新栄堂の占い日記

私はプロの占い師ですが、鑑定をしながら日頃感じる事…を書いております。

古事記(イザナキ・イザナミ)

2015年12月13日 | 暦・風水・その他
ある日のこと…
最初天つ神たちが合議をした。
その上で、イザナキノ神(男神)とイザナミノ神(女神)を呼び出し、こう言いつけた。
「地上はいまだに水に浮かぶ脂のように浮遊しているばかり。この天沼矛(アメノヌホコ)を持って地上を固め整えよ」。
そこで、二人の神は神聖な矛を持って、天地を結ぶ天の浮橋に立って地上をかき回した。
すると、矛の先から滴る潮が積り、島になった。この島の名をオノゴロ島(淤能碁呂島=自凝島)という。

イザナキノ神とイザナミノ神の二人は、さっそくオノゴロ島に降り立った。
そして、天の御柱(神聖な柱)を建て、それを中心に広い御殿を建てた。
そこでイザナキ(男の神)は、イザナミ(女の神)の目をじっと見つめて、こう聞いた。
「あなたの体は、どの様にできているのですか?」
エッ…イザナミは素直に答えた。
「私の体は成り成して、成り合わないところが一ヵ所あります」
エッ…裂け目があるというのか…?
そこでイザナキは、ずばり言う。
「私の体には、成り成りて、成りあまったところが一ヵ所ある」。
エッ…余計な出っ張りがあるって?…どういうことかしら、という顔つきのイザナミに、イザナギはこう畳みかける。
私の余計な出っ張りで、あなたの裂け目を刺し塞ぎたい。…イザナギは男女の営みを提案した。
なんですって…気色ばんだ様子のイザナミに、
いや、そうすることで子(国)を生もうと思うのだが…
なるほど…そういうことなのね。イザナミはイザナギの申し出に同意した。
二人は儀式をしてから夫婦のかため(交わり)を結ぶことにした。

立てたばかりの神聖な柱をめいめい右と左から巡り合い、出会ったところで声を掛け合い、それから寝所に入る事にした。
『イザナキは柱の左から、イザナミは柱の右から回った。』
この柱を回る儀式は、作物のできがいいことを願う呪術的儀礼に由来するようだ。
二人が出会うと、女神のイザナミのほうから先に声をかけた。
「ああ、なんてすばらしい男の方でしょう」
「ああ、なんてすばらしい乙女だろう」
互いに共感したあと、イザナキはイザナミにこう小言を言った。
「女が先に声をかけたのはよくないしるしだ」
けれどもそのまま寝所に入った。
そして、イザナキは自分の成りあまれるもので、イザナミの成り合わぬところを刺し塞いだ。

こうして生まれた子どもは様子がおかしかった。骨のない蛭のような水蛭子(ひるこ)だった。
そのため葦の舟に乗せて海に流し捨てた。
次にイザナミは淡島を生むが、これもできそこないの島で、御子の数には入れなかった。
(なぜなんだ…)
できそこないが生まれたことを理解できない二人は、天つ神の意見を聞いてみようと、オノゴロ島から高天原(たかまのはら)に戻った。

イザナキ・イザナミの話を聞いた天つ神は、吉凶を判断する占いをさせた上で二人にこう言った。
「女から先にものを言ったのがよくない。もう一度やり直すのが良い」

二人は再びオノゴロ島に下ると、また柱を巡り回って今度はイザナキのほうから先に声をかけた。
「ああ、なんてすばらしい乙女だろう」
「ああ、なんてすばらしい男の方でしょう」
こうして寝所にこもってまぐわった結果、今度は立派な島々をイザナミは生んだ。

※ この神話には非常に意味深いものがあるようです…。
1.歴史の最初に違反(女から男に声をかけた)があり、その結果、変な子が生れた。
2.しかし、もう一度正しくやりなおしたら、今度は良い子が生れた。

似た様な話が聖書にもある。
創世記3章
女がその木を見ると、それは食べるに良く、目には美しく、賢くなるには好ましいと思われたから、その実を取って食べ、また共にいた夫にも与えたので、彼も食べた。…失楽園の物語です。

太極から陰陽が分れ生じます。
無形なる陽は天となり、有形なる陰は地となります。

(陽):無形・天・男・心
(陰):有形・地・女・体

本来、男も女も等しく尊いもので平等です。
地(大地)があっても天(太陽)が無ければ食物は育ちません…両方が必要だと思います。
また、本来の陰陽の関係は、陽が主体で陰が対象なのかも知れません…。
例えば、心(陽)も体(陰)も共に大切だが、心の方が中心だと思います。
歴史の最初に陰陽の関係が逆になってしまったのでしょう…。
心が正しく肉欲を治める必要があるのでしょうね…。

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コメント (3)
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