東日本大震災:福島第1原発事故 健康管理調査、検討委準備会 県「心からおわび」 「すりあわせ」は認めず /福島より転載
毎日新聞 2012年10月10日 地方版
原発事故を受けて県が実施している健康管理調査の検討委員会に先立ち秘密裏の「準備会」が開かれるなどした問題で、県は9日の記者会見で、調査結果を公表し「心からおわび申し上げたい」と陳謝した。
県が5日に設置した調査委員会が、委員や職員からの聞き取りなどで調査報告書をまとめた。報告書によると、準備会は資料の事前説明の場で、議論を深めていくのが趣旨。
毎日新聞の取材では、調査結果に対する各委員の見解を確認する「すりあわせ」が準備会で行われていたことが明らかになっている。だが、調査委は「発言内容の調整を行った事実は認められなかった」と結論づけた。
また、検討委員会で議論を誘導するかのような議事進行表が作成されていたことについて、調査委は「議論を円滑に進め、議論の拡散を防ぐことを目的に作成したもの」と説明した。「委員も発言の抑制を受けたとの認識はなかった」とする一方で、「誤解を招く表現を記載され、議論の誘導を図ったと県民に疑念を抱かせかねない行為だった」としている。
記者会見した菅野裕之・県保健福祉部長はやや緊張した面持ちで「信頼を回復できるよう調査への透明性の確保に努め、調査の信頼性確保や健康への不安を払しょくできるよう全力で取り組む」などと述べ、頭を下げた。【蓬田正志】
毎日新聞 2012年10月10日 地方版
原発事故を受けて県が実施している健康管理調査の検討委員会に先立ち秘密裏の「準備会」が開かれるなどした問題で、県は9日の記者会見で、調査結果を公表し「心からおわび申し上げたい」と陳謝した。
県が5日に設置した調査委員会が、委員や職員からの聞き取りなどで調査報告書をまとめた。報告書によると、準備会は資料の事前説明の場で、議論を深めていくのが趣旨。
毎日新聞の取材では、調査結果に対する各委員の見解を確認する「すりあわせ」が準備会で行われていたことが明らかになっている。だが、調査委は「発言内容の調整を行った事実は認められなかった」と結論づけた。
また、検討委員会で議論を誘導するかのような議事進行表が作成されていたことについて、調査委は「議論を円滑に進め、議論の拡散を防ぐことを目的に作成したもの」と説明した。「委員も発言の抑制を受けたとの認識はなかった」とする一方で、「誤解を招く表現を記載され、議論の誘導を図ったと県民に疑念を抱かせかねない行為だった」としている。
記者会見した菅野裕之・県保健福祉部長はやや緊張した面持ちで「信頼を回復できるよう調査への透明性の確保に努め、調査の信頼性確保や健康への不安を払しょくできるよう全力で取り組む」などと述べ、頭を下げた。【蓬田正志】