パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「服従と洗脳」のシステムと化している条件付き採用制度

2012年07月06日 | こども危機
 《止めよう!教育の民営化・非正規職化》-4- 条件付採用教員
 ◆ 新採教員へのパワハラ、退職強要を許すな!


 ◆ 二重三重の試用制度
 教員採用選考は今、事実上、非常勤講師-常勤講師-期限付任用-条件付採用という二重三重の試用制度となっている。
 採用選考に合格しても、条件付採用教員には過酷な試練が待ち受ける。校外研修は子どもと触れ合う時間を奪い、学級づくりを困難にし、研修報告が過重な負担となって深夜に及ぶ時間外労働や休日労働を強いている。
 ◆ 精神疾患と自死の激増
 06年に中教審が「条件付採用制度の厳格な運用」を打ち出して以降、教育行政は新採教員を育てるどころか「指導力不足」として辞めさせる傾向をとみに強めてきた。
 09年度の条件付採用教員は317人が採用されず、病気退職86人(うち精神疾患83人)、死亡退職が9人、10年度は296人が採用されず、病気退職111人(うち精神疾患91人)、死亡退職が3人である。
 教育現場の困難な現実に直面し、十分な支援を受けられず、かえって管理職や指導教員のパワハラにさらされ、青年教員が精神疾患、自死に追い込まれている実態がうかがわれる。
 04年9月に焼身自殺した静岡の木村百合子さんの公務外認定をめぐる裁判では、うつ病発症後も教頭や研修主任から「お前の授業が悪いからNが荒れる」「給料もらってるんだろう。アルバイトじゃないんだぞ。ちゃんと働け」といった叱責を受けていたことが明らかになった。
 ◆ 物言えば「教師失格」!
 全国の中でも際だってひどいのが東京都である。11年度の条件付採用教員2978人中、採用されなかった者は93人。その大半は年度途中に退職に追い込んだものであり、年度末には15人に指導力不足を理由に「不可」通告を突きつけ、退職届を出させている。
 そうした中で、自分から辞めることを拒否し、免職となった方が3人いる。共通するのは、ともに講師経験や社会人経験があり、生徒との関係はなんら問題なく教育活動にあたっていたという点である。管理職に率直に意見や疑問を言うからと疎まれ、クビになったのだ。
 ここに突き出されているのは、新採教員の評価の基準が唯一管理職への絶対服従に置かれ、条件付採用制度=初任者研修制度が「服従と洗脳」のシステムと化していることだ。
 ◆ 解雇撤回で闘おう
 条件付採用教員にも身分保障がある。不採用は「解雇」であり、その判断には合理性が要求される。
 京都の高橋智和さんや大阪の井沢絵梨子さんは、最高裁で免職処分を取り消す判決が確定し、復職をかちとった。
 条件付採用教員の解雇撤回は、権利確立の闘いであると同時に、都教委の教育支配との闘いであり、正規教員こそが総力で闘うべき課題だ。「1人の首切りも許さない」労働組合のあり方こそ問われている。
『教育労働者全国通信』(第21号 2012/6/1)
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