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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

アベを倒そう!(430)<『崩壊するアメリカの公教育ー日本への警告』(5)

2018年09月30日 | 日の丸・君が代関連ニュース
<転送歓迎>(重複ご容赦)・「都教委包囲首都圏ネットワーク」、・「新芽ML」、・「ひのきみ全国ネット」、・「戦争をさせない杉並1000人委員会」の渡部です。
 ▲ 『崩壊するアメリカの公教育ー日本への警告』の紹介の続きです。
 <第4章 発展途上国からの「教員輸入」と使い捨て教員>では、いかに公教育が軽視されつつあるかが述べられている。
 まず、「『教員派遣』というビジネス」の項目があり、そこでは次のように述べられている。
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新自由主義の理想を追い求め、公教育に市場原理を徹底的に導入した場合、「教員」の存在とその仕事はどのように変化するだろうか。
その行き着くところは、教職の非専門職化、さらには「使い捨て労働者化」ではないだろうか。
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 そして、著者はアメリカの現状を紹介する。

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実際に、アメリカではすでにこれらのことが現実になっている。
まず、免許制度に関しては州によって法規は異なるものの、公設民営学校であるチャータースクールでは正規免許がなくても教壇に立つことができる
そのため、教員養成においては、従来の教育機関に加え、たった五週間の集中講義で非正規教員免許を発行する「ティーチャー・フォー・アメリカ」などの「オルタナティブ」と呼ばれるプログラムが教員養成の市場を形成している。
また、それらの非正規教員免許保持者が正規免許取得のために、教員の仕事をしながらティーチングのテクニックや技術を学ぶオンライン大学院まで登場した
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 その上で、筆者は次のように述べる。
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しかし、教育において市場原理を追求した結果、教員の存在とその職務の在り方を最も根本的に変えるのは、・・教員配置の分野なのかもしれない。
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 そうして、次の「知られざる『教員輸入』の現実」では、次のようなことが述べてある。
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「教員輸入」、もしくは「ティーチャー・トラフィッキング」とも呼ばれる、嘘のようなこの話は、実は10年以上もの間、密かにアメリカで実施されてきた。
アメリカ教員同盟は、2009年に発表した「教員輸入――教員の国際雇用の原因と結果」という報告書で、これを「ほとんど知られないままに拡大している」現実と紹介している。・・・・・
・・・・報告書は、2007年には、約1万9000人の外国人が、「地球の隅々からリクルートされ、教員を揃えるのが困難な都市中心部や田舎の学校に配属され、数学、科学、そして特別支援教育などのポジションの埋まりにくい教科を教えている」と指摘し、その数は年々増え続けているとした。
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 次の「教員輸入と教職の非専門職化」という項目では、密接に絡み合った幾つかのポイントがあるとして、以下のようなことが述べてある。
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最初の点は、教育の経済的課題に対する服従だ。
規制緩和により教員配置をも市場原理に委ねた結果、自然と利益の追求が最優先され、人間の教育は二の次になる。・・
第二の点は、教員が使い捨て労働者になることだ。・・
それが発展途上国からの教員輸入に繋がる。
また、ルイジアナ州の教員輸入に関する裁判で被告となった派遣会社が、最長三年まで申請できる就労ビザを、あえて一年ごとに申請していたことには重要な意味がある。
一年ごとの契約は、いつ契約を切られてもおかしくないという懸念を教員らに与えるため、不当な労働条件に対する反発を防ぎ、さらなる搾取をしやすくする効果がある。
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 そして、「教員輸入を取り上げた数少ない学術論文の著者(名前は略)」たちの指摘を以下の様に紹介している。
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●チャータースクールの増加とそれに伴う従来の公立学校の減少、および正規免許を保持する教員らの一斉解雇
●雇用保険を提供する教員組合を通さず、二年契約で非正規免許講師を教室に送り込むティーチ・フォー・アメリカの拡大と、それによる、大学をベースとする従来の教員養成プログラムの疎外。
●2011年にウィスコンシン州で始まり瞬く間に全米に拡大した、労働組合を解体しようとする動き
●自然災害や財政危機を理由に、組合に守られた教員らを一斉解雇し、悪条件(非常勤講師など)で再雇用する動き。
ルイジアナ州の集団訴訟の原告となったフィリピン人教員らのほとんどが、『災害解雇』と称して4000人の教員を一斉解雇したハリケーン・カトリーナ直後のニューオリンズ市に送り込まれたという事実は、あまりにも象徴的だ。・・
・・・・第三のポイントは、そのような行為を許容した貧弱な教育ビジョンにある。・・・・・・
・・「効率性」追及の名の下に、ビデオやPad等のテクノロジーを導入する代わりにプロの教員を削減する現在のアメリカのトレンドの背景には、このような教育ビジョンの貧弱化がある。
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 最後に、「貧弱な教育ビジョンを超えて」という項目がある。
 そこでは、著者が千葉県の公立中学校で教員をしていた時に出会ったベテラン教員の生徒への接し方(画一的ではなく、生徒の特性に応じて指導)を紹介し、それとは異なった方向に進んでいる、アメリカの新自由主義的教育の実態を、次のように紹介している。
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2013年11月、『USAトゥデイ』に「政府、学生ローンから413億ドルの利益を記録」というショッキングなニュースが載った。
413億ドルといえば、約4兆1300億円にのぼる。
ちなみに、2012年度にこれを上回る利益を記録した会社は、世界でもエクソン・モービル(449億ドル)とアップル(417億ドル)の二社しかないそうだ。
この金額をもってすれば、連邦ベル給付奨学金(大学生を対象とする米国連邦政府最大の給付奨学金)最高額の5645ドルを、実に730万人の大学生に給付することも可能だ。・・
このニュースは、今のアメリカ政府の教育に対する姿勢を象徴している。
それは、教育を軽視し、「自己責任」の名の下に次世代への投資を拒む新自由主義国家の姿だ。・・・
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 この奨学金ローンの問題は、日本でもすでに大きな問題になっている。
 国立大学の授業まで値上げして、有利子の奨学金を借りさせる。
 新自由主義的教育改革では、学生をも金儲けの手段にしているのである。

次回は、<第5章 PISAと教育の数値化、標準化、そして商品化>です。

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 都教委包囲首都圏ネットワークでは、今年も「都教委包囲要請行動」を以下の要領で行います。
 ★ 「10・22都教委包囲要請行動」
   <目的・概要>都教委のこの間の教育行政に関する抗議・要請。

  この中には、「日の丸・君が代」強制反対をはじめ、
  裁判で都教委作成のウソの陳述書へ、校長に署名・捺印させ提出させていること、
  性教育では現場の実態とかけ離れた指導をしていること、
  五輪教育が国威発揚・ボランティア奨励の場になっていること、
  学校での条件整備をせずに始めた「英語村」(有料)の問題点、
  などもあります。
  その他、都教委に物を言いたい団体・個人の方の参加を歓迎します。
  要請文・抗議文が有っても無くても、どうぞおいでください。
 <日時・場所など>
  10月22日(月)

   15:30 都庁第一調査前集合
      (シュプレヒコールと簡単な打ち合わせ)
   16:00~17:00 都教委要請行動
    終了後、都庁前での簡単な報告会


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「千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
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「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト
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