放射性セシウム:廃用牛の体表測定 信頼性PR、牧草と二重チェック体制 /岩手より転載
毎日新聞 2012年10月02日 地方版
食肉処理前の廃用牛を対象に、牛の体表から放射線を測定して牛肉中の放射性セシウム濃度を推定する県の検査が1日、紫波町の食肉処理場「岩手畜産流通センター」で始まった。県ではこれまで牛に与える牧草の検査で濃度を算定し、生産者団体が出荷を調整していたが、二重のチェック体制を敷くことで県産牛肉の信頼性をPRする。【金寿英】
同様の検査体制は宮城県に続き全国で2例目。サーベイメーターを牛の首に30秒間あて、体表から出る放射線量で肉中のセシウム濃度を推定。1キロあたり50ベクレル以下なら食肉処理し、上回った場合は低減するまで出荷を控える。
廃用牛は搾乳できなくなった乳牛や、子牛を産めなくなった繁殖牛など本来の目的を果たせなくなった牛で、ハンバーグの材料など加工用として使用されることが多い。国が今年2月から全ての牛を対象に飼料の暫定許容値を一律1キロあたり100ベクレルに引き下げるまで、廃用牛は、元々、肉牛として出荷するために育てられた肥育牛に比べ、濃度の高い飼料を与えられることが多く、基準値超過が懸念されていた。
県内から出荷されるすべての肉牛は、放射性セシウム検査が義務づけられており、基準値を上回った場合に県産牛肉全体のイメージが悪化し、風評被害を招く可能性がある。そのため、牧草検査と合わせて牛の体表も測定することで、基準値を上回る肉牛出荷の未然防止により万全を期すことができるという。
この日は県内から廃用牛35頭が搬入され、推定ではいずれも基準値を下回った。県畜産課の及川団振興・衛生課長は「二重三重の検査で県産牛肉の信頼性を守りたい」と話した。
毎日新聞 2012年10月02日 地方版
食肉処理前の廃用牛を対象に、牛の体表から放射線を測定して牛肉中の放射性セシウム濃度を推定する県の検査が1日、紫波町の食肉処理場「岩手畜産流通センター」で始まった。県ではこれまで牛に与える牧草の検査で濃度を算定し、生産者団体が出荷を調整していたが、二重のチェック体制を敷くことで県産牛肉の信頼性をPRする。【金寿英】
同様の検査体制は宮城県に続き全国で2例目。サーベイメーターを牛の首に30秒間あて、体表から出る放射線量で肉中のセシウム濃度を推定。1キロあたり50ベクレル以下なら食肉処理し、上回った場合は低減するまで出荷を控える。
廃用牛は搾乳できなくなった乳牛や、子牛を産めなくなった繁殖牛など本来の目的を果たせなくなった牛で、ハンバーグの材料など加工用として使用されることが多い。国が今年2月から全ての牛を対象に飼料の暫定許容値を一律1キロあたり100ベクレルに引き下げるまで、廃用牛は、元々、肉牛として出荷するために育てられた肥育牛に比べ、濃度の高い飼料を与えられることが多く、基準値超過が懸念されていた。
県内から出荷されるすべての肉牛は、放射性セシウム検査が義務づけられており、基準値を上回った場合に県産牛肉全体のイメージが悪化し、風評被害を招く可能性がある。そのため、牧草検査と合わせて牛の体表も測定することで、基準値を上回る肉牛出荷の未然防止により万全を期すことができるという。
この日は県内から廃用牛35頭が搬入され、推定ではいずれも基準値を下回った。県畜産課の及川団振興・衛生課長は「二重三重の検査で県産牛肉の信頼性を守りたい」と話した。