《都高教退職者会による最高裁要請行動から》
最高裁判所第一小法廷裁判官殿
◎ 憲法23条、26条等教育裁判としての判断を示していただきたい
本日の要請に関する訴訟は、①「国歌斉唱義務不存在確認等請求訴訟」(通称「予防訴訟」)と②懲戒処分取消請求事件第一次訴訟(通称「東京『君が代』訴訟」)に関してです。
本件両訴訟は、2003年に都教委が発出した「日の丸・君が代」強制を内容とする*「10.23通達」に関し、同通達に基づく職務命令に対して、「起立・斉唱・ピアノ伴奏の義務がない」ことの確認を求める訴訟、及び同通達に基づく処分の取り消しを求めた訴訟です。
①事件は、2006年9月21日に東京地裁で原告全面勝訴の判決が出されました。しかし、本年1月28日の控訴審判決では却下の判決が出され、直ちに上告されました。最高裁では第一小法廷に係属しています。
②の処分取り消し訴訟は、一審では原告敗訴したものの、2011年3月10日の控訴審判決では、都響処分の逸脱・濫用を認め、控訴側の勝訴が判示されました。判決後は双方が上告し、上記事件と同じく第一小法廷に係属しています。
同小法廷には、同種処分事件であるアイム関係処分事件(「平成23年(行ツ)第235号・236号事件」)、及び根津・河原井06年停職事件(「平成23年(行ツ)第242号・236号事件」)も係属しており、現在係争中の「日の丸・君が代」に関する最高裁係属事件はその全てが貴小法廷で集中審理されることになっており、その役割は重大であるといえます。
ところが最高裁は、本年5月30日の第二小法廷の判決を皮切りに、第一小法廷、第三小法廷と次々に同種9件の「日の丸・君が代」関連事件に関して判決を出しました。
その全てが同じ判示でありまた同じ判旨であります。その内容は、内心の自由を求めた現場教職員への処分を合憲とするもので、とても納得のいくものではありません。
教育現場でおきた教育裁判であるにもかかわらず、憲法19条のみを判断し、教育に関する憲法23条及び26条についての判断がなされていないという矛盾に満ちた判決です。
事実、判決に際しては、14人の裁判官のうち2人の反対意見が出され、7人の裁判官の補足意見が出されています。これら補足意見の中には反対意見に近い内容のものもあります。これは、最高裁の裁判官の中でも意見が多様であったことを示しています。
また、貴小法廷は、根津・河原井裁判で11月28日に弁論を開くことを決定しており、裁量権の逸脱・濫用について原判決を変える方向が期待できます。こうした状況の中で貴小法廷に以下を要請いたします。
〈要請事項〉
(1)宮川裁判官の反対意見が示すように、憲法は少数者の人権を擁護するためにその意義があります。憲法の意義に従った判決を示していただきたい。
(2)本件訴訟は、思想良心の自由を求めるものであると同時に、教育の自由、及び教育への不当な支配の禁止を審査する訴訟です。憲法23条、26条等教育裁判としての判断を示していただきたい。
(3)上記「東京『君が代』(第一次処分)事件」の控訴審判決が示したように処分についての裁量権の逸脱・濫用に関して公正な判断を示していただきたい。
最高裁判所第一小法廷裁判官殿
◎ 憲法23条、26条等教育裁判としての判断を示していただきたい
2011年11月2日
東京都高等学校教職員組合・退職者会
会長 西村昭
東京都高等学校教職員組合・退職者会
会長 西村昭
本日の要請に関する訴訟は、①「国歌斉唱義務不存在確認等請求訴訟」(通称「予防訴訟」)と②懲戒処分取消請求事件第一次訴訟(通称「東京『君が代』訴訟」)に関してです。
本件両訴訟は、2003年に都教委が発出した「日の丸・君が代」強制を内容とする*「10.23通達」に関し、同通達に基づく職務命令に対して、「起立・斉唱・ピアノ伴奏の義務がない」ことの確認を求める訴訟、及び同通達に基づく処分の取り消しを求めた訴訟です。
①事件は、2006年9月21日に東京地裁で原告全面勝訴の判決が出されました。しかし、本年1月28日の控訴審判決では却下の判決が出され、直ちに上告されました。最高裁では第一小法廷に係属しています。
②の処分取り消し訴訟は、一審では原告敗訴したものの、2011年3月10日の控訴審判決では、都響処分の逸脱・濫用を認め、控訴側の勝訴が判示されました。判決後は双方が上告し、上記事件と同じく第一小法廷に係属しています。
同小法廷には、同種処分事件であるアイム関係処分事件(「平成23年(行ツ)第235号・236号事件」)、及び根津・河原井06年停職事件(「平成23年(行ツ)第242号・236号事件」)も係属しており、現在係争中の「日の丸・君が代」に関する最高裁係属事件はその全てが貴小法廷で集中審理されることになっており、その役割は重大であるといえます。
ところが最高裁は、本年5月30日の第二小法廷の判決を皮切りに、第一小法廷、第三小法廷と次々に同種9件の「日の丸・君が代」関連事件に関して判決を出しました。
その全てが同じ判示でありまた同じ判旨であります。その内容は、内心の自由を求めた現場教職員への処分を合憲とするもので、とても納得のいくものではありません。
教育現場でおきた教育裁判であるにもかかわらず、憲法19条のみを判断し、教育に関する憲法23条及び26条についての判断がなされていないという矛盾に満ちた判決です。
事実、判決に際しては、14人の裁判官のうち2人の反対意見が出され、7人の裁判官の補足意見が出されています。これら補足意見の中には反対意見に近い内容のものもあります。これは、最高裁の裁判官の中でも意見が多様であったことを示しています。
また、貴小法廷は、根津・河原井裁判で11月28日に弁論を開くことを決定しており、裁量権の逸脱・濫用について原判決を変える方向が期待できます。こうした状況の中で貴小法廷に以下を要請いたします。
〈要請事項〉
(1)宮川裁判官の反対意見が示すように、憲法は少数者の人権を擁護するためにその意義があります。憲法の意義に従った判決を示していただきたい。
(2)本件訴訟は、思想良心の自由を求めるものであると同時に、教育の自由、及び教育への不当な支配の禁止を審査する訴訟です。憲法23条、26条等教育裁判としての判断を示していただきたい。
(3)上記「東京『君が代』(第一次処分)事件」の控訴審判決が示したように処分についての裁量権の逸脱・濫用に関して公正な判断を示していただきたい。
以上
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