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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「生徒のため」の無給の自発的労働を美徳とする風潮と同調圧力

2018年01月27日 | こども危機
  シリーズ「いま学校現場では」 (いまこそ15号)
 ◆ 教員の長時間労働をめぐって


 教員の長時間労働の問題が大きな社会問題となっている。長時間労働、過労死の問題は、何も教員だけではなく、日本社会全体の問題ではあるが、一教員固有の問題としては、それがすべて無償労働、すなわちサービス業務として行われることにある。
 教員(教育公務員)は給特法に基づいて4%の調整手当と引き換えに残業手当は支給されず、それとともに管理職は限定的にしか超過勤務を命令することができないので、教員の時間外勤務はすべて無給の自発的な労働ということになっているのである。
 ではその実態がどうなっているのか、何が問題なのか、私の勤務する職場の実情を概観して考えてみたい。
 都立高校では昨年9月からタイムカードを出勤時と「下校」時に入力することにより、個別に在校時間の把握がおこなわれているが、12月の職員会議で、9~11月の時間外在校時間の調査結果が発表された。
 それによれば月ごとの時間外在校時間の平均は
  9月:43時間23分、10月:37時間36分、11月:47時間15分、
 60時間以上の人数をみると、全43名のうち、
  9月:8名(60時間台:5名、80時間台:1名、90分台:2名、最高92時間55分)、
  10月:6名(60時間台:4名、70時間台:2名、:最高73時間55分)、
  11月:12名(60時間台:3名、70時間台:3名、80時間台:2名、90時間台:1名、110時間台:3名、最高115時間24分)
 という結果であった。

 俗に80時間以上が過労死ラインといわれるが、我が職場にも80時間越えが9月に3名、11月に6名いることが明らかとなった。
 勤務校では管理職に聞きに行けば自分の月ごとの時間外在校時間を知ることができる。ちなみに私はほぼ平均であった。「下校」時打刻導入にあたっては、当初積極的に賛成ではなかったが、実施されてみると、私たちの時間外労働の実態が数値として明らかにされたことの意味は大きいと思う。
 この勤務時間外の労働の中身はどのようなものかをみていきたい。
 日常的には、部活に問題がある。本校ではすべての教員が原則として2つの部の顧問となることになっている。
 部活動は教員の勤務時間終了の17時に終わるのが規則だが、顧問がつけば18時まで活動延長できることになっており、部活動の比較的活発な本校では多くの部があたりまえのように活動延長し、複数いる顧問が延長当番を決めて交代で対応している。
 土日の部活動も顧問が交代で出勤する。勤務の振替はあるが、校務の多忙化のため振替できる日が少なく、振替えた日に出勤することも多い。また振替の結果年休消化率が落ちている。これでは年休の時に部活動をみているのに等しい
 朝学習放課後の自習室の問題もある、学年担任団が生徒の学力向上のためと称して勤務時間の前・後の時間帯に自習や補講の場を設け、担任が交代で監督にあたっている。
 こうした部活動や学習の場は、生徒のためという美名のもとで協力的でない者が肩身の狭い思いをする傾向がある。考査問題の作成や採点、成績処理や評価の作業も勤務時間の範囲内で終わるわけがない。
 本校の調査結果で11月の時間外在校時間が特に多いことには理由がある。この月、特別指導が多発したのである。当該学年の担任や生徒部の教員は連日事情聴取や会議で21時近くまで残り、申し渡しで朝早くから出勤するなど、何も起こらなければやらなくていい仕事に忙殺されたということだ。私も担任や生徒部の時にはこの対応が一番嫌だった。
 問題解決の手がかりを考えてみると、職場においては「生徒のため」の時間外労働を美徳とする風潮や同調圧力、それを業績評価に反映させようとする管理職の姿勢の排除がまずは求められる。
 教員の時間外労働が当然のことではなく、異常なことなのだという価値観が職場で共有されるようにしたい。
 政策的には給特法の改正も必要だが、それ以前に教員定数を増やすこと、1クラスあたりの生徒数を減らすことが最優先課題だろう。(TK)
『いまこそ 15号』(2018年1月18日)

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