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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

言論・表現の自由を守る会 個人通報制度即時批准求め外務省要請(続)

2016年05月29日 | 人権
 ◎ 国連勧告パラグラフ22(公共の福祉を理由とした基本的自由の制限)
   の受け止め方について


 5月19日(木)14:00~ 外務省で、「言論・表現の自由を守る会」による「個人通報制度の即時批准」を求める要請行動が持たれました。
 対応したのは、外務省総合外交政策局人権人道課首席事務官鈴木律子氏です。
 『要請書』全文は、別掲の記事をご覧下さい。
 要請の最後に、補足として、4月16日の国連「表現の自由」特別報告者デビッド・ケイ氏へのNGOブリーフィングに参加した会員から、その時の資料を参考資料として示しつつ、「パラ22」に関する質問と要請を行いました。
 (国連自由権規約委員会第6回日本政府報告審査に対する最終見解)
 以下、その時のやりとりを記します。

 補足提供資料は、次の2点です。
 ①日弁連パンフレット「第6回政府報告書審査をふまえて『自由権規約委員会は日本政府にどのような改善を求めているのか』」のp14にマーキングしたもの。
 ② 「パラグラフ22『公共の福祉』勧告の即時実行を求める要請書」(板橋高校卒業式事件から表現の自由をめざす会)
 ①の引用部分を下に記します。
 1 人権保障には厳しい制約を
 委員会は総括所見22項において,公共の福祉を理由とする基本的人権の制限に言及しました。
 同項は,「委員会は,「公共の福祉」の概念が曖昧かつ無限定であり,かつ,規約(2条,18条及び19条)の下で許容される制約を超える制限を許容する可能性があることについて,繰り返し懸念を表明する。
 委員会は,前回の総括所見(CCPR/C/JPN/CO/5,para.10)を想起し,かつ,締約国に対して,規約18条3項及び19条に定める厳格な要件を満たさない限り,思想,良心,宗教の自由または表現の自由を享受する権利に対して,いかなる制限も課すことを差し控えるよう,強く求める。」としています。
 このような見解は,これまで委員会が公職選挙法上の公務員の政治活動の制限や戸別訪問の禁止などが表現の自由に対する過度の制限となっていることを指摘していたことが背景となっています。
 また,委員会が規約19条だけでなく,18条にも言及した背景には,いくつかの市民グループが,学校における日の丸の掲揚,君が代斉唱時に起立しなかった教員に対する懲戒処分が,思想,良心,宗教の自由を侵害するものと指摘したことについて,考慮されたものと評価できるでしょう。
 (第7章 危機に立つ思想良心信教の自由・表現の自由 から)
 これらの資料に基づいて、以下の要請と質問を行い、鈴木首席事務官から口頭で回答をもらいました。
 (要請1)
 資料①で日弁連は、「パラ22」の勧告を、具体的な国内問題として受けとめている。すなわち、意見・表現の自由(規約19条)については「公職選挙法」の問題、思想・良心・宗教の自由(規約18条)については「君が代裁判」の問題。自由権規約委員会は、当然、勧告に先立ってNGOから提出されたレポートを検討したのであって、日本国内に具体的問題が存在すると認定したから勧告したのである。これまでの交渉において、外務省・法務省・文科省等政府機関は、「パラ22」は"一般的・抽象的な"勧告に過ぎない、と説明してきたが、この日弁連の見解をどう受けとめるか。
 →(回答)
 政府としては、勧告は「法的拘束力」を持たないものではあるが、真摯な対応を執ろうと努めている。必要な法改正があれば取り組む。所見はあくまで「一般論」にとどまっているが、NGOのレポートがあったことは、すべて国連人権高等弁務官のHPに掲載されているので、承知している。あとは法令に関わる各省庁の判断である。
http://tbinternet.ohchr.org/_layouts/TreatyBodyExternal/SessionDetails1.aspx?SessionID=624&Lang=en
 (要請2)
 資料②のp2に、複数のNGOが、関連省庁に要請した際のQ&Aの一部が紹介されているが、どの部署も、自らの所管に関わることを否定する、無責任な対応である。特に東京都は、地方公共団体には条約遵守義務が無いかのような回答だが、締約国は国内機関一体となって勧告実現に取り組むべきではないのか。東京都を指導して欲しい。
 →(回答)
 国内のすべての関係省庁で、情報を共有して、真摯な取り組みに努めている。必要な情報提供は、外務省のホームページを通して、すべてオープンにしている。今回の最終所見については、全国の関係部署に直接お知らせを行った。東京都の問題は、文科省とどのように情報を共有しているかの問題だと思われるので、そちらにあたられてはどうか。
 今回の要請行動は、30分という限られた時間の中で、通り一遍の回答しかもらえませんでした。ただ、これまでの記録は、国際社会においても、国内においても、すべてオープンになっていることは間違いないので、エビデンスが残っている限りいつでも追求が可能であるということを、将来への手かがりとして確認することは出来ました。
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