車椅子を借りてきたものの、それは病室から車までで、
我が家の車庫から玄関までは多くの段差があって使えない。
さりとて室内もバリアフリーになっていなくて、まともに使えない。(トランクに積んだまま)
娘と2人掛かりで両脇を抱えてベッドまで移動すると、倒れこむように横になった。
天気が良ければ車椅子で散歩でも、と思っていたが、今回はそれどころではない様子。
熱は無いが、「体が抜けるようにしんどい」と横になったままで、痛み止めのレスキューを飲み、眠り続けた。
それでも、「病院よりずっといいよ、いつも皆んなが傍にいてくれるもの」
時折、孫達がきて腕を擦ってくれたり、賑やかに喋ったりするのを目を閉じて聞いている。
聞いているのか眠っているのかわからないが、顔つきは穏やか。馴れ親しんだ家具や藍の食器類などに囲まれて心安らぐのであろうか。
初夏の陽気であった。