日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(1022)∀x∀y(Fx&Fy→x=y)は「かなり、難解である」。

2021-11-22 18:13:27 | 論理

―「先程(令和03年11月22日)の記事」を書き直します。―
(01)
(a)
1  (1)∀x∀y(~Fx&~Fy&x=y)  A
1  (2)  ∀y(~Fa&~Fy&a=y   1UE
1  (3)     ~Fa&~Fb&a=b   2UE
1  (4)     ~Fa           3&E
1  (5)     ~Fa∨~Fb       4∨I
1  (6)    (~Fa∨~Fb)∨a=b  5∨I
 7 (7)    (~Fa∨~Fb)      A
 7 (8)    ~(Fa& Fb)      7ド・モルガンの法則
 7 (9)    ~(Fa& Fb)∨a=b  8∨I
  ア(ア)              a=b  A
  ア(イ)    ~(Fa& Fb)∨a=b  ア∨I
1  (ウ)    ~(Fa& Fb)∨a=b  179アイ∨E
1  (エ)      Fa& Fb →a=b  ウ含意の定義
1  (オ)   ∀y(Fa& Fy →a=y) エUI
1  (カ) ∀x∀y(Fx& Fy →x=y) オUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x∀y(~Fx&~Fy&x=y)
② ∀x∀y( Fx& Fy→x=y)
に於いて、
①ならば、②である。
然るに、
(03)
(b)
1  (1)∀x∀y(~Fx&~Fy&x=y) A
1  (2)  ∀y(~Fa&~Fy&a=y) 1UE
1  (3)     ~Fa&~Fb&a=b  2UE
1  (4)     ~Fa&~Fa      33=E
1  (5)     ~Fa          4&E
1  (6)  ∀x(~Fx)         5UI
 7 (7)  ∃x( Fx)         A
1  (8)     ~Fa          6UE
  9(9)      Fa          A
1 9(ア)     ~Fa&Fa       89&I
17 (イ)     ~Fa&Fa       79ア&I
1  (ウ) ~∃x( Fx)         7イRAA
従って、
(03)により、
(04)
① ∀x∀y(~Fx&~Fy&x=y)
③   ~∃x( Fx)
に於いて、
①ならば、③である。
従って、
(04)により、
(05)
① ∀x∀y(~Fx&~Fy&x=y)
③ Fであるxは、存在しない。
に於いて、
①ならば、③である。
従って、
(02)(05)により、
(06)
① ∀x∀y(~Fx&~Fy&x=y)
② ∀x∀y( Fx& Fy→x=y)
③ Fであるxは、存在しない。
に於いて、
①ならば、②であって、
①ならば、③である。
従って、
(06)により、
(07)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
③ Fであるxは、存在しない。
に於いて、
①と③は、「同時に真(本当)」であることが、「可能」である。
然るに、
(08)
1 (1)∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1 (2)  ∀y(Fa&Fy→a=y) 1UE
1 (3)     Fa&Fb→a=b  2UE
 4(4)∀x∀y(Fx&Fy)     A
 4(5)  ∀y(Fa&Fy)     4UE
 4(6)     Fa&Fb      5UE
14(7)           a=b  36MPP
14(8)        ∀y(a=y) 7UI
14(9)      ∀x∀y(x=y) 8UI
従って、
(08)により、
(09)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)&∀x∀y(Fx&Fy)
② ∀x∀y(x=y)
に於いて、
①ならば、②である。
然るに、
(10)
1 (1) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1 (2)   ∀y(Fa&Fy→a=y) 1UE
1 (3)      Fa&Fb→a=b  2UE
 4(4)∀x∀y~(Fx&Fy)     A
 4(5)  ∀y~(Fa&Fy)     4UE
 4(6)    ~(Fa&Fb)     5UE
14(7)            a≠b  36??
14(8)         ∃y(a≠y) 7EI
14(9)       ∃x∃y(x≠y) 8EI
といふ「計算」は、「デタラメ(前件否定の誤謬)」である。
従って、
(06)(10)により、
(11)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∀x∀y(x=y)
③ ∃x∃y(x≠y)
に於いて、
①であるならば、 ②であり得ても、
①であるとしても、③ではない。
然るに、
(12)
② ∀x∀y(x=y)
であるならば、すなはち、
② すべてのxとyについて(xとyは同一である)。
であるならば、
②「個体変数(individual variable)」である所の、x(y)は「一つ」しか存在しない。
cf.
「すべての自然数が、2に等しい」とするならば、「自然数は、2といふ、唯一の数である」。
といふことになり、このことは「事実」ではないが、「論理的には、正しい」。
従って、
(09)~(12)により、
(13)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
②「個体変数(individual variable)」である所の、x(y)は「一つ」しか存在しない。
に於いて、
①と②は、「同時に真(本当)」であることが、「可能」である。
従って、
(07)(13)により、
(14)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
②「個体変数(individual variable)」である所の、x(y)は「一つ」しか存在しない。
③ Fであるxは、存在しない。
に於いて、
①と②は、「同時に真(本当)」であることが、「可能」である。
①と③も、「同時に真(本当)」であることが、「可能」である。
従って、
(14)により、
(15)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
① すべてのxとyについて(xがFであってyもFならば、xとyは、同一の個体である)。
といふ「論理式」は、
① Fを持つものが存在しないことも、またFをもつ1つのものが存在することを許すが、Fをもつものが、2つ以上存在ることを、許さない。
従って、
(15)により、
(16)
 (15)∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
― 対象xおよびyをとるとする。するとそれらのいずれもFをもつならば、それらは同一である。この式は、Fを持つものが存在しないことも、またFをもつ1つのものが存在することを許す。しかし1つより多いものが存在するらば、それは明らかに偽となる。故に(15)は、多くとも1つのものがFをもつということを、主張するのである。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 翻訳、1973年、211頁)