます減る公算だ。

 パチンコ店の男性店長も「当面は大丈夫だと思うが、いつ楢葉町の方に人が移っていくかわからない。それまでに商店側の帰還を起爆剤として、住民が広野町に戻ってくるのを期待したい」と話す。いまのところ、「地元のお客さんはほとんどいない状態」(男性店長)だが、街の再生が住民帰還の呼び水になってほしいという期待は高まる。

               ×   ×   ×

 朝は原発に向かう車で渋滞が続く国道6号も、夜になると車の姿はまばらだ。道路脇には明かりの消えた住宅地が延々と広がる。それが原発事故が起きた昨年から変わらない広野町の夜の姿だ。

 広野町から隣のいわき市の仮設住宅に避難している大工手伝いの高木義(よし)明(はる)さん(50)は「夜は暗い。最近は広野町の自宅を片付けているときよりも、仮設住宅に帰ってきたときの方が『帰った』という気がする」と話す。不安だった新生活が体になじんできた。

 1年前、住民はインフラ整備の遅れなどを帰還しない理由に挙げていた。だが、いわき市の仮設住宅に避難している茂木茂男さん(69)は「長くいるほどいわき市の便利さが身にしみる」と指摘する。

 避難してきた昨夏当時は茂木さんも一刻も早く帰還したい気持ちだったが、人口5千人の広野町と違い、県内最大の人口を抱えるいわき市はスーパーや病院も近く、交通の便もいい。当初は住民がひしめき合う仮設住宅に不満もあったが、「ちょっと外に出れば話し相手がいるし、助けをすぐ呼べる。追い出されるまで帰らない人が多いんじゃないかな」との考えももたげてきた。

 ただ、「実家は広野町だ」という意識に変化はない。母(88)も広野町の施設に入居している。「いつかは帰らなきゃ」。茂木さんは自分に言い聞かせるように話していた。

                   ◇

 ■環境整備で人口回復図る

 福島県広野町と同じく緊急時避難準備区域が解除されて1年を迎える川内村も、人口約3千人のうち帰還した住民は1割にとどまっている。

 村では帰還に向けた環境整備のひとつとして、雇用の確保を推進。植物工場の建設や、金属加工を手がける企業の工場誘致も決まったが、帰還にはまだ結びついていない。

 村では今後、若年層向けの低家賃住宅を整備し、住民帰還の呼び水としたい考え。植物工場が操業を開始し、若年層向け住宅が建設されるまでは「住民は戻り始めない。まだまだ時間がかかりそうだ」と村幹部は話している。

露からの独立 日本の新原発希望 リトアニア 2

2012-10-03 17:30:00 | 学習
露からの独立 日本の新原発希望 リトアニアより転載
2012.9.29 18:00 産経ニュース


 多数の国民がEU加盟を喜んだが、ビサギナスだけは別だった。04年に1号機、09年に2号機が稼働を停止すると、大半の作業員が失業者となった。「最後の夜、住民は涙を流し嘆き悲しんだ」(市長)という。

 ビサギナス出身のインガさん(23)は、街がその日を境に急変したのを覚えている。

 「やけ酒に浸る作業員で街はあふれた。閉鎖以来、ビサギナスは『死んだ街』になってしまった」

 ほとんどの若者が学校を卒業すると、働き口を求めて街を去っていく。インガさんも今、ドイツのコーヒー店で働いている。人口は最盛期の約3分の1を失い、2万3千人を割り込んだ。こうして活力をすっかり失った街に、突如現れたのが「日本」だった。

□  □

 
 原発閉鎖に伴い電力不足に陥ったリトアニアは、ロシア産の天然ガスによる火力発電に頼らざるを得なくなった。

 結局、電力需要の6割以上をロシアに依存することになり、電気料金は6倍に跳ね上がったという。ソ連による支配を繰り返さないための選択肢が、ロシアによる新たな“支配”を招く皮肉な結果に陥ったのである。

 こうした事態を改善すべく、リトアニアは09年、イグナリナ原発の隣に原発を新設することを決めた。そしてさまざまな企業との交渉を経て、日立製作所が提案した最新鋭の改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を受け入れることを内定した。
 この選択は福島第1原発事故後も揺るがなかった。リトアニア政府は、たとえばクビリウス首相に代表されるように、日本側に「福島の事故で日本の原発技術の安全性が否定されたわけではない」と言い続けた。

 総事業費は68億ユーロ(約6800億円)と同国最大規模のプロジェクトになる。関係者は「原発はリトアニアのエネルギー安全保障にとって重要なものだが、ロシアからの独立を完全に果たすための歴史的案件でもある」と強調する。

 しかし、この計画には暗雲が垂れ込めている。国民の多くが原発建設の費用対効果への疑問や事故への不安から、原発反対に傾いていることが世論調査で判明。来月14日、国会議員選挙とともに国民投票を行い、原発新設の是非が問われることになったのだ。

 クビリウス首相は「国民投票に拘束力はなく、すべての決定は政府や国会が行う」とするが、もし大多数が反対という結果に終われば、原発推進の動きは停滞すると見込まれている。

 ビサギナス住民の多くは、原発建設は「街をよみがえらせるための唯一の希望」などと語る。シュトラウパイテ市長は「この計画は、リトアニアにとって『神からの贈り物』なのです」とさえ表現する。
 ビサギナスの街のシンボルは鶴。市役所前にも、空を羽ばたく鶴のモニュメントがある。市長は「日本では千羽鶴を折って願い事をするそうですね。われわれもこの鶴に希望を託します」と話している。

■ ■

リトアニア 人口330万人。ロシア系は5%でバルト三国の中で最もロシア系が少ない。面積は東北地方と同規模の約6万5千平方キロ。1990年にソ連からの独立を宣言。2004年に北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)に加盟。

「原発労働者の準公務員化を」 福島原発の下請け労働者は訴える

2012-10-03 17:00:00 | 原子力関係
「原発労働者の準公務員化を」 福島原発の下請け労働者は訴えるより転載

2012年9月21日 東京新聞


 「二〇三〇年代に原発ゼロ」の戦略は閣議決定を見送ったうえ、“原子力ムラ”人事の原子力規制委員会は発足した。野田政権の原発依存に向けた巻き返しは著しいが、福島第一原発事故の収束は義務であり、他の老朽原発の廃炉も避けられない。こうした中、福島で働く一人の下請け労働者は「現状では早晩、作業員不足に陥る」と警告する。作業員確保のため「原発労働者の準公務員扱い」を訴える。 (田原牧)

露からの独立 日本の新原発希望 リトアニア 1

2012-10-03 16:30:00 | 学習
露からの独立 日本の新原発希望 リトアニアより転載
2012.9.29 18:00 産経ニュース

リトアニア・ビサギナスにある設立記念の石碑。「この都市は、原発で働く作業員のために造られた」と記されている

 東京電力福島第1原発事故が各国のエネルギー政策を揺るがす中、日本で培われた技術を信頼し、原発計画を推進している国がある。ソ連から独立を果たしたバルト三国のリトアニア。東日本大震災からわずか4カ月後の2011年7月、日立製作所に発電所建設の優先交渉権を与えた。チェルノブイリ原発事故、ソ連崩壊、そして欧州連合(EU)加盟と、歴史に翻弄されてきた建設予定地の住民は、日立製作所の原発を「希望」「神からの贈り物」とさえ評している。(リトアニア北東部ビサギナス 佐々木正明、写真も)

 首都ビリニュスの北東約150キロ、ベラルーシとラトビアの国境沿いに位置するビサギナス。この街で原発計画が進んでいる理由は、リトアニアの電力事情やソ連時代の歴史と深く関わっている。

 森と湖に囲まれた地に、人工都市ビサギナスが造られたのは1975年だった。ソ連政府は、この地域一帯の電力供給をまかなうために、イグナリナ原発を建設することを決定。ソ連崩壊で隣国ベラルーシとラトビアは独立し、カリーニングラード州はロシアの飛び地となってしまうが、当時は一つの国家の中にあり、原発は民族を統合する象徴プロジェクトでもあった。

 ソ連全域から原子力関連の専門家や作業員が集められた。人口は3万人を超え、うち約8千人が原発に通う労働者。残りの住民もその家族や飲食店関係者、行政職員らで、ビサギナスはソ連でも有数の“原発城下町”となった。今でも街では、リトアニア語よりもロシア語の方が通じる。

 83年に1号機が稼働。電力はソ連式の送電網で供給され、2号機、3号機の工事が進んだ。ところが、86年にチェルノブイリで原発事故が起こる。イグナリナ原発はチェルノブイリと同型の原子炉を有していた。

 モスクワ近郊生まれで、他の原発で働いた後、82年に街にやってきたビクトルさん(63)は当時をこう振り返る。

 「私は4号機の作業員として呼ばれた。チェルノブイリの影響で4号機は計画自体が廃止。3号機は半分造られていたが、これも途中で取りやめになった」

 しかし2号機はそのまま建設が続行され、87年に完成。イグナリナ原発は2つのチェルノブイリ型原子炉が稼働したまま、91年のソ連崩壊を迎えた。

□  □

 
 リトアニアは独立後もソ連からこの原発を受け継ぎ、ビサギナスにはソ連出身の専門家が残った。同原発は国の電力供給の7割超をまかない、近隣諸国に余剰電力を輸出さえしていた。

 ビサギナスのシュトラウパイテ市長=写真=は「リトアニアは他の国々よりも原発の知識が豊富な原発国家なのです」と語るが、それもこのイグナリナ原発の経験があったが故だ。

 ところが、リトアニアは国の発展に貢献してきた同原発を放棄する決断を下す。

 ソ連に占領された屈辱の歴史を繰り返さないためにも、リトアニアはEUに接近。2003年の国民投票で、91%の圧倒的多数の賛成により加盟を選んだものの、EUはチェルノブイリ型原発を保有しないことを加盟の条件にしていた。結局、リトアニアは加盟と引き換えに、イグナリナ原発の閉鎖を受け入れたのだ。

復興計画見直し概略示す 楢葉町推進委が初会合 いわき

2012-10-03 16:20:00 | 原子力関係
復興計画見直し概略示す 楢葉町推進委が初会合 いわきより転載

委員会の概要などの説明を受ける委員

 福島県楢葉町が今春策定した第1次町復興計画を状況に合わせて見直す町復興推進委員会(第1期)は30日、いわき市の町いわき出張所谷川瀬分室で初の会合を開いた。
 第1次町復興計画では町の警戒区域を今春に再編する想定だった。しかし実際に見直されたのは8月10日のため、計画に盛り込まれた町役場の機能復帰や町民帰町などの目標にずれが生じ、日程変更を含め修正を余儀なくされている。
 委員会はこれらを踏まえ今年度末までに現状に応じて修正し、第2次町復興計画の素案をまとめる。また、平成25年度末をめどに「帰町計画」と「帰町・生活再建マニュアル」を完成させる。
 町は復興計画の基本理念に盛り込んだ新生プロジェクトの内容を具体的に示し(1)放射線医学研究・予防医学福祉総合センター(仮称)(2)まちづくり復興会社(3)スマートコミュニティ構想-の3本柱の実現に向け、それぞれプロジェクトチームを発足させる。25年度中を目標にチームごとに結果を報告する。
 初会合に先立ち松本幸英町長が委員37人を代表し、渡辺清さん(町商工会長)に委嘱状を交付し「(古里再生の)希望の旗を町民一丸で掲げたい」などとあいさつした。
 委員長に近藤邦彦さん(復興計画検討委員会委員長)、副会長に渡辺さんを選んだ。

(2012/10/01 11:34カテゴリー:福島第一原発事故)福島民報

浪江・双葉両町が「放射線手帳」に込められた意味

2012-10-03 16:00:00 | 原子力関係
浪江・双葉両町が「放射線手帳」に込められた意味より転載

2012年9月26日 東京新聞


 福島原発事故で警戒区域を抱えた福島県浪江町は先月、独自に「放射線健康管理手帳」を作成して配った。双葉町も年度内に発行する。手帳発行には、国や県への不信がある。県の県民健康管理調査ははかどらず、国は事故時、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)のデータを隠した。手帳には、健康被害の不安との長い闘いに臨む決意が込められている。(上田千秋、小倉貞俊)

リトアニア 原発推進に沸く街 日立製は「神からの贈り物」

2012-10-03 15:30:00 | 学習
リトアニア 原発推進に沸く街 日立製は「神からの贈り物」より転載
2012/09/29 20:29 産經新聞


【鼓動】

 東京電力福島第1原発事故が各国のエネルギー政策を揺るがす中、日本で培われた技術を信頼し、原発計画を推進している国がある。ソ連から独立を果たしたバルト三国のリトアニア。東日本大震災からわずか4カ月後の2011年7月、日立製作所に発電所建設の優先交渉権を与えた。チェルノブイリ原発事故、ソ連崩壊、そして欧州連合(EU)加盟と、歴史に翻弄されてきた建設予定地の住民は、日立製作所の原発を「希望」「神からの贈り物」とさえ評している。(リトアニア北東部ビサギナス 佐々木正明、写真も)

 首都ビリニュスの北東約150キロ、ベラルーシとラトビアの国境沿いに位置するビサギナス。この街で原発計画が進んでいる理由は、リトアニアの電力事情やソ連時代の歴史と深く関わっている。

 森と湖に囲まれた地に、人工都市ビサギナスが造られたのは1975年だった。ソ連政府は、この地域一帯の電力供給をまかなうために、イグナリナ原発を建設することを決定。ソ連崩壊で隣国ベラルーシとラトビアは独立し、カリーニングラード州はロシアの飛び地となってしまうが、当時は一つの国家の中にあり、原発は民族を統合する象徴プロジェクトでもあった。

 ソ連全域から原子力関連の専門家や作業員が集められた。人口は3万人を超え、うち約8千人が原発に通う労働者。残りの住民もその家族や飲食店関係者、行政職員らで、ビサギナスはソ連でも有数の“原発城下町”となった。今でも街では、リトアニア語よりもロシア語の方が通じる。

 83年に1号機が稼働。電力はソ連式の送電網で供給され、2号機、3号機の工事が進んだ。ところが、86年にチェルノブイリで原発事故が起こる。イグナリナ原発はチェルノブイリと同型の原子炉を有していた。

 モスクワ近郊生まれで、他の原発で働いた後、82年に街にやってきたビクトルさん(63)は当時をこう振り返る。

 「私は4号機の作業員として呼ばれた。チェルノブイリの影響で4号機は計画自体が廃止。3号機は半分造られていたが、これも途中で取りやめになった」

 しかし2号機はそのまま建設が続行され、87年に完成。イグナリナ原発は2つのチェルノブイリ型原子炉が稼働したまま、91年のソ連崩壊を迎えた。

 リトアニアは独立後もソ連からこの原発を受け継ぎ、ビサギナスにはソ連出身の専門家が残った。同原発は国の電力供給の7割超をまかない、近隣諸国に余剰電力を輸出さえしていた。

 ビサギナスのシュトラウパイテ市長=写真=は「リトアニアは他の国々よりも原発の知識が豊富な原発国家なのです」と語るが、それもこのイグナリナ原発の経験があったが故だ。

 ところが、リトアニアは国の発展に貢献してきた同原発を放棄する決断を下す。

 ソ連に占領された屈辱の歴史を繰り返さないためにも、リトアニアはEUに接近。2003年の国民投票で、91%の圧倒的多数の賛成により加盟を選んだものの、EUはチェルノブイリ型原発を保有しないことを加盟の条件にしていた。結局、リトアニアは加盟と引き換えに、イグナリナ原発の閉鎖を受け入れたのだ。

 多数の国民がEU加盟を喜んだが、ビサギナスだけは別だった。04年に1号機、09年に2号機が稼働を停止すると、大半の作業員が失業者となった。「最後の夜、住民は涙を流し嘆き悲しんだ」(市長)という。

 ビサギナス出身のインガさん(23)は、街がその日を境に急変したのを覚えている。

 「やけ酒に浸る作業員で街はあふれた。閉鎖以来、ビサギナスは『死んだ街』になってしまった」

 ほとんどの若者が学校を卒業すると、働き口を求めて街を去っていく。インガさんも今、ドイツのコーヒー店で働いている。人口は最盛期の約3分の1を失い、2万3千人を割り込んだ。こうして活力をすっかり失った街に、突如現れたのが「日本」だった。

 原発閉鎖に伴い電力不足に陥ったリトアニアは、ロシア産の天然ガスによる火力発電に頼らざるを得なくなった。

 結局、電力需要の6割以上をロシアに依存することになり、電気料金は6倍に跳ね上がったという。ソ連による支配を繰り返さないための選択肢が、ロシアによる新たな“支配”を招く皮肉な結果に陥ったのである。

 こうした事態を改善すべく、リトアニアは09年、イグナリナ原発の隣に原発を新設することを決めた。そしてさまざまな企業との交渉を経て、日立製作所が提案した最新鋭の改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を受け入れることを内定した。

 この選択は福島第1原発事故後も揺るがなかった。リトアニア政府は、たとえばクビリウス首相に代表されるように、日本側に「福島の事故で日本の原発技術の安全性が否定されたわけではない」と言い続けた。

 総事業費は68億ユーロ(約6800億円)と同国最大規模のプロジェクトになる。関係者は「原発はリトアニアのエネルギー安全保障にとって重要なものだが、ロシアからの独立を完全に果たすための歴史的案件でもある」と強調する。

 しかし、この計画には暗雲が垂れ込めている。国民の多くが原発建設の費用対効果への疑問や事故への不安から、原発反対に傾いていることが世論調査で判明。来月14日、国会議員選挙とともに国民投票を行い、原発新設の是非が問われることになったのだ。

 クビリウス首相は「国民投票に拘束力はなく、すべての決定は政府や国会が行う」とするが、もし大多数が反対という結果に終われば、原発推進の動きは停滞すると見込まれている。

 ビサギナス住民の多くは、原発建設は「街をよみがえらせるための唯一の希望」などと語る。シュトラウパイテ市長は「この計画は、リトアニアにとって『神からの贈り物』なのです」とさえ表現する。

 ビサギナスの街のシンボルは鶴。市役所前にも、空を羽ばたく鶴のモニュメントがある。市長は「日本では千羽鶴を折って願い事をするそうですね。われわれもこの鶴に希望を託します」と話している。

 ◇リトアニア 人口330万人。ロシア系は5%でバルト三国の中で最もロシア系が少ない。面積は東北地方と同規模の約6万5千平方キロ。1990年にソ連からの独立を宣言。2004年に北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)に加盟。

50人死亡の双葉病院、「過失ない」と説明会で

2012-10-03 15:23:54 | 原子力関係
50人死亡の双葉病院、「過失ない」と説明会でより転載
福島原発
 東京電力福島第一原発事故で、避難の遅れから患者ら計50人が死亡した福島県大熊町の双葉病院と、系列の介護施設を運営する医療法人「博文会」は30日、同県いわき市で、遺族への説明会を初めて開催し、「病院側に過失はない」として、謝罪はしない考えを示した。


 遺族ら124人が出席し、非公開で行われた。終了後に鈴木市郎院長らが記者会見し、説明会の内容を明らかにした。避難の遅れについては、県や自衛隊などの連携不足とした。補償については遺族と相談する方針という。

 伯母夫婦を亡くした秋元政久さん(55)は説明会に出席した後、取材に「病院としての対応も100%良かったとは思えない。病院側は頭を下げるべきではないか」と話した。

(2012年9月30日22時15分 読売新聞)

1日から業務開始 浪江町仮設庁舎

2012-10-03 15:16:08 | 学習
1日から業務開始 浪江町仮設庁舎より転載

 東京電力福島第一原発事故により役場機能を福島県二本松市に置いている浪江町は、10月1日から同市平石工業団地内に建設した仮設庁舎で業務を開始する。
 仮設庁舎は民間企業の所有地を借りて建設した。軽量鉄骨造り2階建て延べ約2000平方メートル。入り口には「浪江町役場二本松事務所」の名称と町章、町の花コスモスを入れた看板を設置している。
 昨年5月から役場二本松事務所としていた同市郭内の県男女共生センターでの窓口などの業務は28日で終了した。町議会や町教委なども10月1日から仮設庁舎に集約される。
 仮設庁舎の住所は、二本松市北トロミ573となる。代表電話番号は従来と同じ0243(62)0123。

( 2012/09/29 09:30 カテゴリー:主要 )福島民報


1日から業務を開始する浪江町役場仮設庁舎

福島第1原発:警戒区域の富岡町「今後5年間帰らぬ」宣言

2012-10-03 15:00:00 | 原子力関係
福島第1原発:警戒区域の富岡町「今後5年間帰らぬ」宣言より転載
毎日新聞 2012年09月26日 20時48分

 東京電力福島第1原発事故で全域が警戒区域になっている福島県富岡町の遠藤勝也町長は26日、「今後5年間(事故から6年間)は全住民は帰還できない」と宣言した。

 事故から6年経過しても帰還しなければ、避難区域再編後の全区域で住民への賠償額が一律になるためだが、政府は「早期帰還を希望する住民もいる」などとして、同町の手法に難色を示している。

 宣言は、除染の見通しが立たず、インフラ復旧が長期にわたり、原発の安全性にも不安があることなどから「5年間は帰還が困難かつ不可能と判断し、避難指示の解除を行わない」としている。遠藤町長は記者会見で「一律賠償の問題が解決しなければ、区域再編や除染で支障が出る。国は我々が(宣言で)意思統一を図ったことを重く受け止めてほしい」と訴えた。

 政府は避難区域を放射線量に応じて(1)帰還困難区域(2)居住制限区域(3)避難指示解除準備区域--に再編する方針で、富岡町は、3区域に分けられる。区域ごとに賠償額が異なるが、事故から6年経過しても帰還しなければ、すべて同額の賠償になるとされている。

 一方、富岡町議会は同日、今月12日に否決した復興計画案の修正案を全会一致で可決した。修正案では、年間被ばく線量「1ミリシーベルト以下」とした住民帰還の目安を削除した。【馬場直子】

静岡県浜松市 岩手県山田、大槌両町の震災ガレキの受入れ表明へ

2012-10-03 14:00:00 | 原子力関係
静岡県浜松市 岩手県山田、大槌両町の震災ガレキの受入れ表明へより転載
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Posted September 25th 2012


岩手県山田、大槌両町の震災がれき受け入れを検討していた静岡県浜松市が、埋め立て先となる最終処分場の地元自治会が埋め立てを容認したことから9月26日にも受け入れ表明する模様。

[共同通信]
市は「受け入れに向けた課題は全て解決された」としており、鈴木康友市長は26日にも受け入れを表明するとみられる。
市によると、処分場の地元である西区の平松町自治会が23日の住民総会で、埋め立て可否について投票を実施。全212世帯のうち、出席した203世帯で投票をした結果、賛成が多数を占め、受け入れを決議した。欠席した世帯は決議に従うとしている。

原発ゼロ政策の理解求める 細野環境相が来県

2012-10-03 13:00:00 | 原子力関係
原発ゼロ政策の理解求める 細野環境相が来県より転載

 細野豪志環境相は17日、盛岡市のJR盛岡駅前と矢巾町で街頭演説し、「エネルギー問題は皆さんの力を借りて解決しなければならない」と原発に依存しないエネルギー戦略への理解を呼び掛けた。

 細野氏は「2030年代に原発稼働ゼロを可能とする」との新たな戦略を示し、再生可能エネルギーの有効性を主張。「エネルギーをいかにつくるか考えてほしい。岩手には多くの地熱発電を開発できる場所がある」と説いた。

 「消えた年金」問題への取り組みなど民主党政権の実績を強調し、「安心して生活できる環境づくりに全力を尽くす」と述べた。

【写真=「力を合わせて震災復興、原発事故対応を行いたい」と訴える細野豪志環境相=17日、盛岡市・JR盛岡駅前】

(2012/09/18)

回転寿司セシウム検出 放射能問題

2012-10-03 12:00:00 | 原子力関係
回転寿司セシウム検出 放射能問題より転載
2012/09/24

大手回転寿司チェーン店くら寿司で、セシウムが検出されました。調査は、グリーンピースが、魚べい、銚子丸、かっぱ寿司、くら寿司、スシローの食品ついて行ったものです。

産地は千葉ですが、水揚地と漁獲海域は別です。くら寿司は、セシウムが検出されたマイワシが、どの海域で漁獲されたのか、説明すべきであると思います。

くら寿司 品川駅前店で検出


グリーンピース放射能測定調査

くら寿司のマイワシからセシウム検出

千葉産 セシウム134 4.1±0.5 (Bq/kg)  セシウム137 6.8±0.7 (Bq/kg)

くら寿司HP

検出された、イワシですが千葉産となっています。
正確には、千葉県で水揚げ・加工したイワシということでしょうか。

千葉県産イワシの水揚げ地について

▲千葉県HP 漁業団体が実施した検査結果一覧

漁獲地は、房総沖に加えて、日立鹿島沖となっており、セシウムについても、検出されている時があります。冒頭の図表は、各社のHPから引用ですが、回転寿司各社は、漁獲した海域を明示すべきと管理人は思います。

それにしても、グリーンピースの情報は、非常に有難いですね。