緊急事態宣言発令中の大相撲が、昨日無事千秋楽を迎えました。
お家生活で益々テレビ老人になっている夫は早々と2時ころからテレビ桟敷で待ち構えています。日頃あまり会話のない二人ですが、大相撲の間は少し会話が増えます。
無観客で始まった場所、ガラ~んと空いた会場で、力士のまわしをたたく音がやけに響きます。やはり寂しい。6日目からでしたか、観客を5千人入れて、拍手に救われた思い。でもやはり・・・。横綱不在、大関二人の不振、後に若手が活躍して徐々にこちらも慣れては来ましたが。
照ノ富士一人が突っ走り、もう優勝はきまり!という雰囲気になってきました。ところが、今場所はここからが盛り上がりました。照ノ富士の不運な反則負け、貴景勝の頑張り、そして写真の遠藤との物言い3分の大一番。とうとう同星・決定戦にもつれ込みました。
大興奮の中、決勝戦を照ノ富士が制し、来場所は横綱を目指すことで今場所は終わりました。
照ノ富士は一度大関をつとめ、横綱を目前にしていた力士です。ところが好事魔多しがこの世界のたやすくないことを言い表しています。、膝の大怪我、それに加えて、糖尿病、肝臓炎など、一時は序二段まで地位を落としました。引退を親方に申し出たことも再三だったが、「とにかく今は病気ケガを直すことに賭けよう。ほかのことは後で考えよう」という言葉で、出来るリハビリで日々を過ごしたということです。部屋の同僚もあたたかく接してくれた。ファンの方も応援してくれた、その優しさに助けられて、基礎の基礎から鍛え直して一段また一段と上を目指しました。身体も回復してきましたが、逆境に耐える精神も鍛えられたと言います。「今できることを力いっぱいやる」。大関から落ちた人が、二場所以内にもう一度大関へ、これさえ、珍しい出来事です。それを序二段からやりおおせたのです。大関に返り咲いただけでなく、来場所は横綱に王手です。頑張れ!!
自分でも、大回りしたからもう残された相撲人生はそれほど長くないと自覚している。その残された時間、目いっぱい上を目指す、とのこと。応援してるよ!!
上の写真の勝負を見ていて思い出しました。
今、若い方たちが思い浮かべる「貴乃花」ではなく、彼のお父さんの「貴ノ花」です。髷が付いたのが相手より一瞬早かったという判定で、星を一つ落としたのです。インタビューで記者が聞きました。「髷がなかったら、勝っていましたよね。残念でしたね」と。
爽やかに答えたのです。
「髷があっての相撲取りです」。潔さ、当分話題になったものです。