パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

日本・インド原子力協定のもうひとつの重要な問題点

2015年12月13日 | フクシマ原発震災
 ▼ インドとの原子力協力協定に異議を唱える被爆地
   松井広島市長と田上長崎市長が連名で日印協定中止を要請

山崎久隆(たんぽぽ舎)

 日本インド原子力協定に関して、核拡散防止条約に加盟していないインドとの原子力協定は、インドによる核兵器開発への転用の懸念を生じさせ、核兵器廃絶の障害になりかねないと、協定交渉の中止を文書で要請した。
 12月11日から3日間の日程でインドを訪問する安倍首相への要請。
 モディ首相との会談が予定されているが、今回の目的の一つに日本の原子力関連技術の輸出をもくろんでおり、原子力協定の締結でそれが可能になるので合意を目指している。
 広島市と長崎市は9日に、松井市長と田上市長の連名で、交渉の中止を求める安倍総理大臣と岸田外務大臣宛ての要請文を外務省に提出した。
 「被爆地であるヒロシマ・ナガサキの思いを真摯に受け止め、交渉を中止するよう強く要請します」としている。NHKなどが報じている。
 マスコミが報道しないもう一つの重要な点がある。それは核戦争の危険性だ。

 ▼ 「核武装国との協力」とは何か
 インドとパキスタンや中国は、過去に軍事衝突を起こすなど、この地域の緊張は現在も続いている。印パのカシミール紛争などは解決しているわけではない。
 この協定はインドもパキスタンも核武装国であることを何ら考慮していない、とんでもない代物だ。
 紛争当事国の一方に荷担する行為でもある。これを一部武装勢力などから「反イスラム的」などと見られれば攻撃の対象にもなり得る行為だ。
 万一、印パ紛争が再燃し、あるいはインドと中国との緊張にパキスタン(言うまでもなくパキスタンの核開発は中国が支援した)が絡むことにでもなると、日本の原子力協力は即時に日印核武装同盟になりかねない危険をも有するものだ。
 「イスラム国」と同床異夢のパキスタン国内武装勢力などが台頭し、核兵器を持ったまま政権が変わることにでもなると、南アジアの核危機は極めて高くなる。これにインドが核兵器を保有したまま武力介入するような事態も懸念される。
 依然としてヒロシマ・ナガサキ以来最も核戦争の敷居が低いのは印パである。
 日本が核の輸出や援助をもくろんでいる地域とは、そういった地域であることを忘れてはならない。
  たんぽぽ舎です。【TMM:No2661】2015年12月11日

コメント    この記事についてブログを書く
« 『産経』のこうした扇動に刺... | トップ | アベを倒そう!(42) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

フクシマ原発震災」カテゴリの最新記事