―「結論(何が言ひたいのかとふこと)」は、(24)に書かれてゐます。―
(01)
{a,b,c}を{個体の領域}とする。
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x(Fx)=Fa&Fb&Fc
② ∃x(Fx)=Fa∨Fb∨Fc
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)∃x∃y(Fx&Fy):選言の、選言。
(ⅱ) ∃x{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
(ⅲ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
然るに、
(04)
(a)
1(1)Fa&Fa A
1(2)Fa 1&E
(b)
1(1)Fa A
1(2)Fa&Fa 11&I
従って、
(04)により、
(05)
(a)Fa&Fa
(b)Fa
に於いて、
(a)=(b)である(冪等律)
従って、
(03)(05)により、
(06)
(ⅰ)∃x∃y(Fx&Fy):選言の、選言。
(ⅱ) ∃x{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
(ⅲ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
(ⅳ){(Fa )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb )∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc )}:冪等律
(ⅴ){(Fa )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb )∨(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc )∨(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}:交換法則
然るに、
(07)
(a)
1 (1)(P&Q)∨(P&R) A
2 (2) P&Q A
2 (3) P 2&E
2 (4) Q 2&E
2 (5) Q∨R 4∨I
2 (6)P&(Q∨R) 35&I
7(7) P&R A
7(8) P 2&E
7(9) R 2&E
7(ア) Q∨R 9∨I
7(イ) P&(Q∨R) 8ア&I
1 (ウ) P&(Q∨R) 1267イ∨E
(b)
1 (1) P&(Q∨R) A
1 (2) P 1&E
1 (3) Q∨R 1&E
4 (4) Q A
14 (5) P&Q 24&I
14 (6)(P&Q)∨(P&R) 5∨I
7(7) R A
1 7(8) P&R 27&I
1 7(9)(P&Q)∨(P&R) 8∨I
1 (ア)(P&Q)∨(P&R) 14679∨E
従って、
(07)により、
(08)
(a)(P&Q)∨(P&R)
(b) P&(Q∨R)
に於いて、
(a)=(b)である(分配法則)。
従って、
(08)により、
(09)
(a)(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)
(b) Fa&(Fb∨Fc)
に於いて、
(a)=(b)である(分配法則)。
従って、
(06)(09)により、
(10)
(ⅰ)∃x∃y(Fx&Fy):選言の、選言。
(ⅱ) ∃x{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
(ⅲ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
(ⅳ){(Fa )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb )∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc )}:冪等律
(ⅴ){(Fa )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb )∨(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc )∨(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}:交換法則
(ⅵ){ Fa ∨ Fa&(Fb∨Fc) }∨{ Fb ∨ Fb&(Fa∨Fc) }∨{ Fc ∨ Fc&(Fa∨Fb) }:分配法則
然るに、
(11)
(c)
1 (1) P∨(Q&R) A
2 (2) P A
2 (3) P∨Q 2∨I
2 (4) P∨R 2∨I
2 (5)(P∨Q)&(P∨R) 34&I
6(6) Q&R A
6(7) Q 6&E
6(8) P∨Q 7∨I
6(9) R 6&E
6(ア) P∨R 9∨I
6(イ)(P∨Q)&(P∨R) 8ア&I
1 (ウ)(P∨Q)&(P∨R) 1256イ∨E
(d)
1 (1) (P∨Q)&(P∨R) A
1 (2) P∨Q 1&E
1 (3)~~P∨Q 2DN
1 (4) ~P→Q 3含意の定義
1 (5) P∨R 1&E
1 (6) ~~P∨R 5DN
1 (7) ~P→R 6含意の定義
8(8) ~P A
18(9) Q 48MPP
18(ア) R 78MPP
18(イ) Q&R 9ア&I
1 (ウ) ~P→(Q&R) 8イCP
1 (エ) ~~P∨(Q&R) ウ含意の定義
1 (オ) P∨(Q&R) エDN
従って、
(11)により、
(12)
(c) P∨(Q&R)
(d)(P∨Q)&(P∨R)
に於いて、
(c)=(d)である(分配法則)
従って、
(12)により、
(13)
(c) Fa∨(Fa&(Fb∨Fc))
(d)(Fa∨Fa)&(Fa∨(Fb∨Fc))
従って、
(10)(13)により、
(14)
(ⅰ)∃x∃y(Fx&Fy):選言の、選言。
(ⅱ) ∃x{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
(ⅲ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
(ⅳ){(Fa )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb )∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc )}:冪等律
(ⅴ){(Fa )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb )∨(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc )∨(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}:交換法則
(ⅵ){ Fa ∨ Fa&(Fb∨Fc) }∨{ Fb ∨ Fb&(Fa∨Fc) }∨{ Fc ∨ Fc&(Fa∨Fb) }:分配法則
(ⅷ){(Fa∨Fa)&(Fa∨(Fb∨Fc)) }∨{(Fb∨Fb)&(Fb∨(Fa∨Fc)) }∨{(Fc∨Fc)&(Fc∨(Fa∨Fb)) }:分配法則
然るに、
(15)
(e)
1 (1)Fa∨Fa A
2 (2)Fa A
3(3) Fa A
1 (4)Fa 12233∨E
(f) 1(1)Fa A
1(2)Fa∨Fa 1∨I
従って、
(15)により、
(16)
(e)Fa∨Fa
(f)Fa
に於いて、
(e)=(f)である(冪等律)。
従って、
(14)(16)により、
(17)
(ⅰ)∃x∃y(Fx&Fy):選言の、選言。
(ⅱ) ∃x{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
(ⅲ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
(ⅳ){(Fa )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb )∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc )}:冪等律
(ⅴ){(Fa )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb )∨(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc )∨(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}:交換法則
(ⅵ){ Fa ∨ Fa&(Fb∨Fc) }∨{ Fb ∨ Fb&(Fa∨Fc) }∨{ Fc ∨ Fc&(Fa∨Fb) }:分配法則
(ⅷ){(Fa∨Fa)&(Fa∨(Fb∨Fc)) }∨{(Fb∨Fb)&(Fb∨(Fa∨Fc)) }∨{(Fc∨Fc)&(Fc∨(Fa∨Fb)) }:分配法則
(ⅸ){(Fa )&(Fa∨(Fb∨Fc)) }∨{(Fb )&(Fb∨(Fa∨Fc)) }∨{(Fc )&(Fc∨(Fa∨Fb)) }:冪等律
従って、
(02)(17)により、
(18)
(ⅰ)∃x∃y(Fx&Fy):選言の、選言。
(ⅱ) ∃x{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
(ⅲ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
(ⅳ){(Fa )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb )∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc )}:冪等律
(ⅴ){(Fa )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb )∨(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc )∨(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}:交換法則
(ⅵ){ Fa ∨ Fa&(Fb∨Fc) }∨{ Fb ∨ Fb&(Fa∨Fc) }∨{ Fc ∨ Fc&(Fa∨Fb) }:分配法則
(ⅷ){(Fa∨Fa)&(Fa∨(Fb∨Fc)) }∨{(Fb∨Fb)&(Fb∨(Fa∨Fc)) }∨{(Fc∨Fc)&(Fc∨(Fa∨Fb)) }:分配法則
(ⅸ){(Fa )&(Fa∨(Fb∨Fc)) }∨{(Fb )&(Fb∨(Fa∨Fc)) }∨{(Fc )&(Fc∨(Fa∨Fb)) }:冪等律
(ⅹ) Fa ∨ Fb ∨ Fc :連言除去
(〃)∃x(Fx)
然るに、
(19)
1 (1) Fa∨Fb∨Fc A
1 (2) Fa∨(Fb∨Fc) 1結合法則
3 (3) Fa A
3 (4) Fa&Fa 33&I
3 (5) (Fa&Fa)∨(Fa&Fb) 4∨I
3 (6) (Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc) 5∨I
3 (7){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)} 6∨I
3 (8){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)} 7∨I
9 (9) Fb∨Fc A
ア (ア) Fb A
ア (イ) Fb&Fb アア&I
ア (ウ) (Fb&Fa)∨(Fb&Fb) ア∨I
ア (エ) (Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc) イ∨I
ア (オ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)} ウ∨I
ア (カ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)} オ∨I
キ(キ) Fc A
キ(ク) Fc&Fc キキ&I
キ(ケ) (Fc&Fb)∨(Fc&Fc) ク∨I
キ(コ) (Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc) ケ∨I
キ(サ) {(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)} コ∨I
キ(シ) {(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)} サ∨I
9 (ス) {(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)} 9アカキシ∨E
1 (セ) {(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)} 1389ス∨E
従って、
(18)(19)により、
(20)
① ∃x∃y(Fx&Fy)
② ∃x(Fx)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(21)
142 ∃x(Fx)├ ∃x∃y(Fx&Fy)
(ⅰ)
1 (1) ∃x(Fx) A
2(2) Fa A
2(3) Fa&Fa 22&I
2(4) ∃y(Fa&Fy) 3EI
2(5)∃x∃y(Fx&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fx&Fy) 125EE
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 翻訳、1973年、210頁)
然るに、
(22)
(ⅱ)
1 (1)∃x∃y(Fx&Fy) A
2 (2) ∃y(Fa&Fy) A
3(3) Fa&Fa A
3(4) Fa 3&E
3(5) ∃x(Fx) 4EI
2 (6) ∃x(Fx) 235EE
1 (7) ∃x(Fx) 126EE
従って、
(21)(22)により、
(23)
① ∃x(Fx)
② ∃x∃y(Fx&Fy)
に於いて、
①=② である。
従って、
(20)(23)により、
(24)
ひとつだけの対象がFをもっているならば、
∃x∃y(Fx&Fy)
ということが帰結する。
言い換えると、
相異なる変数「x」と「y」を用いる場合、そのことから、
それに対応する相異なる対象が存在する。
ということは帰結しないのである。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 翻訳、1973年、210頁)
従って、
(23)(24)により、
(25)
① ∃x(学生x)
② ∃x∃y(学生x&学生y)
に於いて、すなはち、
① あるxについて、(xは学生である)。
② あるxとあるyについて(xは学生であって、yも学生である)。
に於いて、
①=② であるものの、
もちろん、ことことは、「分かり難い」。