『ジャーナリスト 木下黄太のブログ 「福島第一原発を考えます」』
▼ 菅艦隊から放射能防護担当官房参与離脱
「子どもを被曝させたくない」
福島第一原発の問題で、官邸に入れた、内閣官房参与の小佐古氏が辞任を表明した事から、大きな波紋が広がるのではないかと僕は思っています。大きな変化につながるスタートが、ここから始まる可能性が否定できません。
子どもを被曝させたくない、学校は年間1ミリという主張は、極々真っ当なものです。こんな話を彼は内部で続けていたそうですが、それを「厳しすぎる」と判断して、専門家としてのメッセージを官邸内の政治家や官僚がくみ取らなかったということです。その事の専門家の話を聞かないと言う事です。勿論、そのトップは菅直人総理です。彼がきちんと資料を見て、専門家の話を聞けば判断できるレベルです。
小佐古氏は、どちらかというと、これまで国がらみの原爆関連訴訟で一貫して国側の立場で証言してきた人物で、国に対して、反発の声を上げることを今までしてきた人物ではありません。そうした人物であっても、普通に考えて、国際水準で許容されない事まで、容認した場合、学者としての生命が立たれることもあります。子どもに二十ミリシーベルトはまさにそういうことです。
さらに、その後、健康被害がでた場合、専門家の参与として、法的な責任も発生しかねないリスクも、慮ったかもしれません。つまり、本当にどうにもならいレベルの事を菅政権は、下に強要している実態が、今回明確になった訳です。
前々から、僕の知っている官邸スタッフが、危険を訴えるペーパーを何度も何度も出していても、事実上無視され続ける構図はお伝えしたとおりです。最終責任者の菅本人が嫌がって聞かないと言う愚痴を、僕はこの一ヶ月に何回聞いたのか、今や覚えていない状態です。これが、放射線防護の専門家として入れた官房参与も同様な状態に置かれている事を、今回きちんと判明したと言う事は、一体、菅総理がなんの言う事を聞いて、どこで判断しているのか皆目検討がつかないということです。全くまともな話がないのだろうというのは、想像に難くありません。菅総理の能力については、二十年前から、本人との怒鳴りあいも含めた直接の接触を通じて、彼を低く見積もっている私にとって、驚くべき事ではありませんが、本人の能力と周辺の体制が酷すぎる為に、これは本質的には官邸は崩壊状態なのだろうと僕は思います。
小佐古氏の辞任表明について、内部被曝に詳しい沢田昭二名古屋大学名誉教授は、「小佐古氏のような、どちらかという政府側にたって、基準についてかなり甘く考えるようなタイプと見ていたような人でさえ、こういう主張で、辞意表明をするとは、本当に信じられない感じがする。彼は僕からすれば考えは甘いのに、今の官邸は大丈夫なのかと思いますね。」と話していただきました。
勿論いろいろな形での政治的な背景もありえますから、なんともいえませんが、こういう形で崩壊の序曲がはじまることは多いです。一体、官邸、東京電力の適切な連携ができているのかも、疑わしい状況ばかり報告されます。色々と懸念が残ります。
(以下略)
『ジャーナリスト 木下黄太のブログ 「福島第一原発を考えます」』(2011-04-30)
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/f4b8bb58558c6bd6cbf1b69a519fba64
▼ 菅艦隊から放射能防護担当官房参与離脱
「子どもを被曝させたくない」
福島第一原発の問題で、官邸に入れた、内閣官房参与の小佐古氏が辞任を表明した事から、大きな波紋が広がるのではないかと僕は思っています。大きな変化につながるスタートが、ここから始まる可能性が否定できません。
子どもを被曝させたくない、学校は年間1ミリという主張は、極々真っ当なものです。こんな話を彼は内部で続けていたそうですが、それを「厳しすぎる」と判断して、専門家としてのメッセージを官邸内の政治家や官僚がくみ取らなかったということです。その事の専門家の話を聞かないと言う事です。勿論、そのトップは菅直人総理です。彼がきちんと資料を見て、専門家の話を聞けば判断できるレベルです。
小佐古氏は、どちらかというと、これまで国がらみの原爆関連訴訟で一貫して国側の立場で証言してきた人物で、国に対して、反発の声を上げることを今までしてきた人物ではありません。そうした人物であっても、普通に考えて、国際水準で許容されない事まで、容認した場合、学者としての生命が立たれることもあります。子どもに二十ミリシーベルトはまさにそういうことです。
さらに、その後、健康被害がでた場合、専門家の参与として、法的な責任も発生しかねないリスクも、慮ったかもしれません。つまり、本当にどうにもならいレベルの事を菅政権は、下に強要している実態が、今回明確になった訳です。
前々から、僕の知っている官邸スタッフが、危険を訴えるペーパーを何度も何度も出していても、事実上無視され続ける構図はお伝えしたとおりです。最終責任者の菅本人が嫌がって聞かないと言う愚痴を、僕はこの一ヶ月に何回聞いたのか、今や覚えていない状態です。これが、放射線防護の専門家として入れた官房参与も同様な状態に置かれている事を、今回きちんと判明したと言う事は、一体、菅総理がなんの言う事を聞いて、どこで判断しているのか皆目検討がつかないということです。全くまともな話がないのだろうというのは、想像に難くありません。菅総理の能力については、二十年前から、本人との怒鳴りあいも含めた直接の接触を通じて、彼を低く見積もっている私にとって、驚くべき事ではありませんが、本人の能力と周辺の体制が酷すぎる為に、これは本質的には官邸は崩壊状態なのだろうと僕は思います。
小佐古氏の辞任表明について、内部被曝に詳しい沢田昭二名古屋大学名誉教授は、「小佐古氏のような、どちらかという政府側にたって、基準についてかなり甘く考えるようなタイプと見ていたような人でさえ、こういう主張で、辞意表明をするとは、本当に信じられない感じがする。彼は僕からすれば考えは甘いのに、今の官邸は大丈夫なのかと思いますね。」と話していただきました。
勿論いろいろな形での政治的な背景もありえますから、なんともいえませんが、こういう形で崩壊の序曲がはじまることは多いです。一体、官邸、東京電力の適切な連携ができているのかも、疑わしい状況ばかり報告されます。色々と懸念が残ります。
(以下略)
『ジャーナリスト 木下黄太のブログ 「福島第一原発を考えます」』(2011-04-30)
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/f4b8bb58558c6bd6cbf1b69a519fba64
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