9.11について

2001年の9.11事件や、その他色々な感想、思い、などを書いていけたらなと、思っています。

9.11について <債務貨幣システムとは> その33

2017年10月30日 | 日記
とあるスナックで

コー
それでは、公共貨幣の表の一番下の(経済政策)を考えてみよう。(公共貨幣システム)では、(政府と公共貨幣委員会)が政策を行うと書いてある。(債務貨幣システム)では、(財政政策)は(政府)、(金融政策:利子 QE)は(中央銀行)と書いてある。今がそうだよね。この(金融政策)も政府がやったら大変なことになると考える人が、結構いるんじゃないかな。ましてや(政府)がお金を発行するなんて、と。その考えも十分わかる。たとえばその時の政府、政治家が戦争をしたいと思って、戦争の費用が税収だけでは足りないなという時に、どんどんお金を発行して軍事費を作ってしまう。そんな心配もあるんじゃないだろうか。今の日本みたいに、野党がいないような状態のときには、その時の政権の強引な、横暴な(金融政策)がとられてしまうという心配はあると思う。
この人もそんな一人なんだろうか。浜矩子(はまのりこ)、未確認情報だが、山口薫の天敵だと言われている。(これは失礼、上念司だったか) 彼女が2016年7月16日の毎日新聞にこんなことを書いている。

<ヘリコプターマネー> 空から毒入り紙幣が降る時

「ヘリコプターマネーというものは、我が国の現行の法制度のもとでは実施することができないと思っています」。
黒田東彦日銀総裁がこう言った。4月28日、日銀政策委員会の金融政策決定会合後に開かれた記者会見時のことである。6月にも、やはり政策決定会合後の記者会見で同趣旨の発言をしている。
最近、このヘリコプターマネー談義が妙な盛り上がりを示している。ヘリコプターマネーの話は、突き詰めていくと、どうしても中央銀行による財政赤字の肩代わり話につながっていく。

そもそも、ヘリコプターマネーとは何か。この言葉を初めて使ったのは、「貨幣数量説」の大御所様、このミルトン・フリードマンである。先生の論点をかいつまんで言えば、次の通りだ。
すなわち、経済活動に活をいれたいなら、政府が公共事業をやるというようなまどろっこしいことは不要だ。現金を満載したヘリコプターを飛ばして、そのカネを空からばらまけばいい。棚ぼた資金を拾った人々は、喜び勇んで爆買いに走る。だから、即効的に経済は元気になる。しかも、政府は公共事業をやるための国債発行を免れる。財政の健全性も損なわれない。

イメージ的には、誠にごもっともだ。フリードマン先生も、あくまでもイメージ的に話をしている。だが、このイメージを実際の政策に引き写そうとすると、ややこしくなる。問題は二つだ。第一に、実際に、ヘリコプターからカネをばらまくのは非現実的だ。国中にばらまくのは、あまりにも効率が悪い。均等にばらまくのもまず無理だ。第二に、そもそも、ばらまくカネをどこから持ってくるのか。

第二の点から考えていこう。財政負担をふやさずに金をばらまきたいなら、カネを新たに刷るしかない。つまり、中央銀行がばらまき用の資金の供給者となるわけだ。通貨価値の番人たる中央銀行が、こんなことをやるの?不安感を抱き始めながら、ひとまず、先に進もう。
刷ったカネをどうやってまくのか。「ヘリマネ」に代わる現実的なやり方として、どのようなものが考えられるのかざっくり言えば、これも2通り考えられる。
第一に、中央銀行が直接、国中の人々におカネを送る方式がある。小切手を郵送するもよし。銀行口座に振り込むもよし。ただ、これも少々効率が悪いかもしれない。どこまで、中央銀行にそのための情報とノウハウがあるのか。それが問われることになる。
第二のやり方は、刷ったおカネを中央銀行が政府にお渡しすることだ。一応、借用書くらいは頂戴しておく。ただし、これはあくまでも、ある時払いの催促なし。このカネを政府が適宜ばらまけがいい。ばらまきは古来、政府の得意技だ。特に日本の場合には。
なお、借用書から「有る時払い」の部分を削除することもできる。借用書、すなわち政府が中央銀行向けに発行する国債を、永久債にしてしまえばいい。永久債は読んで字のごとし。償還期限がない。永久に返済を求められない。ただし、利子は払い続けることになる。だが、今の日本なら、ちゃっかりマイナス金利になったいるから、大丈夫。
さらに言えば、制度的に利子を払わなくて済むようにもできる。永久債の発行の仕方を、利付き方式ではなくて割引方式にすればいい。
利付き債については、定期的に利子を支払う必要がある。これに対して、割引債は利子を払わない代わりに、額面に対して一定の割引を行った形で発行する。そして、満期には額面金額が投資家に償還される。購入金額と額面の差額が投資家の利益になるわけだ。ところが、永久債には満期がない。だから、「有る時」も気にする必要はない。

こんなことが始まったら、どうなるのか。「有る時問わずの催促なし」がクセになれば、政府の財政節度というものは消えてなくなる。何のためカネをひねり出すか分からない。そんな政府のおねだりのままカネを刷るクセがつけば、通貨価値の番人としての中央銀行の機能も朽ち果てる。

だからこそ、黒田総裁が言う通り、日本でも、日銀による国債の直接引き受けは「現行の法制度のもとでは実施することはできない」ことになっている。財政法第5条に「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、また、借入金の借り入れについては、日本銀行からこれを借り入れてはならない」と明記されているのである。

ところがどっこい、ご用心。この条項にはただし書きがついている。次の通りだ。「ただし、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りではない」。今の日本の状況下では、「特別の事由」について、国会の議決を得ることがあまりにも容易だ。
今度、上空でヘリの音がしたら、要注意だ。間違っても、そのヘリがばらまくお札を拾ってはいけない。そのお札には、毒が塗り込まれている。その毒は、民主主義から制御力を奪う。国家の無謀な経済運営。それに対する民主主義的制御力が、破壊される。 
2016・7・16  はま・のりこ 同志社大教授。



小林
同志社大学って、山口薫がかつて在籍していたところですね。



コメント
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