【各県から報告された学費滞納・中退者の事例、状況】
(全体からの抜粋。一部本紙による再構成部分あり)
●北海道E校
クラスの在籍者27名中、道の授業料軽減対象者9名、奨学金受給者15名、両方を受けている者が5名いる。9名の授業料減免対象者のうち、奨学金を受けていない者が4名いるが、その理由は受給に必要な連帯保証人が確保できないから。生活が苦しい家庭が、奨学金も申請できない状態であることを理解してほしい。
●福島県B校
全校225名のうち、50名を超える授業料減免手続き者がいる本校では、常に学費問題が職員会議の議題になっている。3カ月以上の滞納で生徒の授業出席が不可能になるが、そうした家庭は自宅の電話が不通であることも多い。その結果、ある日普段通りに登校してきた生徒に対して、「実は授業料が……」と、担任自ら下校するよう伝えなければならないのは辛い。
●新潟県G校
母子家庭の生徒。第1種補助受給者。母は仕事の関係から夜勤が多い。朝食を食べずに家を出て、昼食もなしという日がほとんど。一時期は電車の通学定期を購入できず、長距離を自転車で通っていたが、冬場は通えなくなり不登校状態に陥った時期があった。修学旅行には不参加。最近はアルバイトで自分の定期代を捻出している。最近はかなり痩せてしまい、肌の色つやもなく、やつれたように見える。
●神奈川県I校
会社の倒産などで収入がなくなったばかりでなく、なかなか再就職もできないため、保護者が学費を納入できなくなるようだ。役所などの福祉課に相談してくださいとお話をしても、そこまでする気にならないようで、電話で「支払います」と言われても約束が守られない。
●愛知県A校
不登校を経験し、全寮制である本校の生活の中で自信を取り戻し、私学ならではの自主活動等に魅力を感じ、ようやく動き出せた生徒たちが経済的理由で進路変更をしなければならないというのは本当に辛く悲しいこと。本校では、未納者に対して督促は行うが各家庭の状況を把握し、保護者と相談しながら納入できる範囲で入金していただく方法を取っている。未納額が多いという理由で登校停止などの対応はしていない。
●京都府A校
中退の理由が、学費納入の困難が直接の理由と報告されていなくても、生活費のために父(母)が遅くまで仕事に追われ、子どもに関心が向けられず、結果家庭での基本的な生活習慣が崩壊。そのため生徒は登校不能の状況になり、退学していくケースがほとんどである。
●広島県C校
祖母の入院で治療費がかかるという理由から滞納が始まる。本人はバドミントン同好会でキャプテンをつとめ、学校に熱心に通っている。今年の春祖母が再入院してから学費滞納が深刻になり、5カ月分が現在も未納になっている。このままでは出校停止になってしまうが、まとめての支払いは難しい様子である。
●福岡県E校
本校で学費滞納が生じた場合、担任からの電話連絡、文書郵送という経過をたどるが、中には電話が不通、家庭訪問しても不在で連絡が取れない場合がある。大半が借金があってその返済に迫られている状況が背景にある。学費納入の期限を延ばし、中退に追い込まれないよう配慮して対応しているが、家庭によっては生活そのものが危機的な状況にあり、担任として限界を感じている。
(終)
『大學新聞』(2010/1/1)
(全体からの抜粋。一部本紙による再構成部分あり)
●北海道E校
クラスの在籍者27名中、道の授業料軽減対象者9名、奨学金受給者15名、両方を受けている者が5名いる。9名の授業料減免対象者のうち、奨学金を受けていない者が4名いるが、その理由は受給に必要な連帯保証人が確保できないから。生活が苦しい家庭が、奨学金も申請できない状態であることを理解してほしい。
●福島県B校
全校225名のうち、50名を超える授業料減免手続き者がいる本校では、常に学費問題が職員会議の議題になっている。3カ月以上の滞納で生徒の授業出席が不可能になるが、そうした家庭は自宅の電話が不通であることも多い。その結果、ある日普段通りに登校してきた生徒に対して、「実は授業料が……」と、担任自ら下校するよう伝えなければならないのは辛い。
●新潟県G校
母子家庭の生徒。第1種補助受給者。母は仕事の関係から夜勤が多い。朝食を食べずに家を出て、昼食もなしという日がほとんど。一時期は電車の通学定期を購入できず、長距離を自転車で通っていたが、冬場は通えなくなり不登校状態に陥った時期があった。修学旅行には不参加。最近はアルバイトで自分の定期代を捻出している。最近はかなり痩せてしまい、肌の色つやもなく、やつれたように見える。
●神奈川県I校
会社の倒産などで収入がなくなったばかりでなく、なかなか再就職もできないため、保護者が学費を納入できなくなるようだ。役所などの福祉課に相談してくださいとお話をしても、そこまでする気にならないようで、電話で「支払います」と言われても約束が守られない。
●愛知県A校
不登校を経験し、全寮制である本校の生活の中で自信を取り戻し、私学ならではの自主活動等に魅力を感じ、ようやく動き出せた生徒たちが経済的理由で進路変更をしなければならないというのは本当に辛く悲しいこと。本校では、未納者に対して督促は行うが各家庭の状況を把握し、保護者と相談しながら納入できる範囲で入金していただく方法を取っている。未納額が多いという理由で登校停止などの対応はしていない。
●京都府A校
中退の理由が、学費納入の困難が直接の理由と報告されていなくても、生活費のために父(母)が遅くまで仕事に追われ、子どもに関心が向けられず、結果家庭での基本的な生活習慣が崩壊。そのため生徒は登校不能の状況になり、退学していくケースがほとんどである。
●広島県C校
祖母の入院で治療費がかかるという理由から滞納が始まる。本人はバドミントン同好会でキャプテンをつとめ、学校に熱心に通っている。今年の春祖母が再入院してから学費滞納が深刻になり、5カ月分が現在も未納になっている。このままでは出校停止になってしまうが、まとめての支払いは難しい様子である。
●福岡県E校
本校で学費滞納が生じた場合、担任からの電話連絡、文書郵送という経過をたどるが、中には電話が不通、家庭訪問しても不在で連絡が取れない場合がある。大半が借金があってその返済に迫られている状況が背景にある。学費納入の期限を延ばし、中退に追い込まれないよう配慮して対応しているが、家庭によっては生活そのものが危機的な状況にあり、担任として限界を感じている。
(終)
『大學新聞』(2010/1/1)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます