(写真)いいねーと思って撮りますが花の名前わかりません。
※ しばらく文章の雰囲気が違います。違和感があると思います。
1 タナカ
「課員のみなさんの誠実がわが社の商品そのものです」というあいさつが定番の課長タナカは彼自身も誠実だ。
課の事業に対する構想力がある。課の事業と全社の利益と社会還元性は一致するはずだと信じている。
だから人事評価は得意で部下をよく見て将来を見据えた評価ができる。
そしてなんとなく自分が活力に溢れて働いている姿が周囲にとっても良いことと感じている。
そんなタナカはディズニーランドにいた。休日家族サービスで前日までの残業をおして出てきた。太陽がまぶしい。
で、子どもに手を引かれてパレードだかを見ることになり、やれやれ路上に体育すわりである。
何か、賑やかにキャラクターが手を振って通りすぎる。それにしても太陽がまぶしい。
その時、突然トラみたいのに腕をつかまれたのである。!。
しばらく事態を呑み込めなかったが、パレードに参加せよというらしい。
「困った」
頭は昨日の商談のことが回っていたが強制終了。
この状況に合ったモードを高速回転で検索するころには5~6メートルトラに引きずられている。
あれ、ここはステージだ、と思ったときタナカは課長から離れた。
周囲がよく見える。風船をもつ女の子、向こうにはおじいちゃんとおばあちゃん。もちろん学生のグループも見えた。
こうなると自然に体が動いた。トラの歩幅に合わせて手を組んで歩くと右に左に手を振っている。
なんだかやたらに機転が利いて、片足を引きつつ隣のクマに挨拶をしたりしている。
なんだかみっともないことになったと反省したが気分はまんざらでもない。奥さんに「やるだろう」とか言っている。
こういう自分もあったと久しぶりに感じた。
2 スズキ
スズキは病院で事務をしている。最近通期途中の駅に出来たホットヨガに通っている。事務で肩も凝るし、腰にも負担がかかると親には言っているが、前から新しいものが好きだ。
仕事は単調に感じるが気分転換は早い。車内で「ネールアート格安」なんて検索しつつ、「ホントは関心ないけどねー」と心で弁解している。
ある日、久しぶりに姉からラインがきた。育児に忙しいお姉ちゃんからなんだろう?。
折り返して電話すると苦しそう。 第2子の出産が早まり入院することのなったの上の子をしばらく見てほしいという。
家に駆けつけると、甥っ子がニヤッと笑って待っていた。手に連結したままのプラレールをぶら下げている。靴下は片方はいてない。
それからが大変だった。助けてあげようというのにその好意を受付ない人というの厄介であることを初めて知った。
命、次に健康、それ以上は考えられなかった。掃除も、洗濯も、食事も、その片付けも、御用聞きの対応もスムースにいかない。
今度は、このレゴで駅を作ってほしいと言っている。
少し病院事務が恋しくなってきた3日目の夜。
子どもというのはこっちの気持ちを緩めると分かるのかな?。
甥っ子はようやく布団で眠ったようだ。
やれやれ、髪をかき上げつつ、ソファにすわると、幼児用品のカタログがある。こんなのあったのか、とペラペラをめくる。
……面白い!。(こんなものを面白く思うなんて!。)
この服が似合うだろう、こんなおもちゃはウケルかもしれない、これはなるほど便利だ…。
もう、ネールアートのことは忘れている。
3 ヤマダ
ヤマダは都心の中学生の中ではミニ四駆好きは少数派だ。少し地味なタイプ。
小学まではパワー重視だったが、最近はボディのカラーリングに凝っている。
「ミニ四駆にフェラーリカラーは似合わない」という。
色を配合して丹念に筆で塗る。
「お父さんに似たのね。」
と母はいう。
その父とは、平日はほとんど顔を合さない。いそがしいらしい。
日曜日の朝、
「スピーカケーブルを変えたからボーカルが前にでてきただろう。」
と言いながら、嬉しそうにコーヒーを入れ、新聞を眺めている。
父のこの時間の持ち方。
山田はその横でミニ四駆の駆動をチェックしている。
そんな中、父の仕事の関係で地方都市に転居をすることになった。学校もかわる。
新しい教室は天井が高くて、窓の向こうの方に「盆栽みたいな松」がきれいだった。
「誰でもそう」と心で繰り返し不安な何日が過ぎて、少し回りが見えはじめるとミニ四駆が好きそうな子もいることが分かってきた。
「わりとどこの中学生も一緒だな」
と思うとなんだか気分が落ちついてきた。授業の進度が前の学校より遅かったことも幸いした。
慣れてくると駅前の学習塾にも通うことになった。
「これも一緒だな」
と少し暗い気分になっている。受験も見えてきている。
慣れないバスから降りると、慣れない駅前。また不安。
しかし、駅前広場を塾の方にむかって半周するとき、カフェのチェーン店D、父の好きなオーディオメーカTの支店があることがなんとなく印象に残った。
転校して3か月、ヤマダは成長してきていた。
つづく。
※ しばらく文章の雰囲気が違います。違和感があると思います。
1 タナカ
「課員のみなさんの誠実がわが社の商品そのものです」というあいさつが定番の課長タナカは彼自身も誠実だ。
課の事業に対する構想力がある。課の事業と全社の利益と社会還元性は一致するはずだと信じている。
だから人事評価は得意で部下をよく見て将来を見据えた評価ができる。
そしてなんとなく自分が活力に溢れて働いている姿が周囲にとっても良いことと感じている。
そんなタナカはディズニーランドにいた。休日家族サービスで前日までの残業をおして出てきた。太陽がまぶしい。
で、子どもに手を引かれてパレードだかを見ることになり、やれやれ路上に体育すわりである。
何か、賑やかにキャラクターが手を振って通りすぎる。それにしても太陽がまぶしい。
その時、突然トラみたいのに腕をつかまれたのである。!。
しばらく事態を呑み込めなかったが、パレードに参加せよというらしい。
「困った」
頭は昨日の商談のことが回っていたが強制終了。
この状況に合ったモードを高速回転で検索するころには5~6メートルトラに引きずられている。
あれ、ここはステージだ、と思ったときタナカは課長から離れた。
周囲がよく見える。風船をもつ女の子、向こうにはおじいちゃんとおばあちゃん。もちろん学生のグループも見えた。
こうなると自然に体が動いた。トラの歩幅に合わせて手を組んで歩くと右に左に手を振っている。
なんだかやたらに機転が利いて、片足を引きつつ隣のクマに挨拶をしたりしている。
なんだかみっともないことになったと反省したが気分はまんざらでもない。奥さんに「やるだろう」とか言っている。
こういう自分もあったと久しぶりに感じた。
2 スズキ
スズキは病院で事務をしている。最近通期途中の駅に出来たホットヨガに通っている。事務で肩も凝るし、腰にも負担がかかると親には言っているが、前から新しいものが好きだ。
仕事は単調に感じるが気分転換は早い。車内で「ネールアート格安」なんて検索しつつ、「ホントは関心ないけどねー」と心で弁解している。
ある日、久しぶりに姉からラインがきた。育児に忙しいお姉ちゃんからなんだろう?。
折り返して電話すると苦しそう。 第2子の出産が早まり入院することのなったの上の子をしばらく見てほしいという。
家に駆けつけると、甥っ子がニヤッと笑って待っていた。手に連結したままのプラレールをぶら下げている。靴下は片方はいてない。
それからが大変だった。助けてあげようというのにその好意を受付ない人というの厄介であることを初めて知った。
命、次に健康、それ以上は考えられなかった。掃除も、洗濯も、食事も、その片付けも、御用聞きの対応もスムースにいかない。
今度は、このレゴで駅を作ってほしいと言っている。
少し病院事務が恋しくなってきた3日目の夜。
子どもというのはこっちの気持ちを緩めると分かるのかな?。
甥っ子はようやく布団で眠ったようだ。
やれやれ、髪をかき上げつつ、ソファにすわると、幼児用品のカタログがある。こんなのあったのか、とペラペラをめくる。
……面白い!。(こんなものを面白く思うなんて!。)
この服が似合うだろう、こんなおもちゃはウケルかもしれない、これはなるほど便利だ…。
もう、ネールアートのことは忘れている。
3 ヤマダ
ヤマダは都心の中学生の中ではミニ四駆好きは少数派だ。少し地味なタイプ。
小学まではパワー重視だったが、最近はボディのカラーリングに凝っている。
「ミニ四駆にフェラーリカラーは似合わない」という。
色を配合して丹念に筆で塗る。
「お父さんに似たのね。」
と母はいう。
その父とは、平日はほとんど顔を合さない。いそがしいらしい。
日曜日の朝、
「スピーカケーブルを変えたからボーカルが前にでてきただろう。」
と言いながら、嬉しそうにコーヒーを入れ、新聞を眺めている。
父のこの時間の持ち方。
山田はその横でミニ四駆の駆動をチェックしている。
そんな中、父の仕事の関係で地方都市に転居をすることになった。学校もかわる。
新しい教室は天井が高くて、窓の向こうの方に「盆栽みたいな松」がきれいだった。
「誰でもそう」と心で繰り返し不安な何日が過ぎて、少し回りが見えはじめるとミニ四駆が好きそうな子もいることが分かってきた。
「わりとどこの中学生も一緒だな」
と思うとなんだか気分が落ちついてきた。授業の進度が前の学校より遅かったことも幸いした。
慣れてくると駅前の学習塾にも通うことになった。
「これも一緒だな」
と少し暗い気分になっている。受験も見えてきている。
慣れないバスから降りると、慣れない駅前。また不安。
しかし、駅前広場を塾の方にむかって半周するとき、カフェのチェーン店D、父の好きなオーディオメーカTの支店があることがなんとなく印象に残った。
転校して3か月、ヤマダは成長してきていた。
つづく。