とあるスナックで
小林
この本の P-664
FRSを廃止すべき第七の理由
以上のことが連邦準備制度とどうかかわるのか。答えは、FRSこそ悲観的なシナリオの出発点だということだ。
すべての連鎖は、中央銀行が創出する不換紙幣に始まり、それが政府債務につながり、インフレを起こし、経済を破壊し、人々を貧困に陥れ、政府権力拡充の口実にされ、全体主義へと突き進んでいく。
この等式から連邦準備制度を除去すれば、悲観的シナリオも消える。これが七番目の、そして最終的なFRSを廃止すべき理由である。
FRSは全体主義の道具だからだ。
コー
この本で著者が一番言いたかったのは、このことじゃないんだろうか。
<FRSは全体主義の道具>
P-556
もっと上の権力の手先
FRSの歴史をこのように振り返ってみると、ベンジャミン・ストロングのような人物の愛国心はどうなっていたのかと疑問が起こる。祖国が提供する最善のものーーー安全と富と特権ーーーを享受している人間が、なぜ同朋から収奪して、自国民を収奪しつづける外国政府の政治家を支援しようと画策するのか?答えの第一は本書ですでに説明した。国際金融業者は特定の国の市民ではあるだろうが、その多くはたまたまその国に生れたにすぎない。彼らは自分を何よりも世界市民だと考えている。彼らは人類への愛を言うが、彼らの最高の忠誠心は自分自身とその職業にささげられている。
しかし、これは答えの半分でしかない。人類の運命を決するマシンの金融政策のハンドルを握っている人々、つまりイングランド銀行総裁やFRB議長自身が、さらに上の人々に操られていることを忘れてはいけない。彼らの心を占めているのは愛国心でもなければ、国際主義ですらない。彼らの忠誠心は「人類」に向けられている。
クイグリー教授は指摘する。
世界の中央銀行の総裁たちが世界金融の実権を握っていると思ってはいけない。そうではないのだ。彼らはむしろ技術者でそれぞれの国の支配的な投資銀行の代理である。これらの投資銀行が彼らを育てたのだし、いつでも放り出すことができる。世界の金融の実権はこの、だいたいはそれぞれの非公開銀行という舞台裏に隠れている投資銀行家(「国際」銀行家あるいは「商業」銀行家とも呼ばれている)の手に握られている。この人々が中央銀行という代理人よりもはるかに私的で強力で秘められた国際協力システムをつくりあげ、各国を支配している。
つまりわたしたちが見ているのは国を裏切る自覚を持った人々の行動ではなく、自分たちを育ててくれた金融と政治のサイエンティストに忠実な技術者の行動なのだ。この二つのサイエンティスト・グループのなかでは金融側が上である。政治家は現れては消えるが、金融の権力をふるう人々は留まって、後継政治家を選び出す。
そして P-665
懐疑主義者や無気力派のいうことに耳を傾けてはいけない。彼らは敵の一部だ。戦いもせずにおとなしく降参させたいのだ。だが、彼らの指摘も看過できない。闘いはすでにそうとう進んでいて、闘いは私たちの陣営にあまり有利に運んでいない。現在の趨勢を転換させようと思うなら、とてつもない努力がいることを覚悟しなくてはいけない。「議員に手紙を書こう」「火曜日には投票しよう」「嘆願書に著名しよう」「寄付を送ろう」というようなことではすまない。そんな簡単なことではないのだ。もちろん、そのような手段も闘いのなかでは重要な役割を果たすが、それだけではとても足りない。のんびりと坐したままでの運動では、もう間に合わない。
どんな努力が必要なのかを考える前に、まずわたしたちは何をしたいかをはっきりさせよう。
小林
そうなんですね、<FRS>を廃止してそれからどうしたいのか、それをはっきりとイメージできなければならないということですね。これがまた難しいですね、とんでもなく。