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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

第2国歌だった「海ゆかば」

2010年08月25日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  ♪「海ゆかば 水く屍」♪
    最も美しく もっとも醜悪なうた


 「海ゆかば水漬(みず)く屍(かばね) 山ゆかば草生(くさむす)す屍 大君の辺にこそ死なめ かへりみはせじ」

 わたしは、ちょっと長い1週間ほどの病を得て、だいぶ良くなった今日、うとうとしながら、一つの夢を見ました。
 小学校1年か2年の娘に、「海ゆかば」は、最も美しいがゆえに、最も醜悪な歌なんだよ、と教えている夢です。
 私は、敗戦・そして終戦65年の今月、太平洋戦争の多くの実写映像を見る機会がありました。そこには、文字通り、海や川に「水く屍」と、山や野に「草生す屍」がありました。
 「海ゆかば」にあるように「大君の辺にこそしなめ」という命令の下殺され、飢えで死んでいった、若い日本の青年たちの命でした。今次大戦では310万人の日本人。アジア人2000万人。
 戦死者(多くは餓死)の内訳は次の様だと言います。
 東部ニューギニアでは12万7600人、ラバウルでは11万8700人、インド・ビルマでは、16万4500人、フィリッピンでは49万8600人、硫黄島では2万1900人。
  これらの数字を合計するだけで、93万人にのぼります。

 あるブログを紹介しましょう。

 大伴家持が長歌(万葉集巻18・4094)の中で祖先が「言立て」た言葉だとして歌い込んでいる一節。
 海行かば 水浸く屍 山行かば 草生す屍 大君の 邊にこそ死なめ 顧みは せじと言立て ・・・
 1937年(昭和12)年10月、国民精神総動員運動の一環として、これに信時潔が曲をつけた。
 1937年10月13日(私はまだ生まれていなかった。)から1週間繰り広げられた「国民精神総動員強調週間」の折、ラジオ放送に「国民朝礼の時間」という番組が設けられた。毎朝『「君が代」斉唱、宮城遥拝、著名人の訓話、「海ゆかば」斉唱』という内容の番組が放送されたのだ。「海ゆかば」はまずラジオ放送を利用して広められていった。
 いまNHKの政治権力に対する脆弱な体質が問題になっているが、マスコミを掌中にした権力は絶大な力を得ることになる。もちろんNHKだけの問題ではない。これも何度も指摘してきたことだが、多くのメディアがいま権力の手先に成り下がっている。現今の反動的な政治状況を促進している推進力の一つがマスコミなのだ。
 さて、1942(昭和17)年12月15日、大政翼賛会が「海ゆかば」を国歌「君が代」に次ぐ「国民の歌」に指定して各種会合で必ず歌うようにと通達した。いわば第2国歌というわけだ。
 国民学校の教科書では「高等科音楽(1)」に収録されている。
 狂気の大東亜戦争末期、敵性音楽撲滅運動の折、国民学校の卒業式ではそれまで歌っていた「蛍の光」を取りやめている。敵国イギリスの民謡だから不適当だという理由だ。
 そして「蛍の光」に替わって歌われたのが「海ゆかば」や「愛国行進曲」だった。これから社会人として門出する卒業生に送るはなむけの歌「海ゆかば」とはすさまじい。「海や野に屍となって身を晒すことも辞するな、天皇のため死ぬことこそよろこびと思え」と送り出したのだ。
 「海ゆかば」は第2国歌だった。「君が代」と「海ゆかば」は同じメタルの表と裏だ。「君が代」の意味するところはこの2曲のセットでより明らかになる
 「君が代」の意味は「世襲君主の支配が永久に続くように」という意味以外のどんな解釈もできようはない。「世襲君主」に服従することは、どんなに美辞麗句と理屈を連ねても奴隷の思想だ。「主権在民」とは相容れない。
 「海ゆかば」その行き着く果てを如実に表わしている。「君が代」大好き人間はもとより、『「君が代」、平和な歌で、別にいいんじゃないの』という人たちは、常に「君が代」と一緒に「海ゆかば」も歌うといい。歌わないまでも、「君が代」の裏にピタッと密着している「海ゆかば」を常に意識すべきだ。天皇制の本質・「君が代」の隠された意味が明々白日の下に表れることになる。
 学校の先生へ提案。どうしても「君が代」を教えざるを得ないのなら、「君が代」の本質を考えるてだての一つとして、一緒に「海ゆかば」を教えましょう
 (以上で引用終わり)

 わたしは、「日米同盟」という「軍事」を除いたごまかしの「日米軍事同盟」賛歌の大合唱が、昔の軍国主義天皇制賛歌の大合唱と重なって聞こえます。
 日本は米国の半ば占領下にある、ということが、普天間に半移住した私の実感です。

 最も美しい最も醜悪な歌「海ゆかば」を、復活させないために、何10万人何100万人という「水く屍」「草生す屍」の無念の結晶である、日本国憲法実現のために、ためらうことなく、わたしは、残る生涯をささげるつもりです。
『沖縄・日本から米軍基地をなくす草の根運動』(2010年8月17日)
http://www.kusanone.org/modules/wordpress/index.php?p=567

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