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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

6月7日懇談会報告

2009年06月24日 | 暴走する都教委
 6月7日、新年度はじめての都立学校保護者ねっとわーく懇談会をいたしました。
 スペシャルゲストに元都立三鷹高校校長の土肥信雄先生をお迎えして3時間じっくり話し合うことができました。
 出席の方々は
 鷺宮高校、世田谷泉高校、杉並総合高校、井草高校、石神井高校、豊島高校、千歳が丘高校などの現役保護者、
 および戸山高校、北園高校、日比谷高校、新宿高校、桜町高校、北多摩高校などの元保護者およびOB含む18人でした。
 自己紹介のあと、いまの都立高校に対して感じているさまざまな疑問や問題点が出されました。
 それらに対して土肥先生が、小学校や高校の教員経験および校長経験にもとづくコメントがありました。(以下主な内容を要約)
Aさん:保護者会に出ても、通りいっぺんの説明しかなく、先生たちとあまり話ができない。小学校では先生ともっといろいろな話をすることができた。中学、高校では保護者会の持ち方というようなルールはあるのか
土肥先生:そのような指導は一切ない。小学校に比べると高校は一般に閉鎖的だ。それに対して都教委が出した「学校を開く」という方針自体はいいが、都教委は都合の悪いことには目を向けない。
 授業公開や参観で、学校をオープンにして、生徒や保護者がたえずチェックしていくことが必要だ。
Bさん:PTA会長として学校連絡協議会に当初から参加したが、都教委の意向に沿わないメンバーを外すようになった。いまは完全に校長を支援するための組織だ。
土肥先生:閉鎖性のゆえに都教委からつっこまれる。学校連絡協議会やPTAでいろいろな声を出すことが学校の健全化につながる。
 いわゆるモンスターペアレントが来るとしてもきちっと答える能力が必要で、だめなものはだめだと言うべき。ただしなぜだめかの理由をきちんと説明することが必要だ。
Cさん:どうして校長が都教委に対して何も言えないのか。
土肥先生:校長会で意見を言うのは僕だけ。ひとつには自分の身がかわいいということがあるだろう。また過去に校長が教職員組合に対して多勢に無勢だった経験から、組合に対して感情的な反発があり、都教委の方針に追従する向きもある。
Dさん:不登校や、中退者への対応として開校した3部制の高校では、規則や遅刻に厳しいし、そのような生徒への対応になっていない。子供は学校へ行かない方がのびのび育った。
 また3部制の高校では行きたい大学の受験に必要な科目が履修できないことがわかった。どうしたらいいのか。
土肥先生:3部制はハードスケジュールで運営上は無理が多い。
 もともとは定時制を統廃合して作った学校なので履修計画も定時制対応になっている。学校で学べない科目は自分でやるか高校卒業程度認定試験などの制度を利用することになる。何らかの救済措置があると思う。
Eさん:教育への関わりは地域の中で地道にやっていくしかない。
 子供の教育権は国家にあるのか、親にあるのか。親として小・中・高と経験した中で感じるのは、教育委員会で決まったことが、後になって一方的に降りてくる。
 本来は親の教育権が原点にあり、それが積み重なって学校、地域、国家へと広がるはずなのに。
 先生たちにそのような話をしても「末端ですから」と問題意識をもってもらえず悩んでいる。
土肥先生:僕は若い先生たちに直接生徒に責任を負っているのは、校長でもなく教育委員会でもなく、現場の教師だと教えたい。
 教師は校長に面談されたり、昇進試験などさまざまな場面で、「上」にたいして従順な教師かどうかをチェックされている。だから「末端です」という意識になちがちだ。しかし教育は信頼関係がすべてだ。
 また、教育権を持つのは子供自身で、その代理人として親が教育権を執行するのだと考えている。
Fさん:娘の高校の卒業式には大変失望と憤りを感じた。在校生も参列せず、送辞・答辞もない。君が代斉唱と呼名、代表生徒への卒業証書授与と校長、都教委の祝辞があるだけ。あっという間に終わった。一生一度の高校の卒業式がこれか。都教委の祝辞は生徒に関係のないオリンピック誘致の話だ。
Gさん:都教委の祝辞は断れないのか?

土肥校長:断れない。パターンが決まっていて、学校名と学校の特色を穴埋めするだけ(笑い)。
Fさん:息子の高校はいままで自主自律を重んじてきたが、最近は服装や頭髪指導などをつよめ、生徒たちは息苦しくなっている。しかもそのような指導方針の変更を学校は一方的に通告するのみ。
土肥校長:そうした背景には教育再生会議の存在があると思う。教育再生会議の提言が都教委の方針となって学校現場に降りてくる。さらに学校はさまざまな目標を数値化して、それを達成しようと躍起になっている。
(ドラゴン桃)

『都立高校保護者のつぶやき』(2009-06-14)
http://blog.goo.ne.jp/toritsuhogosha/

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