◎ 豊多摩高校屋上への基地局建設を断念
職場の粘り強い闘いと、都高教全体での反対署名など各方面からの闘いで、等多摩高校屋上へのドコモ携帯基地局建設を断念させることが出来ました(7/14)。
何の説明もないままに工事を強行し、「管理運営事項・専決事項」などとして、極めて安易にドコモ側に「施設使用許可」を出した都教委の責任も追及されて然るべきです。
豊多摩分会からの投稿を掲載します。
「電磁波と携帯基地局問題雑感」
【電磁波の危険性~国基準は金科玉条ではない】
携帯基地局の建設をめぐるトラブルが全国各地で報道されている。電磁波の人体に与える影響について、国が定めた「電波防護指針」は1997年に改訂されたままでかなり旧くなっている。その後国際的な研究が進み、2007年にはWHOが(主に低周波に関する)新しい「環境保健基準」を示したが、国は基準を改めていない。
既に海外では、日本の100分の1以下の国(スイス・イタリア・中国など)や1000~1万分の1の自治体(パリ・ブリュッセル・ザルツブルクなど)などもある。日本のマスコミはスポンサーへの遠慮があるのかあまり大きく報じないが、海外のマスコミやネットでは電磁波被害や基準の見直しが常時かなり大きな話題となっている。
電磁波の危険性は、「全く安全」とは誰も断言できない未確定の問題なのだ。かつて堂々と使われていたアスベスト・PCB・フロンなどが今日では使用禁止になっている例もある。校長は「全く安全です」と私たちや生徒の前で言い切った。本気で生徒の安全や将来を心配していたとは考えられない。
【利便性 vs リスクのバランス】
とは言っても、携帯電話など電磁波関連機器を全面禁止にすることは現実的ではない。ただどんな便利なものでも、無制限の利便性追求が逆に莫大な「社会的費用」を発生させる結果になることは、環境汚染問題などでこれまで私たちが学んできたことだった。
自動車や喫煙など、利用者と迷惑を蒙るものが社会の中で共存する仕組みが形成されてきたように、「携帯電話」もベネフィット対リスクのバランスについて社会的合意が今求められているのではないか。
携帯電話の普及は、高校生で9割に達しているそうだが、これから一部ヘビーユーザーの要望に応える多機能化や高性能化がどれだけ必要不可欠なものか。既に街中には至る所によく注意してみると携帯用アンテナが立っている。これ以上の乱立に社会的合意が得られるとは思えない。
【予防原則、説明責任】
豊多摩高校屋上の基地局建設は中止に追い込むことが出来た。そもそも学校や病院など、成長途上の子どもや弱者が生活する場に基地局を建設することが無謀であったのだ。
しかも当初校長は「無用な混乱を招きかねない」からと地域・保護者への説明をスルーしようとした。結果的に「説明会」を開く羽目になったのだが、最初から理解と合意を求める民主主義的手法をとっていればこんなにこじれなかったろう。それが出来ないのが職務命令体制の今の都教委の最大の欠陥なのだが。
EUでは「環境問題に関しては予防原則を基本とする」と決めているそうだ。私たちもこれから判断の前提に「危険が予想される場合は、それが科学的に証明されなくても対策をとる」という「予防原則」を据えるべきと考える。
都教委・校長には、使えるスペースがあれば学校だろうが病院だろうが営利目的利用を許可するといった安易な考え方は改めてもらいたい。そして設置者としての「説明責任」を忘れてもらっては困る。二度と都立高に基地局問題を起こさないために。
(豊多摩分会KH)
『都高教3支部ニュース』(№9 2009.8.29)
職場の粘り強い闘いと、都高教全体での反対署名など各方面からの闘いで、等多摩高校屋上へのドコモ携帯基地局建設を断念させることが出来ました(7/14)。
何の説明もないままに工事を強行し、「管理運営事項・専決事項」などとして、極めて安易にドコモ側に「施設使用許可」を出した都教委の責任も追及されて然るべきです。
豊多摩分会からの投稿を掲載します。
「電磁波と携帯基地局問題雑感」
【電磁波の危険性~国基準は金科玉条ではない】
携帯基地局の建設をめぐるトラブルが全国各地で報道されている。電磁波の人体に与える影響について、国が定めた「電波防護指針」は1997年に改訂されたままでかなり旧くなっている。その後国際的な研究が進み、2007年にはWHOが(主に低周波に関する)新しい「環境保健基準」を示したが、国は基準を改めていない。
既に海外では、日本の100分の1以下の国(スイス・イタリア・中国など)や1000~1万分の1の自治体(パリ・ブリュッセル・ザルツブルクなど)などもある。日本のマスコミはスポンサーへの遠慮があるのかあまり大きく報じないが、海外のマスコミやネットでは電磁波被害や基準の見直しが常時かなり大きな話題となっている。
電磁波の危険性は、「全く安全」とは誰も断言できない未確定の問題なのだ。かつて堂々と使われていたアスベスト・PCB・フロンなどが今日では使用禁止になっている例もある。校長は「全く安全です」と私たちや生徒の前で言い切った。本気で生徒の安全や将来を心配していたとは考えられない。
【利便性 vs リスクのバランス】
とは言っても、携帯電話など電磁波関連機器を全面禁止にすることは現実的ではない。ただどんな便利なものでも、無制限の利便性追求が逆に莫大な「社会的費用」を発生させる結果になることは、環境汚染問題などでこれまで私たちが学んできたことだった。
自動車や喫煙など、利用者と迷惑を蒙るものが社会の中で共存する仕組みが形成されてきたように、「携帯電話」もベネフィット対リスクのバランスについて社会的合意が今求められているのではないか。
携帯電話の普及は、高校生で9割に達しているそうだが、これから一部ヘビーユーザーの要望に応える多機能化や高性能化がどれだけ必要不可欠なものか。既に街中には至る所によく注意してみると携帯用アンテナが立っている。これ以上の乱立に社会的合意が得られるとは思えない。
【予防原則、説明責任】
豊多摩高校屋上の基地局建設は中止に追い込むことが出来た。そもそも学校や病院など、成長途上の子どもや弱者が生活する場に基地局を建設することが無謀であったのだ。
しかも当初校長は「無用な混乱を招きかねない」からと地域・保護者への説明をスルーしようとした。結果的に「説明会」を開く羽目になったのだが、最初から理解と合意を求める民主主義的手法をとっていればこんなにこじれなかったろう。それが出来ないのが職務命令体制の今の都教委の最大の欠陥なのだが。
EUでは「環境問題に関しては予防原則を基本とする」と決めているそうだ。私たちもこれから判断の前提に「危険が予想される場合は、それが科学的に証明されなくても対策をとる」という「予防原則」を据えるべきと考える。
都教委・校長には、使えるスペースがあれば学校だろうが病院だろうが営利目的利用を許可するといった安易な考え方は改めてもらいたい。そして設置者としての「説明責任」を忘れてもらっては困る。二度と都立高に基地局問題を起こさないために。
(豊多摩分会KH)
『都高教3支部ニュース』(№9 2009.8.29)
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