日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1024)「同一性(identity)」の「述語論理」(Ⅱ)。

2021-11-24 15:52:34 | 論理

(01)
現在はシアトル・マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めているのは「鈴木(姓)一郎(名)」、
すなはち、「イチロー」である。
従って、
(01)により、
(02)
① 鈴木=イチロー
① 一郎=イチロー
である。
従って、
(02)により、
(03)
① 鈴木は日本人である。一郎は日本人である。従って、少なくとも、2人の日本人が存在する。
といふ「推論」は、「妥当」ではない
然るに、
(04)
② 鈴木は日本人である。佐藤は日本人である。従って、少なくとも、2人の日本人が存在する。
③ 鈴木は日本人である。佐藤は日本人である。渡辺は日本人である。従って、少なくとも、3人の日本人が存在する。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① xは日本人であって、yは日本人であって、尚且つ(x=y)であるならば、少なくとも、1人の日本人が存在し、
② xは日本人であって、yは日本人であって、尚且つ(x≠y)であるならば、少なくとも、2人の日本人が存在する。
③ xは日本人であって、yは日本人であって、zは日本人であって、尚且つ(x≠y,x≠z,y≠z)であるならば、少なくとも、3人の日本人が存在する。
従って、
(05)により、
(06)
「日本語」で言ふと、
① あるxはFであって、いかなるxとyであっても{(xがFであって、yもFである)ならば、xとyは「同一」である}。
とするならば、
唯一のFが、存在する。
従って、
(06)により、
(07)
「記号」で書くと、
① ∃x(Fx)&∀x∀y{Fx&Fy→(x=y)}
であるならば、
唯一のFが、存在する。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1  (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1  (2)∃xFx                 1&E
 3 (3)  Fa                 A
1  (4)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 1&E
1  (5)       ∀y(Fa&Fy→a=y) 4UE
1  (6)          Fa&Fb→a=b  5UE
  7(7)             Fb      A
 37(8)          Fa&Fb      37&I
137(9)                a=b  68MPP
13 (ア)          Fb→a=b     79CP
13 (イ)       ∀y(Fy→a=y)    アUI
13 (ウ)    Fa&∀y(Fy→a=y)    3イ&I
13 (エ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}   ウEI
1  (オ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}   23エEE
(ⅱ)
1  (1)    ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
 2 (2)       Fa&∀y(Fy→a=y)  A
 2 (3)       Fa             2&E
 2 (4)    ∃x(Fx)            3EI
1  (5)    ∃x(Fx)            124EE
1  (6)          ∀y(Fy→a=y)  2&E
1  (7)             Fb→a=b   6UE
  8(8)          Fa&Fb       A
  8(9)             Fb       8&E
1 8(ア)                a=b   79MPP
1  (イ)          Fa&Fb→a=b   8アCP
1  (ウ)       ∀y(Fa&Fy→a=y)  イUI
1  (エ)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  ウUI
1  (オ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  5エ&I
従って、
(08)により、
(09)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∃x{Fx &  ∀y(   Fy→x=y)}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(10)
(ⅱ)
1 (1) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
 2(2)    Fa&∀y(Fy→a=y)  A
 2(3)    Fa             2&E
 2(4)       ∀y(Fy→a=y)  2&E
 2(5)          Fb→a=b   4UE
 2(6)         ~Fb∨a=b   5含意の定義
 2(7)        ~(Fb&a≠b)  6ド・モルガンの法則
 2(8)      ∀y~(Fy&a≠y)  7UI
 2(9)      ~∃y(Fy&a≠y)  8量化子の関係
 2(ア)   Fa&~∃y(Fy&a≠y)  39&I
 2(イ)∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)} アEI
1 (ウ)∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)} 12イEE
(ⅲ)
1 (1)∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)} A
 2(2)   Fa&~∃y(Fy&a≠y)  A
 2(3)   Fa              2&E
 2(4)      ~∃y(Fy&a≠y)  2&E
 2(5)      ∀y~(Fy&a≠y)  4量化子の関係
 2(6)        ~(Fb&a≠b)  UE
 2(7)         ~Fb∨a=b   6ド・モルガンの法則
 2(8)          Fb→a=b   7含意の定義
 2(9)       ∀y(Fy→a=y)  8UI
 2(ア)    Fa&∀y(Fy→a=y)  39&I
 2(イ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} アEI
1 (ウ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 12イEE
従って、
(10)により、
(11)
② ∃x{Fx& ∀y(Fy→x=y)}
③ ∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(08)~(11)により、
(12)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∃x{Fx &  ∀y(   Fy→x=y)}
③ ∃x{Fx & ~∃y(   Fy&x≠y)}
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(12)により、
(13)
それ故、正確に1つのものがFをもつと言うことは、つぎのように言うことである。
  (16)∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
さて(16)は、実はより短くすっきりとした次の式と導出可能なのである。
  (17)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
(17)は、あるものがFをもち、そして任意のFをもつものはまさにそのものにほかならない、ということを主張する。
正確に1つのものがFをもつということの、いまひとつの言いかたがある。しかるに、まだもっと明瞭であるかも知れない、第3の同値な式がある。すなわち、
  (18)∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)}
― Fをもつものが存在し、その他のいかなるものもFをもつことはない。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 翻訳、1973年、211・212頁)
といふ「説明」は、「正しい」。
従って、
(12)(13)により、
(14)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∃x{Fx &  ∀y(   Fy→x=y)}
③ ∃x{Fx & ~∃y(   Fy&x≠y)}
に於いて、すなはち、
① あるxはFであって、いかなるxとyであっても{xがFであって、yもFであるならば、xとyは「同一」である}。
② あるxについて{xはFであって、いかなるyであっても、yがFであるならば、xとyは「同一」である}。
③ あるxについて{xはFであって、x=yではない所の、Fであるyは、存在しない}。
に於いて、
①=②=③ である。