連休で久しぶりに実家にもどってくつろいでいると、母親がうれしそうに何かをもってくる。
「片付けをしてたら、こんなものが出てきたんだよ」
-平成〇〇年度 タカシの個別教育計画 〇月〇日更新-
なんてことがあったら怖い。
めくってみると6年分が重なっている。中身は一定の形式の表だ。
健康面、生活習慣、学習面、友達等とのコミュニケーション、社会性、今後の方針。
そして、下の方に、関心、意欲、態度とあってチェックボックスまでついている。
「お母さんもおまえのためにがんばったんだよォ」
そんな母親の横で内容を読んでみる。
健康面…「ここ半年は良好。早めの就寝が大切」
生活習慣…「日常的な生活習慣は概ねできてるが、確実性がない。特に帰宅後手洗いを忘れること、やさい(ピーマン)を残すこと…」
学習面…「算数が苦手。分数と少数で少しつまづき、好きだった図形も理解が遅い。新しいドリルにして…」
友達等…「もう少し友達が多いといい。特に女の子は苦手のようで…、分け隔てなく…、学校の先生とも相談してみる」
社会性…「テレビ番組も厳選して…、ニュースや教養番組について家族で話し合って…」
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今後の方針…「テレビゲームは癖になるのでマサオくんからのテレビゲームは借りないこと。5年生になったらサピックスに行かせるので…」
そして、最後のチェックボックスにはどれにもチェックがない。(えっ、失礼な!。)
だまって、それをテーブルに置くと、母親はけげんな顔をしている。
こんなこと実際はないと思うが、「計画」は熱心であるほど「ボク」から離れていく危険がある。
この時期のボクは、4人の友達と戯れるのが楽しくて仕方がなかった。将来には夢もあったし不安もあったけど友達と一緒ならなんとかなると思っていた。
でも、いつでもどこか必死だった。いじめられたりいじめたりは多少はあったし、やっぱり母が言うように成績は気になった。その中で大事なことの優先順位をそれなりにつけてやってきた。
で、その「生きる術」の延長線上に大人になったボクがある。
でも、あの時母のすすめで行ったサピックスで頑張ったことは今の仕事に通じているような気がする。
個別の教育計画と子どもの側からの「成長計画」との関係を考えてみる。