今日は成人の日。コロナ禍で式典中止の自治体が多いが、新成人の皆さん、おめでとうを言わせてもらいます。日本を、世界を良き方向に引っ張っていく人材になるべく、大人の道を歩んでください。
成人の日には、サントリースピリッツ(株)のコマーシャルで、伊集院静氏のお祝いの言葉が載ります。4回目の成人の日を越えた婆さんでも、これが好きで読んでいます。今年も心覚えにブログに引き写して今日の記事にいたします。ちなみに、伊集院静氏は高校の後輩です。
新成人おめでとう。
今日から大人だと言われても、そんなはずはないと、君は思うだろう。私の時もそうだった。
大人って何だろうか?
(中略 今年はいつもの年と違っている。コロナの中の成人式だ)
様々な感染症が人類を襲って千五百年が過ぎたが私たちは一度も彼らに敗れていない。
____なぜ敗れなかったか?
それは、私たちの祖先がひたむきに耐え、考え、知恵を出し、脳漿をしぼり、懸命にベストを尽くしたからだ。そして何より、明るい未来が待っていることを信じたからだと思う。君たちにはそれらを実行するパッション、情熱が胸の中に受け継がれているんだ。
そんなに頑張っている君たちに今年もまた同じ言葉を贈ります。生きる道が目の前にあり、それが登り坂と下り坂なら、登り坂を選びなさい。むかい風と追い風ならむかい風に立ちなさい。困っている人に手を差しのべる勇気を持とう。
今は、少し辛いが、必ず笑える日はやって来る。それを信じて歩き続けよう。自分だけのためではなく、誰かのために!それが人間の品性だ。品格だ。コロナの中の新成人諸君、情熱を信じて胸を張れ、今は少し辛いが、20歳は乾杯ができる。君の顔に差すまぶしい夕日に汗を拭って乾杯しようではないか。
君たちの情熱に乾杯。 伊集院静
私の頃は、今のような派手な成人式は望むべくもありませんでした。一張羅の、入学式に着たタイトスカートのスーツを着ただけで、ぎゅうづめの小学校の講堂に、体育座りをしてお祝いの言葉を聞いた覚えがあります。
それから何年かたって、多分私はすでに母親になっていたと思いますが、「天声人語」にこんな言葉が載っていました。成人の日に寄せる、若者に与える言葉でした。
「君たちは今日成人しました。今までは大人から庇われて生きてきました。今日からは自分の脚で歩むのです。自分のために歩むだけではありません。重い荷物と、軽い荷物があるときには重い荷物を進んで持つ人にならなければなりません。それが成人というものです」という風な言葉でした。今でも心の奥底に覚えています。