寝正月は本を読んで過ごそうと借りていた図書館の本を返しに行きました。前の緊急宣言の時は図書館、本屋、全てが閉店で、読む本が無くなり、山口の娘から、読み終わったものを急遽送ってもらってしのいだのでした。
電話をかけてみると、今回はやっているとのこと、助かった。でも、こんなところも締め付けは緩く、小さな優しさが重なると、人間心が緩んでくるのでしょうか。締めるべきところは締めるという風にはいかないものかしら。
当分続く気配のお家生活に備えて新たに借りて帰途につきました。
帰り道に、井の頭線を跨ぐ橋を渡ることになります。1歳過ぎくらいの男の子でしょうか、金網越しに電車を見ています。橋の片方の網越しに見送って、すぐに反対側に。駅で止まっている電車のお尻が見えます。大満足のようです。
目が合いました、「こんにちは」と言いかけると丸いおめめで見つめます。
ママが「こんにちは、電車が大好きなのです。ここでいつもしばらく遊ぶのですよ。羽根木公園で遊び、電車を見て、半日遊ぶのです。密にならない公園は子どもには貴重です」と。「そうですよね、私もウオーキングに行くのですよ」とつかの間の立ち話。
見慣れてきたのか、よほどご機嫌がよかったのか、人懐っこく笑って、抱っこをせがむように手を差しのべてきます。可愛い!!抱き取りたい!!でもこのご時世です。図書館でアルコール消毒はしてきたばかりですが、やはりやめておくべきですよね。
「ごめんね。今日は抱っこ止めましょうね。今度また橋の上で出会ったら抱っこするからね」
なんだどうして抱っこしてくれないの、とでも言うように、可愛い笑顔でせがむ子を見ていると不意に泣けそうになります。
人と人の小さなつながりまでを止めざるを得ない生活、辛い。手を出しても拒否された冷たい一瞬をおぼえないでね。寂しいけれど、きれいさっぱり忘れてしまってね。