◆ 成績別学校予算廃止へ 足立区、テスト不正受け
東京都足立区の区立小学校で起きた学力テスト不正問題で、再発防止策を検討している区教委の学力調査委員会が、学力テストの結果で学校同士を競わせ、区立小中学校全体の学力テストの点数の底上げを図る、これまでの方法を大幅に見直す報告書案をまとめたことが十九日、分かった。二十六日の第六回の同委員会で承認される見通し。
報告書案では、学力テストの伸び率を予算査定の基準から削除したり、学力テストの平均点で学校を順位付けする公表方法を改めるなどとしている。また「一週間から二週間前」(区教委)に配られていた問題用紙の配布時期も誤解を生まないため学力テスト前日にするよう求めるなど、不正を生んだ温床を全面的に排除する内容。
区教委は昨年十月、学力テストの結果で学校をランク付けして予算を配分する「傾斜配分」方式を、二〇〇七年度予算の査定に導入することを校長会で表明。これに対し、批判が寄せられると、予算のうちの「特色ある学校づくり予算」の査定で、前年度の学力テスト結果の伸び率を含む複数の基準で査定する形で実施した。
だが、今年七月、区立小学校一校が過去の学力テストの際、児童の誤った解答を教員が指さし、正解に誘導していた不正が発覚。区教委は学力調査委員会に専門家らを加えて再発防止策の検討を開始。都教委は八月、校長を更迭し、減給一カ月の懲戒処分を行った。
九月には、〇五年一月に都が実施した学力テストの問題の一部を区教委が事前の校長会で配布し、一部の校長から「誤解を招く」と指摘されていたことも発覚していた。
『東京新聞』(2007年9月19日 夕刊 1面)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007091902050034.html
◆ 成績別予算廃止 不正の温床排除狙う
足立区教委体質変わらず?
東京都足立区の区立小学校での学カテストで行われた「誤答指さし」が七月に発覚して明らかになった学カテスト不正問題は、一部の問題を事前に校長に配った区教委ぐるみの疑惑にまで発展し、区教委自らが今も調査を続けている。(1面参照)
問題を事前に配ったことについて区教委は「中学校の学カテストで二十三区中、最下位になり、区教委を挙げて学力向上に努めていた」と説明した。
だが、一連の不正は「学力向上」の意味をはき違え、学カテストの成績で学校同士を競わせ、結果的に誤答指さしなどを誘発した区教委の手法にある、と批判されても仕方ない。問題の事前配布を「すでに都教委に報告し、了承を得た『終わった話』」と言うなど不正を行った疑いのある区教委に自浄作用が働くのかとの懸念もあった。
外部からの専門家を加えた学力調査委員会がまとめた報告書案は、不正の温床を排除しようとする内容で、区教委の方向転換とも取れるが、不正発覚で批判を浴びた結果に生まれたもので、決して区教委の体質が変わったわけではない。(稲垣太郎)
『東京新聞』(2007年9月19日 夕刊)
◆ 足立区教育長が陳謝 学力テストの事前配布問題
『反省するが…』一転
公立小中学校を対象にした都の学力テストの問題の一部を足立区教委が約一カ月前に区立小中学校長に配った問題で、区教委の斎藤幸枝教育長は二十日開会した区議会定例会で、この問題を含む一連の学力テスト不正問題を「心よりおわびする」と陳謝した。
斎藤教育長はテスト問題の事前配布が発覚して行った十一日の記者会見では「学力向上に取り組むあまり、行き過ぎがあったようだが、問題が漏れて不正が行われた事実はなかったと都教委に報告した記録がある」などとして「反省はするが陳謝まで考えてない」と話した。
だが、区議会定例会での一般質問の答弁などで一連の学力テスト不正問題について「区の子どもたちをはじめ、多くの区民に多大な迷惑をかけたことをおわびする」と陳謝。「問題の漏えい等がなかったとしても、誤解を招く行為を行った当時の教育委員会事務局の道義的責任を含め、管理運営責任は避けられない」と述べた。
一方で、近藤弥生区長は区議会の冒頭あいさつで「当時の教育委員会事務局の管理運営責任を明確にしていく必要がある」と述べた。 (稲垣太郎)
『東京新聞』(2007年9月21日朝刊【東京】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20070921/CK2007092102050446.html
東京都足立区の区立小学校で起きた学力テスト不正問題で、再発防止策を検討している区教委の学力調査委員会が、学力テストの結果で学校同士を競わせ、区立小中学校全体の学力テストの点数の底上げを図る、これまでの方法を大幅に見直す報告書案をまとめたことが十九日、分かった。二十六日の第六回の同委員会で承認される見通し。
報告書案では、学力テストの伸び率を予算査定の基準から削除したり、学力テストの平均点で学校を順位付けする公表方法を改めるなどとしている。また「一週間から二週間前」(区教委)に配られていた問題用紙の配布時期も誤解を生まないため学力テスト前日にするよう求めるなど、不正を生んだ温床を全面的に排除する内容。
区教委は昨年十月、学力テストの結果で学校をランク付けして予算を配分する「傾斜配分」方式を、二〇〇七年度予算の査定に導入することを校長会で表明。これに対し、批判が寄せられると、予算のうちの「特色ある学校づくり予算」の査定で、前年度の学力テスト結果の伸び率を含む複数の基準で査定する形で実施した。
だが、今年七月、区立小学校一校が過去の学力テストの際、児童の誤った解答を教員が指さし、正解に誘導していた不正が発覚。区教委は学力調査委員会に専門家らを加えて再発防止策の検討を開始。都教委は八月、校長を更迭し、減給一カ月の懲戒処分を行った。
九月には、〇五年一月に都が実施した学力テストの問題の一部を区教委が事前の校長会で配布し、一部の校長から「誤解を招く」と指摘されていたことも発覚していた。
『東京新聞』(2007年9月19日 夕刊 1面)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007091902050034.html
◆ 成績別予算廃止 不正の温床排除狙う
足立区教委体質変わらず?
東京都足立区の区立小学校での学カテストで行われた「誤答指さし」が七月に発覚して明らかになった学カテスト不正問題は、一部の問題を事前に校長に配った区教委ぐるみの疑惑にまで発展し、区教委自らが今も調査を続けている。(1面参照)
問題を事前に配ったことについて区教委は「中学校の学カテストで二十三区中、最下位になり、区教委を挙げて学力向上に努めていた」と説明した。
だが、一連の不正は「学力向上」の意味をはき違え、学カテストの成績で学校同士を競わせ、結果的に誤答指さしなどを誘発した区教委の手法にある、と批判されても仕方ない。問題の事前配布を「すでに都教委に報告し、了承を得た『終わった話』」と言うなど不正を行った疑いのある区教委に自浄作用が働くのかとの懸念もあった。
外部からの専門家を加えた学力調査委員会がまとめた報告書案は、不正の温床を排除しようとする内容で、区教委の方向転換とも取れるが、不正発覚で批判を浴びた結果に生まれたもので、決して区教委の体質が変わったわけではない。(稲垣太郎)
『東京新聞』(2007年9月19日 夕刊)
◆ 足立区教育長が陳謝 学力テストの事前配布問題
『反省するが…』一転
公立小中学校を対象にした都の学力テストの問題の一部を足立区教委が約一カ月前に区立小中学校長に配った問題で、区教委の斎藤幸枝教育長は二十日開会した区議会定例会で、この問題を含む一連の学力テスト不正問題を「心よりおわびする」と陳謝した。
斎藤教育長はテスト問題の事前配布が発覚して行った十一日の記者会見では「学力向上に取り組むあまり、行き過ぎがあったようだが、問題が漏れて不正が行われた事実はなかったと都教委に報告した記録がある」などとして「反省はするが陳謝まで考えてない」と話した。
だが、区議会定例会での一般質問の答弁などで一連の学力テスト不正問題について「区の子どもたちをはじめ、多くの区民に多大な迷惑をかけたことをおわびする」と陳謝。「問題の漏えい等がなかったとしても、誤解を招く行為を行った当時の教育委員会事務局の道義的責任を含め、管理運営責任は避けられない」と述べた。
一方で、近藤弥生区長は区議会の冒頭あいさつで「当時の教育委員会事務局の管理運営責任を明確にしていく必要がある」と述べた。 (稲垣太郎)
『東京新聞』(2007年9月21日朝刊【東京】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20070921/CK2007092102050446.html
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