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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

大阪で「日の丸・君が代」裁判等の全国集会

2016年09月10日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  《ひのきみ通信Web版から》
 ◎ 第6回「日の丸・君が代」問題等全国学習交流集会(報告)
   ~たたかいを全国から大阪へ、大阪から全国へ~

石井 泉(天羽高校分会)


「第6回『日の丸・君が代』問題等 全国学習交流集会」(7.24 大阪)

 7月24日(日)に大阪市(会場エルおおさか)で上記集会が開催され、全国から約160人が集まった。千葉高教組からは現or元対策委員会メンバー4人(渡部・みつはし・高木・石井)が、前日「ひのきみ全国ネット」7・23全国会議からデモ行進まで参加した。
 午前中(10:30~12:00)の第Ⅰ部全国各地からの闘いの報告だった。
 神奈川の個人情報保護条例を活かす会の外山さんから、昨年の文科省交渉の回答「(『起立斉唱は強制するものではない』事前説明は)各学校の創意工夫の一つだと考える」や対県交渉の状況・総合学習に名を借りた自衛隊職場体験中止を求める運動の報告があった。
 千葉は石井が、千葉の公立高校の卒業式の状況・今年導入された人事評価制度・実教教科書採択をめぐる闘い・昨年の育鵬社版歴史公民教科書の初採択(千葉中・東葛飾中)について報告した。最後に、「教職員として、毎年の式で問われ続けている児童・生徒の『思想良心の自由』が守られるよう行動を続けたい。そのために生徒への授業を実施し、分会や組合の支援活動・保護者や市民との連携に広げていきたい」と結んだ。
 東京からは、まず根津さんが、昨年5月の東京高裁(須藤典明裁判長)の「まさかの勝利判決」(河原井さんだけでなく根津さんの停職処分も取り消し)と最高裁による都の上告棄却について報告した。
 次に青木さんが、再雇用拒否第2次裁判の昨年12月の東京高裁勝利判決と都の上告の状況を説明した。
 東京「君が代」第3次訴訟原告の花輪さんは、「累積加重処分は裁判所が全否定」「再発防止研修を受けた者は400人を超えたが『反省』した人は一人もいない」「『学校儀式論』批判が必要」と指摘した。
 東京ビラまき交流実行委員会の渡部さんは、今年実施した約60校の都立高校と4つの特別支援学校での「卒業式ビラまき」の報告や「日常的ビラまき」の提起、週刊サンデーに連載が始まった『あおざくら 防衛大学校物語』の問題性を指摘した。
 全国ネット首都圏の永井さんは、高校での宿泊防災訓練に名を借りた「隊内生活体験」の実施(2013年都立田無工業高校、2014年大島高校)や都独自に設定された教科「奉仕」での自衛隊駐屯地での体験活動(2010年以降都立練馬高校)を紹介し、進路指導部に食い込むリクルート活動や職場体験など「自衛隊教育」の状況と教育現場への浸透を報告した。
 河原井さんの代理として衣装も真似た近藤さんが、全国の仲間へ『雑木林』の共闘を訴えた。
 兵庫の特別支援学校の石川さんは、職場でたった一人で不起立した時の他の教職員の冷たかった反応や「日の丸・君が代」への思いを述べた。
 福岡の木田さんは、「福岡ではゲルニカ事件処分に対し組合員が大挙抗議行動に押しかけ、それ以来、教委が処分をさけている」「自分は長崎原爆の被爆2世でもあり是非8月9日には爆心地公園に来て欲しい」と訴えた。
 宮城の土屋さんは、平和をテーマとする大きな絵を制作し会場壁を飾ってくれた。「女川の未来を考える会」の仲間と被災地を歩き続け、いつしか知り合いになったおばさんが小声で「実は私も原発反対なのよ」と話した例を紹介し、同僚で不起立者は増えなくても話し続けることが大切、いつか「実は~」を待ちたいと話した。
 愛知の小野さんは、小学校で子供たちが「なぜ『日の丸・君が代』だけ押しつけるのか」と抗議し校長室に座りこみ、実施されたが子供たちの多くは歌わなかった経験を紹介した。
 最後に高嶋伸欣先生が「都教委『オリンピック読本』と『君が代』強制教育」のテーマで特別報告を行った。東京では『オリンピック読本』が数億円をかけ約70万部も配布された。「オリンピックで国旗が掲揚され国歌が演奏」など明確な間違い、「日の丸・君が代」の意味の説明など作為的内容で、監査請求や住民訴訟を検討しているとのことだった。
 昼休憩には、大阪の枚方市の先生(+土屋さん)バンド『シッターズ(座る人)』による痛快な替え歌が披露された。『桜坂』替え歌(君が代が流れたら僕はそっと座るよ 君の意味が天皇だから~)、そのほか『青空』『風に吹かれて』『さよならCOLOR』『ピースとハイライト』『イマジン』等の替え歌もあり痛快だった。歌詞カード等も頂けた。
 午後の第Ⅱ部はパネルディスカッション。「『戦争法廃止』とむすび、地域・学校から『日の丸・君が代』強制に抗う」がテーマで行われた。
 司会は「日の丸・君が代」強制反対ネットワークの寺本さん、パネラーに大阪「君が代」処分撤回弁護団の永嶋靖久さん、被処分者の芦間高校教員(梅原さん)、同元保護者と生徒、元高槻市教員(ZAZA山田さん)の5人が参加した。
 4年前の芦間高校卒業式で、梅原さんが不起立した直後に来賓挨拶で維新の会議員が「ルールを守らせる教員がルールを守れず、すみません」と発言、その後戒告処分。保護者や教え子による活発な抗議行動が行われた。
 元生徒は、中3の卒業式で音楽教員が「『君が代』は恋の歌」との説明に疑問を感じ、校長が「立つも立たないも個人の自由」と言ったので不起立を始めたそうだ。芦間高校の卒業式前に『不起立宣言』し、足がガクガク震えながらも座り続けた経験を語った。
 また、「呼名できなくなったり生活に関わる問題で、安易に担任に『不起立頑張って』と声かけられなかった」「府教委や校長の強制で、卒業式の主役である私たちが悩み、不安にさせられている。校長は、私みたいな生徒に配慮するようにならないのか」と訴えた。真っ直ぐな若者の発言は感動的だった。
 また、2015年3月に出された大阪弁護士会の勧告書が、「起立斉唱の強制は人権侵害」と断じ、さらに「大阪府国旗国歌条例」「起立斉唱を強制する強制する『教育長通達』」を違憲・違法の疑いがあると指摘したことも、重要な報告だった。
 第Ⅲ部大阪からの報告。
 まずD-Tacの松田さんが、生徒が「君が代」の歌詞の意味を知らないまま強制されている実態がある。生徒は歴史や意味を知りたいはず、生徒への指導や説明を追求していきたいと発言した。
 続いて、ZAZAの松村さんが戒告処分撤回合同裁判の状況、「不起立」解雇撤回訴訟原告団の野村さんが裁判状況を報告した。
 ZAZAの奥野さんは、「管理職から『今年の卒業式では立ちますか』と聞かれること自体がおかしい」「『君が代』が意味が変わったから良いというのはおかしい。ナチスの敬礼は今でもダメ」と指摘した。
 同じく辻谷さんは、不起立減給処分取消訴訟の大阪地裁不当判決(即日控訴)を報告した。娘に「なぜ(一審で)負けたのだろうか」と問うと、「今の日本がそういう状況なんじゃない。自由がない・・」と答えたそうだ。辻谷さんは、「この運動についていけない」と言う人とどう繋がるかが重要と訴えた。
 同じく佐藤さんは、豊中市教委が再任用「不適格」の理由の一つに、最後の卒業式練習の後で「君が代」について説明したことを挙げていると紹介した。
 また、「井前処分を撤回させる会」事務局の間苧谷さんが、裁判の状況や情報公開請求の取り組みを報告した。
 続いて、伊賀さんが大阪で大量採択された育鵬社教科書への反対の取り組みを説明した。
 最後に、「日の丸・君が代」強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワークの黒田さんが、次のようなまとめと課題提起を行った。
 東京では2012年の最高裁決定後65件55人にわたり減給処分を取り消させ、裁量権の範囲を戒告以内に押し止めてきた。昨年最高裁で確定した東京高裁須藤判決は、「免職への累積加重は憲法が保障する思想良心の自由に対する実質的侵害につながるものである」と断じた。2009年大阪高裁判決は、「君が代を斉唱しない自由も尊重されるべきである」と判示した。粘り強い闘いの成果である。また、憲法12条「自由及び権利は~常に公共の福祉のために利用する責任を負う」を鎧に教師たる私の権利主張は『公共の福祉』のための権利主張であるとする理論、儀礼的所作は国家神道を引きずる宗教的行為で憲法違反にあたると主張する必要性を提起した。
 16:20からのデモでは「『日の丸・君が代』の強制反対」などをシュプレヒコールし、特に途中のアメリカ領事館前は「新基地建設反対」「高江の弾圧を許さないぞ」と叫んだ。前日夜には交流会もあり、2日間たくさんの闘い続ける方々の話を聞いた。「日の丸・君が代」の闘いは確実に勝利している。私も粘り強く闘い続けたい。
『ひのきみ通信』第202号(2016年8月27日)
発行=「日の丸・君が代」対策委員会
連絡先:千葉市中央区中央4-13-10 千葉県高等学校教職員組合内
http://homepage3.nifty.com/hinokimi/
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